キッチンカーでサンドイッチ屋は開業できるのか

キッチンカーでサンドイッチ屋は開業できるのか 更新日:2022.09.30 公開日:2022.09.30起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
キッチンカー 開業 サンドイッチ

サンドイッチ屋を開きたい人の中には、キッチンカーで開業できるかどうかを知りたい人もいますよね。また、キッチンカーでサンドイッチ屋を開業する場合、どのような流れなのかを知りたい人もいるでしょう。

キッチンカーでサンドイッチ屋を開業することは、原則としてできます。ただし、開業するに当たって、飲食店営業許可の取得といった一定の基準を満たさなくてはいけません。

この記事では、キッチンカーでサンドイッチ屋は開業できるのかを解説します。

キッチンカーでサンドイッチ屋は開業できる

キッチンカーでは、サンドイッチ屋を開業することができます。保健所から認められた食品であれば、販売することができるからです。

食品衛生法上、サンドイッチの販売はお弁当の販売と同じ扱いになるため、調理済みのサンドイッチを販売することができます。そのほか、キッチンカーに保健所の衛生基準を満たした調理設備を搭載すれば、車内で調理したサンドイッチを販売できます。

ただし、衛生管理の設備が整っていないと、営業許可が下りない可能性があります。とくに、サンドイッチは食材に生ものを使っている場合があるので、作り置きをしておく際は冷蔵設備にサンドイッチを保管するといった鮮度管理を行うようにしましょう。

開業するにあたって300万円以上かかる場合がある

キッチンカーでサンドイッチ屋を開業する際、300万円以上かかる場合があります。「車両の購入」「調理設備の導入」「外観を整える改造」をしなければいけないからです。

たとえば、新車の軽トラックを使ってキッチンカーを開業するときは、車両の購入費と改造費が必要になります。軽トラックの購入には100~150万円程度、改造を専門業者に依頼するとさらに150万円程度が必要になり、合計で300万円以上の資金が必要になります。

また、サンドイッチは大型の機材を用いなくても調理が可能で、数千円から数十万円の間で揃えられるので、設備投資にかかる費用を節約することができます。サイドメニューを販売するときは、専用のフライヤー設備やサイドメニュー用の設備も必要になります。

なお、中古のキッチンカーを購入する場合は開業費用を抑えられる場合があります。中古キッチンカーは、すでにキッチンカーとして必要な設備が整っていて新たに改造を施す必要がないので、開業費用の節約を考えている人は利用を検討してみてください。

キッチンカーでサンドイッチ屋を開業する流れ

出店までの流れを把握しておくと、開業準備が進めやすくなる傾向があるため、キッチンカーを開業予定の人は参考にしてみてください。

【キッチンカーのサンドイッチ屋開業の流れ】

  • キッチンカーのコンセプトを決める
  • キッチンカーを出店する地域を決める
  • 食品衛生責任者の資格を取得する
  • 保健所から飲食店営業許可を取得する

開業するまでの流れは原則として同じですが、飲食店営業許可の取得にかかる期間は申請者の状況や自治体ごとに異なる場合があります。キッチンカーでサンドイッチ屋を開業したい人はそれぞれの項目を参考にしてみてください。

キッチンカーのコンセプトを決める

キッチンカーでサンドイッチを販売するときは、キッチンカーとしてのコンセプトを決めましょう。コンセプトが決まると、販売するサンドイッチの種類が決まるからです。

たとえば、主食や軽食として販売したいときは、アメリカンクラブハウスサンドイッチやカツサンドなどが挙げられます。また、スイーツとしてサンドイッチを販売することもできます。果物とホイップクリームを挟んだフルーツサンドイッチを販売すれば、主食や軽食のサンドイッチを売っている店舗と集客面で差別化を図れます。

サンドイッチを売ることでお客さんにどのような価値を提供したいのかを考えると、コンセプトが明確になる場合がありますコンセプトが決まれば、販売するサンドイッチのメニューや種類も定まってきます。

ただし、コンセプトには一貫性が無ければいけません。5W1Hを使って「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「誰が」「どのように」の要素を書き出してみると、事業計画や頭の中のイメージを具体化しやすく、コンセプトがブレにくくなるので、参考にしてみてください。

