キッチンカーの開業で必要な許可と取得方法を解説

キッチンカーの開業で必要な許可と取得方法を解説 2020.02.03起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
キッチンカー 許可

キッチンカーで飲食店を開業するためには、キッチンカーの用意やメニューを検討するのに合わせて、必要な許可を取得することも大切になります。

許可を取得するには常に最新情報を保健所や市の公式サイトなどから確認して、保健所が定める審査基準を満たす必要があります。

この記事ではキッチンカーの開業に必要になる許可と取得するときのポイントについて解説します。

キッチンカーの開業に食品衛生責任者の資格は必須

キッチンカーで開業するためには、食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生法では、食品の販売や製造を行う施設に最低1人は食品衛生責任者を配置しなければいけないと定められているからです。

食品衛生責任者は、設備や食材が清潔に保たれているのか、従業員に体調不良者がいないかなど、食品の提供に関わる衛生管理を行う人物のことです。

1人でキッチンカーの営業を検討しているなら、食品衛生責任者の資格を絶対に取得しなければいけません。

食品衛生責任者は講習を受講すれば取得方法

食品衛生責任者の資格は都道府県が開催している講習を複数回受講し、テストに合格すれば取得することができます。テストは講習を受講していれば問題なく合格できると言われていて、一度取得すれば更新の必要もありません。

食品衛生責任者の講習の開催日程や受講料は管轄している都道府県によって異なります。自分が通う予定の講習を管轄している保健所の公式サイトの情報を見るようにしてください。

管轄の保健所は「保健所管轄区域案内」で確認できます。

ちなみに、医師や薬剤師、調理師などの資格を持っている人は飲食店を開業するときに食品衛生責任者の資格が免除されるため、講習を受講する必要はありません。

保健所の営業許可も必須

キッチンカーを開業するには、保険所の営業許可も必要です。食品衛生法で定められているからです。

営業許可は、食品衛生責任者を配置していることや食品を製造、販売を安全に行えるだけの設備を整えていることを保健所が証明するものです。

営業許可も食品衛生責任者と同様に、飲食店を開業するのに必須になります。仮にキッチンカーを1日や2日間の短期間のみで開くときでも必要です。

営業許可は各自治体で取得しなければならない

営業許可はキッチンカーで営業をする予定の都道府県、地方自治体ごとに取得しなければいけません。

たとえば、東京都と千葉県でキッチンカーの営業をするときは、東京都と千葉県の営業許可が必要になります。

営業許可を取得するときは次の流れを参考にしてみてください。

保健所に問い合わせる

キッチンカーの営業許可を取得するときは、いきなり許可申請を行うのではなく、事前に営業する地域の保健所に問い合わせるようにしてください。

キッチンカーの営業許可の審査では、保健所によって細かい部分が異なるケースがあるからです。

たとえば、「ひさしや雨水を防止できる設備」を設けることが必要であることもあれば、必須としていない保健所もあります。

営業許可が下りる車両や設備の条件を把握しておくようにしましょう。

各提出書類を提出する/キッチンカーを作成

保健所に問い合わせて確認した条件をもとに、キッチンカーの車両や設備の設計をして、各提出書類を提出します。

必要な書類は地方自治体の保健所によって異なります。たとえば、東京都で必要な書類を例に取ると次の5つの書類が必要になります。

  • 営業許可申請書
  • 施設の構造及び設備を示す図面
  • 食品衛生責任者の資格を証明するもの
  • 水質検査成績書
  • 許可申請手数料

必要書類を提出し終えたら、提出した配置図や設備計画などをもとにキッチンカーを作成します。

キッチンカーの施設検査を受ける

キッチンカーが完成したら、保健所に車を持ち込んで「シンクの数や大きさ」「収納棚の設置具合」や「換気装置の有無」「ごみ箱の有無」など、必要な設備が揃っているかどうかなどの確認を受けなければいけません。

検査基準を満たせていなかったりすると、改善して再度検査を受けなければいけません。不要な設備を付け加えすぎると、検査基準を満たせないキッチンカーになってしまうかもしれません。

