日本政策金融公庫で融資の対象となる業種|ガールズバーはOKか

日本政策金融公庫で融資の対象となる業種|ガールズバーはOKか 更新日:2019.08.01 公開日:2019.07.16起業のための資金調達 – 日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫 融資 対象 業種

事業で融資を受けたいなら、日本政策金融公庫が最初の選択肢となるのではないでしょうか。

日本政策金融公庫は税金で運営されている公的金融機関で、令和元年6月の融資実績はなんと単月で約23,000件もあります。

非常に多くの融資を実行している日本政策金融公庫ですが、中には融資の対象外となる業種も一部あります。一部の風俗や娯楽業などです。

今回の記事では、日本政策金融公庫から融資を受けられる業種とそうでない業種についてご説明致します。

1.日本政策金融公庫で融資の対象となる業種一覧

①生活衛生の業種

日本政策金融公庫では「国民生活事業部」「農林水産事業部」「中小企業事業部」と3つの事業部がありますが、この中の一つである国民生活事業部では生活衛生に関わる貸付(融資)を積極的に行っています。

「生活衛生」は少々硬い印象の言葉ではありますが、具体的に言えば、人間が以下のように人間らしい当たり前の生活をするのに必要な事業を指しています。

  •  安全で衛生的な食品を食べ、飲むこと→ 飲食業、喫茶店業、食肉販売業、食鳥肉販売業、氷雪販売業
  • 身体・髪の毛・衣類を清潔に整えること→ 理容業・美容業(とその専門学校の運営も)、講習浴場業、クリーニング業
  • 旅行や映画などの娯楽を楽しむこと→ 興行場営業、旅館業

 【参照:日本政策金融公庫|ご融資の対象となる方】

 日本政策金融公庫で融資を受ける個人事業主や小規模事業主の方の多くは、この生活衛生の業種で融資を受けています。また、これらの事業を行う生活衛生同業組合、事業協同組合などの事業が融資を受けたい場合は、別で組合向けの融資を日本政策金融公庫では提供しています。

②その他で融資が可能な業種

生活衛生以外でも、日本政策金融公庫ではほとんどの業種で融資を受けることが可能です。前述した通り、日本政策金融公庫にある3つの事業部のうち「農林水産事業部」では農林・水産業の融資を全面的に行っています。 

農林水産業

 

林業

漁業

鉱業

建設業

製造業

電気・ガス業

運輸・通信業

卸売・小売業

不動産業

サービス業

 

アパレル・ファッション関係は卸売または小売業になります。 服を製造することもするのであれば、製造業も追加になります。

本サイト(資金調達ノート)をご覧頂く方の中で比較的お問合せが多い業種は太字の建設業・不動産業・サービス業です。特に、サービス業は事業範囲が広すぎるため、以下の見出しでもう少し細かく見ていきましょう。

③サービス業の幅広いビジネス(フリーランスやネット利用の広告業まで)

サービス業を大きく2つに分けると、以下の2つに分けることができます。

その1.店舗や不動産を持つサービス提供をする事業

(物品預り業、賃貸業、家事サービス業、写真業、衣服裁縫修理業、葬儀・火葬業、娯楽業、放送業、駐車場業、自動車整備業、他事業サービス業、専門サービス業、医療業、廃棄物処理業、他サービス業(集会場、と畜場、その他)

 他事業サービス、専門サービス業、他サービス業には以下のような事業が含まれます。

他事業サービス

商品検査・計量証明・建物サービス・民営職業紹介、警備業・人材派遣業

専門サービス業

獣医業、土木建築デザイン業、デザイン業

他サービス業

集会場、と畜場

 その2.ネットを主に使ってサービス提供をする事業

(情報・広告業)

情報サービス業

データセンター・市場調査やソフトウェアにより情報を提供する事業

ニュース供給業

新聞・定期刊行物・テレビ・ラジオなどにニュースを供給する事業

興信業

個人や企業の所在・行動等の調査を行う事業

広告業

紙・ネット媒体問わず、広告依頼主に対して企画立案・マーケティング・広告作成などを行う事業

 今はネットでブログを書いてアフェリエイトで収入を得るなど、一般的な業種では分けられない業種で生計を立てている方も多くいらっしゃいます。アフェリエイト事業は働き方が様々(ライター、Webデザイナー、マーケターなど)なので何とも言えませんが、上記の情報サービス業、広告業、などに区分すれば問題ないでしょう。

