憧れの移動販売を開業する際に必要な開業費用と知っておきたい注意点

憧れの移動販売を開業する際に必要な開業費用と知るべき注意点 起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
移動販売 開業 費用

固定店舗を持たないキッチンカーなどの移動販売は昔からある経営手法です。

しかし、最近ではイタリアンレストランが移動販売をするなど新しい移動販売が増えています。

不動産契約が不要の移動販売は、開業費用が低そうなイメージがあります。が、実際のところはどうなのでしょうか。

 今回の記事では、移動販売に必要な開業費用の目安や知っておきたい注意点をまとめていきます。

 1.急増する移動販売!最近ではこんな移動販売の種類もある

移動販売と言えばたこ焼きやケバブなどの軽食の販売というイメージがあるかもしれません。これらは「フードトラック」と言われていますが、最近ではフードトラック以外の移動販売も増えています。

 移動販売の開業費用を見ていく前に、ここ最近増えている移動販売の種類をご紹介しましょう。

 ①食品以外の移動販売とは

(1)アクセサリーなどのハンドメイド雑貨や子供服

アクセサリーなどのハンドメイド雑貨や子供服などの移動販売に注目が集まっています。

自分でアクセサリーなどを手作りし、手作り品を車に乗せイベントやフェスといった人の集まる場所に赴き販売します。

 (2)アーティストや選手の関連グッズ

コンサート会場やスタジアム付近で関連グッズを販売する方もよく見かけます。コンサート帰りにグッズ販売の移動販売車があれば、人の目をよく引くのではないでしょうか。

 (3)風鈴やモバイルファンなどの季節性のある商品

暑い夏にチリンチリンと涼しげな風鈴が移動販売で売られていたら、きっと目を引きますよね。最近では片手で持てる小さな扇風機(モバイルファン)もよく売られています。

 食品以外の移動販売では、食品ロスが発生しないという大きなメリットがあります。また、食品の移動販売と比較し調理器具が必要ないため、開業費用が安く抑えられるというメリットもあります。

 ②移動販売で売れる物と儲かる商品

移動販売で売れる物は焼き鳥、メロンパン、ケバブです。これらの移動販売車があれば、まずは立ち止まってみたくなるというのが人情です。

 原価が低く、利益率が高い儲かる商品は粉ものです。たこ焼き屋、クレープ屋、ベビーカステラ、たい焼き屋などお祭りでよく販売されている商品です。

 2.移動販売で必要となるキッチンカー購入などの開業費用

①移動販売車の購入またはレンタル費用

移動販売車を用意するには、①既存の自分の車を改装する、②既存の自分の車で自作する、③できあがっている移動販売車を購入する、④できあがっている移動販売車をレンタルする、という4つの方法があります。 

①既存の自分の車を改造してもらう

②既存の自分の車で自作する

合計100~130万円

合計50万円

・工具購入費用(2万円)・水道・シンク周り(6万円)

電源(パワーインバータ、リチウムイオンバッテリーセット)30万円・収納用品(1万円)・調理台・棚(2万円)

・調理用品(6万円)・冷蔵庫(4万円)

③できあがっている移動販売車を購入する

④できあがっている移動販売車をレンタルする

【オールステンレス・軽トラキッチンカー】

200~250万円

※【参照】ベース車両(110万円)、キッチン部分(120万円)作業台・冷凍庫(20万円)

【東京の場合】

・1日(5万)2日間(9万円)・3日間(12万円)・5日間(15万円)・1週間(18万円)など

 まずはご自身の車があるかどうかで上記の①②になるか③④になるかを決定します。次に、ご自身にどれだけ預金があるかで最終的な移動販売車の取得方法を決めていきます。オプションの機能や元々の車の大きさにより、車両の取得費用は前後します。

レンタルの方が一見安く見えますが、継続的に移動販売を続けるならかなり割高です。

 改造でも購入でも、実際に車両を取得するまで(納品)までは問合せから約2~3週間をみておきましょう。

 ②調理器具(ケバブマシンなど)の購入費用

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移動販売で販売・調理するメニューにより必要な調理器具を決めて購入します。例えば、焼きそば・お好み焼き・ハンバーガーなどであればグリドル(鉄板)が必要で、7~10万円程度です。

 ケバブ販売で使うケバブマシーンはお手頃価格のもので7~8万円、業務用の本格的なmのは30万円、とかかくに差があります。

 ③使い捨て容器(トレー、カップなど)の購入費用

食品販売をするなら使い捨て容器の購入は必須です。「容器スタイル」や「アスクル」で格安の容器を購入できます。透明カップの場合、100個で400円程度から購入できます。

 ④販促品(看板、チラシ、ショップカードなど)の製作費用

A型看板は3,000円~20,000ぐらいで購入できます。チラシやショップカードはネット印刷のラクスルなどで注文すれば2~3万円で3,000部(A3で両面カラーの場合)が作成できます。