結果的に改修の費用がかさむこともあるので、保健所の検査基準から外れない範囲でこだわるようにしましょう。

施設検査は、事前の連絡なしで保健所に行っても受けることはできません。事前に日程調整を担当者と進めておくようにしてください。

営業許可証が交付される

各提出書類や施設検査を通過したら営業許可証が交付され、キッチンカーの営業を行うことができます。

営業許可証の有効期限は5年で、更新手続きが必要です。有効期限が来たら更新を忘れないようにしてください。

これからキッチンカーの営業許可を取得するときは法改正後の条件をチェック

2021年6月に食品衛生法が改正されました。これにより、キッチンカーで営業許可を取得するときの審査基準も変更されます。

しかし、しばらくの間は旧制度の情報と新制度の情報が入り混じっています。営業許可を取得準備するときは、最新の情報を保健所に問い合わせるようにしてください。

主な変更点は次の通りです。

取得する許可は「飲食店営業」に一本化された

キッチンカーで取得する営業許可はこれまで、「飲食店営業」「菓子製造業」「喫茶店営業」の3種類が中心でした。

たとえば、オムライスとコーヒー、紅茶を販売したいと思ったら飲食店営業と喫茶店営業の2つの許可をとらなければいけませんでした。

しかし、今回の改正で上記の区分はなくなり「飲食店営業」に一本化されました。そのため、キッチンカー開業をする際には飲食店営業の許可を取れば問題ありません。

キッチンカーの設備基準が全国で統一された 

キッチンカーの設備基準が全国で統一されたのも、今回の改正の大きな変更点です。

これまで、キッチンカーの設備基準は地方自治体の管轄している保健所によって異なっていました。複数の地方自治体でキッチンカーの営業をしたいときは、基準の異なるすべての保健所の条件を満たさなければならなかったのです。

キッチンカーの設備基準が統一されたことで、地域の差を解消することができます。ただし、地域によっては従来の基準と比べて基準が厳しくなる可能性もあります。

審査基準が厳しくなった地域で営業許可の更新をするときは、キッチンカーの改修が必要になるかもしれないので注意してください。

非接触水道の導入が必要になった

非接触水道とは手をかざすだけで水が出てくるタイプの水道です。

これまではハンドルやレバーが付いた水道でも問題ありませんでしたが、非接触水道でないと手を洗ってもハンドルやレバーに菌が付着している懸念がありました。

上記の懸念を払しょくするため非接触水道の導入も必須になりました。

認められた材質の器具以外使用できなくなった

キッチンカーの設備や調理器具などの材質が制限されることになりました。

これまでは「この材質はNG」というリストでしたが、改正後は「この設備に使っていい材質」と定められたのです。

そのため、中古のキッチンカーを使用するときは、新しい基準に従って改修する必要が出てくることがあります。

しかし、設備基準が全国で統一されたとはいえ、当面の間は保健所に認められている設備に微妙な違いがある可能性があります。営業許可を取得するときは保健所に確認するようにしてください。

給排水設備のタンク容量が3種類に統一された

キッチンカーに不可欠な給排水設備も、地方自治体の保健所によって基準が異なっていましたが、今回の改正で「40リットル程度」「80リットル程度」「200リットル程度」の3種類に統一されました。

タンク容量は提供する料理や調理工程によってことなります。2019年12月27日に通達された内容を参照すると、次の通りです。

  • 40リットル程度:簡易な調理のみ(温める、揚げる、盛り付ける等)を行うこと、又は単一品目のみ取り扱うこと。食器は使い捨てを使用すること。
  • 80リットル程度:大量の水を要しない、2工程程度までの簡易な調理を行うこと、又は複数品目を取り扱うこと。食器は使い捨てを使用すること。
  • 200リットル程度:大量の水を要する調理を行う、複数の工程からなる調理を行うこと。食器は通常のものを使用すること。

自身が提供する料理と必要になる工程数によって、タンク容量を決めるようにしてください。

しばらくの間は新旧の基準が入り乱れる

食品衛生法が改正されたのは2021年6月で、まだ間もないです。そのため、改正されたルールが市中に浸透するまでの間は新旧の基準が入り乱れると想定されます。

これからキッチンカーの開業をするときは、最新の情報を保健所や市の公式ページから取得してください。

仕込み場所の営業許可も必要

仕込みを行う場所にも営業許可が必要になります。

キッチンカーで提供する料理の仕込みを車内で行うことはできないため、別途仕込みを行う場所を用意しなければいけないからです。

しかし、自宅などでは営業許可は下りません。仕込み場所の確保が難しいときはすでに営業許可を取得している施設の利用なども検討してみてください。

「シェアキッチン 東京」などのキーワードで検索すると、地域ごとに仕込み場所として使える施設を調べることができます。

トラックで販売したい場合は免許証も確認

トラックで移動販売をするときは、自身の運転免許証の取得年を確認してください。2017年3月11日までに普通運転免許証を取得していれば、2tトラックを運転することができますが、2017年3月12日以降の運転免許証では運転することができないからです。

キッチンカーの総重量や車種、免許の取得日によっては別途、免許を取得しなければいけません。

また、牽引タイプトレーラーをキッチンカーに使用するときは、車載重量が750キログラムを超えているか、全長が12メートルを超える場合はけん引免許が必要になります。

キッチンカーに積み込む機材の重さによっては、普通免許で運転できなくなる可能性もあります。車両や機材によって必要な免許を取得するように準備してください。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
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