IT事業立ち上げで1000万円の融資成功事例

【IT事業立ち上げ融資】港区で創業5年目の会社が1,000万円借りた事例 更新日:2017.12.27 公開日:2017.12.27起業後の資金調達 – IT(WEB・アプリ・ゲーム・情報処理・システム開発)
起業5年目で新規事業のために日本政策金融公庫からの融資に成功した事例

新規事業開始!日本政策金融公庫から1,000万円の資金調達に成功した事例とは

保険代理店として、独立した後、保険代理店事業を順調に伸ばしておりましたが、新事業としてIT事業を立ち上げるために、1,000万円の融資をご希望のTさん。 保険会社にシステムを開発し、販売するために融資を受けたいというご相談を受け、1,000万円の借入に成功した事例をご紹介します。

1,000万円を調達するのは、意外と大変なことご存知ですか?

Tさんは、もともと保険代理店として、4年間営業しておりました。

年商は約2,000万円。

利益も出ていたため、保険代理店の業務拡大で500万円程度の融資を受けるのであればそこまで大変なことではありませんでした。

しかし、Tさんのご希望は、1,000万円以上調達することでした。

 

一般的に、運転資金を借りたいから融資を受けたい!という希望を出した場合には、月商の2か月~3か月程度しか借りることはできません。

年商が2,000万円の会社は、月商が約167万円。

月商の2か月~3か月であれば、334万円~500万円。

 

つまり、500万円程度の融資であれば、借りられる可能性は高いのですが、1,000万円を借りるのは、非常に難しい状況でした。

 

新規事業の売上を上げられるか不透明だと融資の審査は厳しくなる?

金融機関は、確実に売上が上がっていくもの(売上イメージがしやすいもの)に対しては融資してくれますが、売上が上がるか上がらないか不透明なものについては、融資をしないことが多いです。

今回のケースでは、保険会社に対して、システム開発を行い、販売するために融資を受けたいという案件だったため、一般的には審査が厳しくなり、融資を受けられないことが多いです。

保険会社と、契約が終了し、契約書を提出することができれば、売上の確実性が高いとみなされて融資を受けられるのですが、契約前であれば、契約してからであれば融資をしますよ!と言われることが多いのが現状です。

 

一般的には1,000万円という高額の融資を受けにくいケースで、どのように進めることで融資を受けることができるのでしょうか?

 

契約前でも、契約できる可能性が高いと思わせる資料をたくさん用意することで、融資成功確率が上がる!?

保険会社とすでに契約書を交わしていれば、融資を受けられる可能性が高いです。

契約前は、融資を受けにくいですが、契約できる可能性が高いことをプレゼンすれば融資を受けられる可能性が上がります。

Tさんのケースでは、

・保険会社の決裁者の名刺リスト

・決裁者とやり取りしているメール

・サービス紹介の資料

 

上記を持参し、すでに決裁者とやりとりし、そのやりとりを見せたことで、契約する可能性が高いことをプレゼンできたため、契約前にも関わらず融資を受けることができました。

 

【ポイント】

契約をしていなかったとしても、契約する可能性が高いことをプレゼンすることができれば、融資の成功確率も上がります。

 

現状のサービスで500万円、新事業で500万円の融資を希望したことが成功のカギ!?

今回、システム開発の事業(新事業)をスタートしたいので、1,000万円かして!と依頼したら、おそらく500万円が融資を受けられる上限金額だったと思います。

 なぜ500万円程度しか借りられないか?

 

その答えは、新事業で使うお金の使い道がすべて運転資金だったからです。

運転資金は、前述でもご紹介した通り、あまり借りられません。

契約して軌道に乗るまで不安だから12か月分くらいの運転資金を貸して!とプレゼンしても絶対に融資は受けられないのです。

 

【ポイント】

長期間の運転資金が必要だから貸して!というプレゼンは却下されやすい!

 

Tさんの事例では、現状のサービスの運転資金で500万円、新規事業の運転資金で500万円とプレゼンしました。

現状のサービス(保険代理店事業)は、利益が出ており、保険代理店事業の売上を上昇させていくために必要な運転資金500万円と、新規事業を行うために必要な運転資金500万円を貸して欲しいとプレゼンしました。

 

合計でみれば1,000万円の運転資金を借りるために申し込みをしているのですが、結果的に見せ方を変えることで、融資に成功しました。

 

創業して2年目以降の融資は、決算の後が受けやすい!

Tさんは、5期目の決算書を提出してすぐに融資の申請を行いました。

融資を受けやすくするために、5期目の決算書の数字も見栄えが少しでも良くなるように作成して頂きました。

もちろん税務上問題がでない範囲での調整をしてもらう程度ですが。

 

【ポイント】

融資は、決算後が受かりやすいです!

決算が近い方は、融資のことも考えて数字を確定させることをおすすめします。

 

起業後の融資で覚えておくべきポイント!

決算書を提出した後は、1年間の数字が確定しており、翌年以降の予測を立てやすいことから、融資の審査がし易いです。

融資の審査がし易いことから、決算が終わってから融資の申し込みをしてほしい!とお願いされることもあるのです。

 

まとめ

融資は、金融機関へのプレゼン方法によって、借りられる額が変動します。

少しでも多く借りたいとお考えの方も多いと思いますが、借りるためには工夫が必要だということを覚えておきましょう。

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/

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