2.日本政策金融公庫で融資の対象とならない業種一覧

非常に多くの業種に融資をしてくれる日本政策金融公庫ですが、以下の事業だけは融資の対象外となっています。

貸金業

銀行業、信金業、補助的金融業、損害保険業、協同組織金融業など

風俗業

ソープランド業など

娯楽業の一部

競輪・競馬などの競争場やその競技団、パチンコ、スロットなど

事業サービス業の一部

公共料金以外の取立業・集金業

社会福祉事業

社会保険事業団体、福祉事務所、厚生保護事業

政治・経済・文化団体

政党や経団連など

 ここで気になるのが、風俗業のすべてがダメなのか?という点ではないでしょうか。すべての風俗業が融資不可というわけではなく、ガールズバーというバーのバーテンダーが女性中心の事業であれば融資に通った実績もあります。ちなみに、日本政策金融公庫ではなく信用保証協会の場合はモーテル・ラブホテルはNGなので公庫でもその可能性が高いです。

 飲食業と風俗業の境目に近いグレーゾーンの事業で融資を受けたい方は、いきなり申し込まず、融資の問合せ窓口や当サイトの無料相談などで確認することをオススメします。

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3.業種だけOKでも事業の規模が大きすぎると融資の対象とならない

融資の対象となるには、業種だけでなく事業の規模が一定の範囲内でなければいけません。 

【参照:日本政策金融公庫|融資対象】

 ①生活衛生の場合

融資を受ける場合は、以下のように資本金(または出資金)と常時使用する従業員数について縛りがあります。 

業種

資本金(または出資金)と常時使用する従業員数

飲食店営業、喫茶店営業、理容業、美

容業、一般公衆浴場業、サウナ営業、

その他公衆浴場業

5,000万円以下、100人以下

食肉・食鳥肉小売業、氷雪販売業

5.000万円以下、50人以下

旅館業

5.000万円以下、200人以下

食肉・食鳥肉卸売業、氷雪卸売業

1億円以下、100人以下

興行場営業

3億円以下、100人以下

クリーニング業

3億円以下、300人以下

②それ以外の事業の場合

製造業・建設業・運輸業など工場や車両など大規模な設備資金が必要な事業の場合は、資本金3億円以下または従業員数が300人以下でなければ融資は受けられません。

また、卸売業の場合は資本金が1億円以下または従業員数100人以下。小売業・サービスス行の場合は資本金5,000万円以下で従業員数が50人以下、サービス業の場合は5,000万円以下で従業員数が100人以下である必要があります。

4.業種と事業の規模がOKなら、①事業経験②自己資金③借入をチェックしよう!

業種も事業規模も対象内だ!早速日本政策金融公庫で事業融資の申込みをしよ~!と駆け込む前に、ちょっと待ってください。

 日本政策金融公庫で融資を受けるための3大ポイントは満たしていますか? 

【日本政策金融公庫で融資を受けるための3大ポイント】

  • ①始めようとする事業の経験が十分(最低でも半年~1年、未経験は不可)にある
  • ②自己資金(預貯金)が最低100万円はある
  • ③他社からの借入で生活するのが苦しくない

 事業経験や自己資金、借入状況がよろしくない時点で融資の申込みをしても、審査に落ちる可能性が高いです。日本政策金融公庫の融資に一度落ちてしまうと、融資に落ちた記録を他の金融機関も知ることとなるため、最低半年ぐらいは他社からの融資も受けづらい傾向があります。

まとめ

日本政策金融公庫で融資の対象となる業種は非常に幅広いですね。自分の業種は理解されないだろうと諦める必要はありません。

きちんと利益が出るビジネスモデルで非対称業種でなければ、企業概要書などの書類を完備することで理解が得られる可能性はあります。

まずは無料相談でどの程度可能性があるかを調べてみるといいでしょう。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/

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