日本政策金融公庫の審査は自分1人だと50%以上の確率で落ちる!?

日本政策金融公庫の創業融資の審査は50%以上の確率で落ちる!? 更新日:2020.08.04 公開日:2018.02.21起業のための資金調達 – 日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫審査

日本政策金融公庫の創業融資は、一度審査に落ちてしまうと、再申し込みをしても審査落ちの原因を解消するまでは融資を受けることが難しくなります。また、再申し込みには半年の期間を開ける必要があります。今回の記事では、日本政策金融公庫の創業融資で審査落ちになりやすい原因をご紹介します。

1.創業融資の審査通過率は50~60%

日本政策金融公庫の創業融資の審査は、事業開始のための準備をしっかりしていけば審査に落ちてしまう可能性を減らすことができます。
必要な準備は、開業のための自己資金、創業計画書など公庫への提出書類、面談対策です。

日本政策金融公庫の創業融資は、中小企業や個人事業主の事業をサポートするために国から出資を受けている融資制度です。そのため、日本政策金融公庫の融資は、事業実績がなく、民間の金融機関から借りにくい事業主でも、低金利で借入できるシステムになっています。

とはいえ、日本政策金融公庫の創業融資審査の通過率は50~60%であり、甘くはありません。落ちてしまう50%の人は、開業の見通しが甘く、事業で利益を出せずに返済貸し倒れするリスクがあると、公庫の担当者に判断された人です。

そのため、これから日本政策金融公庫に融資の申し込みをするならば、開業のための準備をしてから申し込みましょう。

もし現状の準備で融資を受けられそうか確認したい場合は、弊社株式会社SoLabo(ソラボ)の無料診断を利用してください。金融機関の融資サポート6,000件の実績から、資金状況や今までのご経験を踏まえて創業融資を受けられそうか診断いたします。

日本政策金融公庫から融資を受けられる? 無料診断

電話で無料相談【受付】平日9:00~19:00

2.事業主の返済能力に問題があると公庫の審査に落ちる

日本政策金融公庫で融資を受ける場合、申し込みをする事業主の返済能力が審査されます。とくに、創業融資を受ける場合は過去の事業実績がないので、申込者の返済能力が融資の可否を左右する傾向にあります。

つまり、事業主の返済能力に問題があると判断されれば、公庫の審査に落ちてしう可能性が上がるのです。一方で、開業できるだけの十分な準備をしており、事業を開始すれば利益を出し、借入金を返済できると判断されれば、融資を受けられる可能性があります。

では、具体的に返済能力が無いとみなされてしまうのはどういった場合なのか、次から解説していきます。

(1)自己資金がない

自己資金は事業のために準備してきたことをアピールするのに重要です。また、自己資金がしっかりと準備できていれば、創業に対する計画性もあり、余剰資金も確保できているので、お金を貸してもしっかりと返してくれる人だろうと判断する上での基準になります。

また、日本政策金融公庫の創業融資では、融資希望額の1/10の自己資金が必要と募集要項で定められています。そのため、自己資金が全くない状態で申し込みしても、融資を受けられません。

なお、日本政策金融公庫の融資審査では、直近半年分の預金通帳を開示します。理想的な自己資金は、申込する本人がコツコツと貯めたお金です。面談の直前に通帳の金額を増やしても見せ金と判断されてしまうので、審査では不利になります。

もしご家族などから資金の援助を受けた場合には、振り込まれた方のお名前や関係性などを説明できる資料などを準備して、面談時に説明しましょう。

見せ金と思われるケース

(2)税金や公共料金の支払いに未納や滞納がある

創業融資の審査では、以下のような税金や公共料金の支払いに遅れがあると、審査落ちの原因となります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 法人税
  • 事業税
  • 消費税
  • 電気、ガス、水道など公共料金の支払い

日本政策金融公庫の創業融資審査では、源泉徴収票か確定申告書、半年分の貯金通帳で税金の支払状況を確認しています。そのため、未納や滞納をごまかすことは出来ません。

返済期日を守れないと返済能力が低いと判断されるので、未納を解消しても審査には不利になるでしょう。もし、税金や公共料金を支払えないほど生活資金が困窮しているのなら、公庫に申し込むよりもまず生活の立て直しを図って下さい。

なお、国民年金と国民健康保険を確認する書類を提出する必要はありません。そのため、年金と国民保険に関しては公庫の審査基準に無い可能性が高いです。とはいえ、今後必要になる可能性もあるので、可能な限り年金や国民保険の未納も解消することをおすすめします。

直近の支払いや自己資金に不安があるなら、当サイトの無料診断をお試しください。無料診断では入力項目をSolaboの融資担当者が内容を確認してのち、お電話にて審査の可能性をご連絡差し上げています。すぐに確認したい場合、お電話での問い合わせをご利用ください。

