日本政策金融公庫の追加融資で1,200万円の資金調達!
法人の社長を務めているのが1社だけではなく、2社以上社長をやられている方も多いと思います。
今回は1社ですでに日本政策金融公庫から融資を受けていて、別法人で融資をお申込みされたYさんの事例をご紹介します。
Yさんの概要
・A社とB社(共に建設業) 2社で社長をやっている
・A社 10年以上継続している法人
・B社 設立して2年目の法人(税務申告1回終えている)
・2社ともに売上が伸びていて業績良好、黒字決算
・A社で日本政策金融公庫からすでに2,000万円の融資を受けている(残800万円)
・B社で借入は特になし
今回はB社で事業拡大による、重機の購入と運転資金のために日本政策金融公庫からの融資2,000万円ご希望でした。
2社以上で法人の社長をやっている場合の注意点
今回のYさんのようにB社でのお申込みであっても、A社でも社長をやっている場合はB社A社両方の決算書の提示が求められます。したがってA社の業績が悪い場合は、B社で借りられない場合があります。
Yさんの場合、両社とも業績が良かったので問題はなかったのですが、もし万が一A社が赤字続きだった場合には、社長が同じなので、B社で借りて業績の悪いA社でお金を使うのではないかと思われても仕方がありません。
既存法人の事業が赤字のため、新規法人を立ち上げて新規法人で借りようとしても借りるのが極めて難しいことになります。
法人を新たに作ればゼロから借入が申し込めるわけではございませんので注意が必要です。
税務申告2回終えるまでは限度額が2,000万円
創業の方や決算を1回しかやっていない場合は、支店決裁権が1,000万円(認定支援機関経由だと2,000万円)となります。
Yさんが社長をやっているB社は認定支援機関を経由してのお申込みで、業績も良くて自己資金もあったので上限の2,000万円までは通常融資受けられるはずでした。
しかし、結果は1,200万円の融資となりました。その理由はなんだったのでしょうか。
すでに日本政策金融公庫からの借入がある場合には残高をチェック
税務申告2回終えていない場合は上限が認定支援機関を経由で2,000万円であることを上述しましたが、この上限は法人で見るのではなく社長個人で見られます。
B社としては最初の取引になるので借入ゼロですが、社長であるYさんはA社の方ですでに日本政策金融公庫から借入をしていました。
当初2,000万円借りていて、毎月返済していって申込時点で残債が800万円です。
この残債800万円あったことにより、
B社上限2,000万円 - Yさん借入(A社800万円) = 1,200万円
となり、もう一つの法人で日本政策金融公庫の借入残債があったことにより1,200万円までしか借りることができませんでした。
税務申告2回以上終えていたら?
今回は1,200万円の融資となりましたが、もしB社が3期目で2回税務申告を終えていた場合はどうなっていたのでしょうか。
税務申告2回終えていると、その決算時の売上高や利益額等の与信により上限額が上がる場合があります。
B社の業績があのまま好調であれば与信も上がり、2,000万円借りられていた可能性が高いです。
しかし、資金調達したいタイミングがありますので、すぐ借入したい場合は仕方がないのですが、特に急ぐ必要のない場合は、2期目の決算を終えてから申し込むのも一つの手段です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
2社以上で社長をやられている方はお申込みする法人だけではなくすべての法人の決算書を提示しなければならないことを覚えておいてください。
融資の上限額は社長個人の借入額に紐づきますので、事前にいくらまで借りられるのかを認定支援機関などに相談し、今後の事業計画を練っていくようにしましょう。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
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