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※上記URLをクリックすると、ラクスルの公式ページへリンクします

 ⑤【Webサイトを作る場合は】Webサイト製作費用

移動販売を定期的に同じ場所で行う場合はWebサイトがあった方がリピーターをつかみやすいです。お金をかけないSNSも利用できますが、きちんとしたホームページを作りたい場合は20~30万円の予算から製作を依頼できます。

 ⑥【食品衛生責任者の資格を持っていない場合は】

移動販売で食品を売る場合は食品衛生責任者の資格が必要です。資格は各都道府県の食品衛生協会で講習を受けることで取得できます。費用は10,000円です。

 食品衛生責任者養成講習会

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 3.移動販売で毎月かかる運転資金

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移動販売の初期費用はざっくり言って250万円~300万円程度ですが、毎月経営するにはそれとは別に運転資金を準備する必要があります。移動販売で必要となる運転資金には、以下の費用があります。

  • 移動販売車の駐車場代金と保険料・車検代(毎月5~7万円程度):駐車場代金が月額2~6万円程度、保険料は年間で4~7万円程度、車検代は2年間で4~7万円)
  • 使い捨て容器(トレー、カップなど)の購入費用
  • 販促品(看板、チラシ、ショップカードなど)の製作費用
  • 出店料:イベントやフェスなどで出店する場合は、平日2.500円、土日祝の場合は1万円などの出店料がかかります。キャンセルする場合は返金されません。
  • 商品の仕入れ資金・材料費

 4.【注意点】移動販売ができる場所と必要な許可。→移動場所ごとに許可申請が必要!

①移動販売できる場所

「移動販売の開業資金は何とかなりそう!脱サラして来年から移動販売で生きるゾ!」と意気込む方もいるかもしれませんが、移動販売でのキモは販売場所の確保です。お察しの通り、移動販売はどこでもできる訳ではありません。許可を取り、必要な場合は出店手数料を支払って初めて販売が可能になります。

 スーパーや小売店の前で販売する場合は、以下の書類が必要です。

  • 販売経歴書・車検証のコピー・PL保険証書のコピー・営業許可証のコピー・出店契約申込書

 世田谷区では、公園の利用促進のためにキッチンカーを誘致する事業を行っています。移動販売に協力的な自治体もあるので、自治体のホームページをチェックし、問合せをしてみましょう。

 ②保健所の許可を取ろう

移動販売を始める前には、保健所の許可が必要です。食品を売る移動販売車の場合は、以下のように販売の種類により必要な許可が異なります。

  • 販売業(食品移動自動車)・・・パン屋など
  • 調理営業(食品営業自動車)・・・クレープ屋、ケバブ屋、たこ焼き屋など

 開業する地域(自治体)により必要な手続きは異なります。詳細は、各自治体の保健所に問い合わせてみてください。許可申請には保健所1か所につき1.5~2万円ほどの手数料がかかります。東京と神奈川の2か所で営業する場合は、2か所でそれぞれ許可申請を行う必要があります。

 なお、食品だけでなくすべての移動販売では、改造車で移動する場合「道路運送車両法」という法律により自動車検査法人で「構造変更検査」を受け、8ナンバーを交付してもらわなければいけません。

 ③開業する前に、開業届を管轄の税務署へ提出しよう

開業してから2か月以内に「開業届」という書類を法務局に提出する必要があります。開業届はあなたが事業を始める場所を管轄する税務署(1か所のみ)で提出すればOKです。

 移動販売事業で生活できるほどの収益を見込めるなら、青色申告で申請した方が節税できます。

 5.移動販売はズバリ儲かる?気になる廃業率

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移動販売について検索していると、「移動販売は低コストで開業できる!」という楽観的な意見と「移動販売は結構キツイ」という悲観的意見との両極端な意見が混在しています。

 確かに、店舗を持つよりは開業資金がかからないのですが、その代わりに元々車を持っていない人には車両維持費や取得料が負担になると思います。また、地味に出店料や各自治体で必要になる保健所の許可申請料も毎回1~2万円かかるのでそこも負担です。

 移動販売は出店場所を自由に決められるというのが最大のメリットですが、お天気の悪い日や平日にどのように収益を出していくかが継続できるかのカギになります。ひとめをひく新しい商品の開発やご自身の経歴からの価値の創造など、移動販売でもきちんとマーケティングや戦略を練ってから開業しないと、1年後には廃業となるケースに陥ってしまうかもしれません。

 まとめ

アイデア次第で収益を上げられる可能性のある移動販売。

 移動販売の開業に必要な初期費用は250~300万円です。毎月運営するために必要な運転資金は10~20万円となります。

そのため、毎月最低でも30万円以上は売上をあげる計画を立ててから実行に移しましょう。

 

 

 

 

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。