日本政策金融公庫から融資を受けられる? 無料診断

電話で無料相談【受付】平日9:00~19:00

(3)金融商品の返済を遅延したことがある

金融機関への返済を遅延したことのある人は、創業融資の審査に通過することが難しくなります。

金融機関の利用実績は、個人信用情報機関に一定期間保管されており、日本政策金融公庫の審査の際にも参照されます。下記のような支払い・返済を遅延したことがある人は返済能力が低いと判断されやすく、審査落ちの原因になりやすいです。

  • クレジットカードの支払
  • カードローン・キャッシングの返済
  • 奨学金の返済
  • スマートフォンの割賦販売の滞納
  • 住宅・自動車などのローン

とくに、現在も滞納している人は、借金を返すための「借り換え」として公庫を利用していると判断される可能性もあります。

公庫は借り換えはしていません

もし、信用情報に不安がある場合には、一度、下記のサイトからご自身の信用情報を確認してみてください。

・クレジットカードやカードローン「CIC(株式会社シー・アイ・シー)

・消費者金融系「JICC(日本信用情報機関)

・銀行系「全国銀行個人信用情報センター

信用情報に表示されるマークについては下記図からご確認ください。

信用情報の見方

CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター(KSC)に情報が保管される期間は、原則2年間です。ただし、61日以上の長期延滞など、異動情報は5年間されます。

61日未満の遅延をした程度なら、これだけが原因で審査に落ちることはないでしょう。ただし、異動情報が保管されている期間の審査通過は厳しいです。

(4)計画性がない

「とりあえず借りたい」「借りられるだけ借りたい」という曖昧な状態で創業融資の審査を受けても通る可能性は低いです。

日本政策金融公庫の担当者は、貸したお金をどのように使うのか、資金の使途はしっかりしているかということをチェックします。そのために提出する書類が、創業計画書や事業計画書です。
事業に対する計画をしっかりと伝えられない状態では融資審査を通過することは難しいと覚えておきましょう。

創業時の融資で提出する「創業計画書」の書き方などは下記をご確認ください。

参考:創業融資成功の鍵!「創業計画書」書き方とポイントを徹底解説!

参考:創業融資に受かりやすい創業計画書を作成する9つのポイント

(5)面談で失敗してしまう

日本政策金融公庫で融資を受ける際、準備した資料を元に日本政策金融公庫の担当者との面談が行われます。

この面談では、担当者から事業に関して厳しいところを突かれたりということもあります。

稀にですが、そういった際に担当者に対して逆ギレしてしまったり、ふてくされてしまうなど態度が悪くなってしまう方がいらっしゃいます。

人間性という点で評価が下がってしまう可能性があります。日本政策金融公庫の担当者は融資を受けたいと思っている経営者の味方です。その方の未来が悪い方向にいかないようにと厳しい質問をすることもあります。真摯な態度で面談に望んで下さい。

また日本政策金融公庫の審査に落ちる理由については、動画と別記事でも解説していますので、下記も合わせてご確認ください。

創業融資ガイド|日本政策金融公庫の審査落ちる理由は?落ちたらどうなる?

創業融資ガイド|日本政策金融公庫で審査落ちしてしまう方の特徴を解説 審査は甘いのか?

3.創業融資の審査期間は2週間から3週間

日本政策金融公庫の創業融資では、審査期間は面談実施から2週間前後になるケースが多いです。

ただし、コロナの影響により日本政策金融公庫への申し込みが増えている関係上、3週間以上かかる場合もあります。

そのため、面談終了から3週間程度までは、審査結果が来るのを待って問題ありません。3週間以上も日本政策金融公庫から連絡がない場合は、担当者に問い合わせをしてみると良いでしょう。

4.日本政策金融公庫の審査に落ちたときの資金調達方法

日本政策金融公庫の審査に落ちて、民間の金融機関に直接融資を申し込みする以外に、次のような方法があります。

  • 信用保証協会が保証している「保証付融資」を申し込む
  • 半年以上間を空けてから、日本政策金融公庫に再申し込みをする
  • 出資先を探す

日本政策金融公庫の審査に落ちてしまった場合、銀行や信用金庫など民間の金融機関から融資を受けることも難しいです。民間の金融機関は公庫以上に審査が厳しく、事業実績が無いと返済能力を判断できないため、融資をしてくれません。そのため、公庫以外から資金を調達する場合、信用保証協会を経由するか、融資以外の方法を検討する必要が出てきます。

