研究のための助成金一覧~学生向け
助成金は中小企業の運営のためではなく、未来に役立つ研究のためのものも数多く存在します。特に、資金力のない学生にとって研究助成は非常に頼りになる存在です。
しかし、研究系助成金は意外に数が多く、一覧を見ても頭に内容があまり入ってきにくいものです。今回の記事では、各種学術研究や開発の学生向け研究助成金をいくつか取り上げ、要点をピックアップしてご紹介します。
なお、既に大学院などで勤務している社会人向けの研究助成金に関しては、当サイトの以下既存記事も是非ご覧ください。
助成金としていくらもらえるのか、利用できる助成金にどんな助成金があるのかなど、専門家の意見を聞いてみたいという方は下記診断をご利用ください。助成金の受給資格の有無など3分で確認できます。
1.毎年秋ごろ募集開始【笹川科学研究助成】
公益財団法人「日本科学協会」の行う助成金で、学術研究・実践研究の2部門で助成を行っています。
①笹川とは?
「笹川」と名のつく助成金なのですが、この笹川氏は笹川良一氏です。笹川財団として科学以外にも競艇や社会奉仕活動に尽力し、三男は日本財団の会長を務めています。現代の研究にこの助成金が大きく貢献していることは間違いありません。
②対象研究
部門は2つあり、1つ目は「一般科学研究」部門として人文・社会科学および自然科学を研究または海洋・船舶科学研究をその範囲とします。ただし、医学は除きます。
2つ目は「実績研究」部門で以下2点の分類があります。いずれも、学生からの応募は不可となります。
A:教員・NPO職員等が行う問題解決型研究
このタイトルだとよく分かりませんが、要はわたしたちを取り巻く環境にある様々な課題を解決する要素のある研究です。例えば、学童における感染予防教育や性的虐待をテーマとする研究などが挙げられます。
B:学芸員・司書等が行う調査・研究
こちらも、このタイトルのみでは理解しづらいですが博物館や図書館に所属する方の調査・研究です。
③対象者は誰?
2つある部門のうち、1つ目「一般科学研究」部門は、大学院生なら学生でも申請は可能です。ただし、35歳以下である必要があります。2つ目に関しては学生からの応募は不可となります。
④気になる助成額は?
学術研究部門の場合は1件最大100万円、実践研究部門の場合は1件最大50万円まで支給されます。つまり、学生の方(大学院生)が狙える助成金額は1件最大100万円です。
⑤研究期間について
助成金の申請について、まずは当年の開き(9~10月ごろ)に申請を出し許可を得た場合は翌年の4月~翌翌年の2月までの10月間に研究を行います。
ですので、研究期間はだいたい10か月間をみておきます。
例)2018年9月に申請⇒許可がおりる⇒2019年4月~2020年2月までが研究期間
2.1課題500万円までの支給【ACT-1プログラム研究提案】
科学技術振興機構による助成金で、独創的な発想で人類の現在また未来の問題を解決するためのICT研究が対象です。
①ACT-1プログラムとは?
ACT-1とは国が定める戦略目標の達成に向け、科学技術改革を産み出す新しい需要を産み出すICT(情報・通信)分野の研究を進める組織です。
②対象研究
これまでの研究ですが、ICTを取り入れた社会問題解決として多様な興味深い研究があります。
- SNSによる花粉症の流行把握
- バッテリレスloTの実現に向けて
- 水中シーンの3Dビデオ撮影
詳細は、以下URLからご覧ください。
※上記URLをクリックすると、科学技術振興機構の公式ページにリンクします
③対象者は誰?
募集年の4月1日時点で35歳未満の若手研究者。学生の場合は大学院生のみとなります。採用となった場合は、JST(国立研究開発法人/科学技術振興機構)と個別契約を終結することになります。
④気になる助成額は?
1つの課題、1つの研究期間(1年6か月)で300 万円が標準支給されます。標準支給というのがこの助成金の特徴で、一度認可されると減額される可能性がありません。これだけ助成されると、しっかり1年間研究に集中できる環境が整えられそうですね。
⑤研究期間について
採用となった場合は、原則1年6か月間を研究期間として設けます。34歳で応募した場合は、36歳手前まで対象研究に集中できます。
3.総額3憶円の助成規模【三菱財団自然科学研究助成】
「三菱」と聞けば誰もが知る財閥出身のグループ企業です。この助成金は独立した個人研究であれば応募者の縛りはありません。
①対象研究
自然科学すべてが対象です。独創的で先駆的な研究を支援する助成金です。
②対象者は誰?
1つのテーマとして独立した個人研究をする方で、日本国内に住み国内に継続的な研究拠点を持つことが条件です。利益目的の応募や他の応募案件と兼務することは認められません。
③気になる助成額は?
平成29年度の実績は1,147件で8,726百万円でした。ということは、平均額で一人当たり760万7600円ですね。
④研究期間について
応募期間は平成30年の場合、1月10日~2月7日まででした。その後、6月に合否が正式決定され、9月に贈呈式という流れになります。研究期間は1年間とされていますので、この後の1年間で実際の研究をしていくという段取りが予想されます。
⑤助成使途
応募対象研究に関わる設備費、消耗品費、旅費等を含みます。個人(一人)ではなく研究施設の代表者が申請し許可されれば、助成金をその研究グループで利用することになります。
詳細は、以下のPDFを参照してください。
※上記URLをクリックすると、公益財団法人の公式ページにリンクします
5.科学研究費女性事業(科研費)は学生NGの助成金
日本で一番有名な研究系の助成金と知られる同助成金ですが、学生への支給は行っていません。研究者として賃金を得ている社会人であり、e-Rad(府省共通研究管理システム)に登録されている研究者でないと助成申請はできません。
まとめ
研究系助成金で学生がOKのものは「大学院生である」という点が必須のようです。そして、アンダー35歳というのが注意点ですね。研究に対しての助成は50~800万円と非常に幅広く、合格すれば研究のみに集中できる環境を整えられます。ご紹介した助成金以外にも多数学生向けがございますので、研究のための助成を探す大学院生の方は是非ご利用ください。
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