キッチンカーを出店する地域を決める

キッチンカーでサンドイッチを販売するときは、出店する地域を決めるようにしましょう。出店地域に合わせて、保健所から営業許可を取得しなくてはいけないからです。

たとえば、出店地域を考えるときは、都道府県ごとに出店地域を検討します。東京都を日常的に出店する場所として決めたら、東京都の範囲でキッチンカーの出店場所を探します。

また、出店したい場所を見つけたら土地や建物の管理者と自身で出店交渉をする必要があります。出店交渉ではキッチンカー出店の可否から出店日数、出店料の交渉を行って条件が合致すれば出店することができます。

なお、キッチンカーの出店場所はネット上でも探すことができます。キッチンカーオーナーとキッチンカーを招致したい人をマッチングするサービスがあるので、出店場所を探したい人は利用を検討してみてください。

キッチンカーの出店場所に関しては「キッチンカーを開業するときに出店場所を探す方法」でも解説しているので、参考にしてみてください。

食品衛生責任者の資格を取得する

キッチンカーでサンドイッチを販売するときは、食品衛生責任者の資格を取得しましょう。食品を扱う場合は、食品衛生責任者の資格が必要であることが、食品衛生法で定められているからです。

食品衛生責任者はHACCPに基づいて、調理設備の衛生管理や食品を適切に管理することに責任を負う人物です。食中毒のような食品衛生上の問題を防止するために、必要な知識を身に着けている人が取得できる国家資格です。

食品衛生責任者の資格は、地域の保健所や各都道府県に設置されている食品衛生協会が開催している講習を受講することで、取得することができます。講習会場で行われる集団受講では、1日の受講とその後に行われる確認試験に合格すればその場で食品衛生責任者の資格が発行されます。

なお、食品衛生責任者の講習日程は地域によって異なります。集団受講で講習を受けるときは、地域の食品衛生協会や保健所を調べて講習日程を確認するようにしましょう。

保健所から飲食店営業許可を取得する

キッチンカーでサンドイッチを販売するときは、保健所から飲食店営業許可を取得しましょう。キッチンカーを開業するときは、保健所から飲食店営業許可を取得しなければいけないと食品衛生法で定められているからです。

たとえば、東京都でキッチンカーを出店するときは、東京都の保健所から飲食店営業許可を取得する必要があります。複数の都道府県にまたがってキッチンカーを出店するときは、出店する地域ごとに飲食店営業許可を取得する必要があります。

また、飲食店営業許可を取得するときは、保健所でキッチンカーの施設検査を受ける必要があります。施設検査の基準は、地域の保健所によって異なる場合があり、東京都の施設検査で合格したキッチンカーが、別の保健所の施設検査で不合格になる可能性もあります。

なお、飲食店営業許可の申請時には、保健所でキッチンカーの設備や設計について相談できます。キッチンカーの作成に取り掛かる前に保健所の担当者に質問できるように、キッチンカーの設計に関して、不明点や不安なことをリストにしてまとめておくとよいでしょう。

キッチンカーの飲食店営業許可の取得については「キッチンカーを開業するときに必要な許可を解説」でも解説しています。飲食店営業許可の取得申請をする人は参考にしてみてください。

補助金を利用できる場合がある

キッチンカーを開業するときは、補助金を利用することができる場合があります。自治体の中には、キッチンカーの開業を対象とした補助金を設けていることがあるからです。

たとえば、キッチンカーを開業する際に、車両の購入や改造にかかった費用に対して、30万円を上限に補助金を設けている場合があります。ほかにも、車両の改造費用として最大100万円の支援をしている場合もあります。

ただし、キッチンカーの開業で利用できる補助金は、その地域で開業する場合に利用できるという条件付きである傾向にあります。開業予定地の自治体によっては、補助金を設けていない場合があるため、キッチンカーの開業時に補助金を活用したい人は自治体の公式サイトを確認してみてください。

なお、キッチンカーで利用できる補助金が知りたい人は、「キッチンカーの開業で利用できる補助金を解説」を参考にしてみてください。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
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