信用保証協会が保証している「保証付融資」を申し込む

日本政策金融公庫の審査に落ちた時に考えられる資金調達としては信用保証協会が保証する「保証付融資」を申し込むことです。

代表的な申込窓口としては民間の金融機関またはお近くの信用保証協会となります。他にも地方自治体や商工会議所などの商工団体でも受付することができます。

しかし、公庫の審査に落ちた原因によっては同様の理由で融資を受けられない可能性がありますので、慎重に進めましょう。

半年以上間を空けてから、日本政策金融公庫に再申し込みをする

日本政策金融公庫で、審査に落ちてしまった場合、その原因が解消してからであれば、再度申し込みをする方が良いです。審査落ちの原因が何かにもよりますが、少なくとも半年以上は再申し込みをしても融資を受けるのは難しいといえます。

当面の事業資金を自己資金でまかなえる人や開業を遅らせても大丈夫な方は審査落ちの原因を解消してから再度融資の申し込みを行いましょう。

出資者から資金調達をする

自己資金を貯められない人や、信用情報に異動がある人は、融資ではなく出資で資金調達をする手段があります。

出資を受けるメリットは、自己資金や信用情報に関係なく資金を調達できる点です。また、出資は借金ではないので、出資者に対して返済する義務もありません。

一方、出資のデメリットとしては、出資者に魅力的な事業だとアピールできないと出資を受けられない点です。革新的な事業でないと出資は受けにくいでしょう。また、出資を受ける代わりに株式を発行するため、会社の経営権を出資者と分けなければならないデメリットもあります。

そのため、出資を受けて資金調達をする人は、事業に口を出されても良く、自分の事業に自信のある人が向いているでしょう。逆に自由に事業を行いたい人は出資以外の資金調達方法を検討してみてください。。

5.融資の成功確率を上げるためには「認定支援機関」を経由すべき

なぜ、認定支援機関を経由した方が良いかという理由は大きくわけて3つあります。

  • 創業計画書など融資審査に通過するための重要資料を充実した内容にすることができる
  • 融資の専門家が面談対策をしてくれる
  • 融資申込者の信用度が上がる

理由1:創業計画書など融資審査に通過するための重要資料を充実した内容にすることができる

創業融資などを専門とした認定支援機関であれば、融資を受ける際に必要な書類作成のプロです。創業者の方のお話を聞きながら、創業者の方の想いをしっかりと伝えることができる資料を作成するこが出来ます。

理由2:融資の専門家が面談対策をしてくれる

認定支援機関を経由して融資の申込みを行うと、専門家が面談対策を実施してくれることがあります。専門家からのアドバイスを受けることで、安心して面談に望みやすくなるでしょう。

理由3:融資申込者の信用度が上がる

認定支援機関を経由して融資を行うと、認定支援機関は日本政策金融公庫に、融資先の事業進捗報告を2年間行う融資制度があります。

つまり、融資先の事業の経営状態などを最低でも2年間はしっかりと把握しておく必要があります。そのため、決算書などを確認したり、資金繰りの状況を確認したりということを行う必要があります。借入が難しいという方の場合には申込みの前に状況の改善のご提案をすることも可能です。

また、認定支援機関が関与することで、事業の状況を確認する支援を受けられる場合もあります。

*認定支援機関を経由することで、融資を受ける方にも多くのメリットがあります!認定支援機関についての詳細は下記記事をご確認ください。

参考:融資を受ける際に認定支援機関を経由することで得られる特典

なお、当サイトを運営するSoLaboも融資のサポート実績が6,000件を超える認定支援機関です。日本政策金融公庫の融資に関して質問や不安がある人は、まずはお気軽に当社にご相談ください。

日本政策金融公庫から融資を受けられる?無料診断

電話で無料相談【受付】平日9:00~19:00

まとめ

日本政策金融公庫は100%政府が出資している政府系金融機関であり、個人事業主や小規模事業者の創業企業を応援することで、日本経済の成長・発展に貢献しています。そのため、民間の金融機関よりも融資が通りやすい金融機関といえます。

しかし、通りやすいとはいえ申し込みをした人の半数以上は個人の信用情報や様々な理由により融資不可となっています。

そのため、申込みを行う前に、資金調達のプロフェッショナルである国の認定支援機関に相談してみることがおすすめです。

資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/

融資支援実績 6,000件超独立・開業・事業用資金の資金調達を
ソラボがサポートします。

  • 独立するための資金調達をしたい
  • 金融機関から開業資金の融資を受けたい
  • 手元資金が足りず資金繰りに困っている

中小企業庁の認定を受けた認定支援機関である株式会社SoLabo(ソラボ)が、
あなたの資金調達をサポートします。

ソラボのできること

新規創業・開業の相談受付・融資支援業務、既存事業者の融資支援業務(金融機関のご提案・提出書類作成支援・面談に向けたアドバイス・スケジュール調整等)

今すぐ融資の無料診断