キッチンカーを自作するときに知っておきたいメリットと流れを解説

キッチンカーを自作するときに知っておきたいメリットと流れを解説 2021.12.22起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)

キッチンカーで飲食店を開業するときは車両の用意が必要です。キッチンカーを用意する手段は業者に依頼するほかに、自作する方法もあります。

自作をすると細部まで設計にこだわることができるため、自分が一番使い勝手がいいキッチンカーにすることができます。

しかし、キッチンカーの自作を無計画に行ってしまうと営業許可の下りない設計になってしまいかねません。

この記事ではキッチンカーを自作するメリットと流れについて解説します。

キッチンカーを自作すると細部までこだわれる

キッチンカーを自作すると細部までこだわることができます。

実店舗を持たないキッチンカーは、車自体が宣伝になります。人目を惹く外見だと、それだけで集客効果が狙えます。

しかし、キッチンカーの外装や内装は業者に頼むと意思疎通のズレが出てしまい、イメージと実際の出来栄えに違いが生まれてしまうこともあります。

キッチンカーを自作すれば、自分の手で細部までこだわって作ることができるのでイメージのずれは生じにくいでしょう。

キッチンカーを自作すると費用の節約になる

キッチンカーを自作すると開業資金の節約になります。

キッチンカーを手に入れる一般的な流れは、「車を手に入れて改造する」パターンと「すでに持っている車を改造する」パターンの2種類があります。業者に依頼する場合、前者では300万円以上、後者でも150万円以上はかかります。

車両の改造を自身で行えば、材料費や工具の準備なども含めて費用を50万円から150万円程度に抑えることができます。

キッチンカーの開業では車両の用意以外にも、厨房機器やPOPや看板の作成など費用が発生します。キッチンカーの自作ができれば開業費用を安く抑えることができるでしょう。

キッチンカーは衛生上の安全を確保できていないと営業許可が下りない

キッチンカーを自作するときは食中毒を出さない衛生上の安全の確保が必須です。

キッチンカーを開業するには、営業する地域の保健所から営業許可を取得する必要があります。営業許可取得の審査に通過するには、衛生上の安全が整っていなければいけません。

外装のデザインや内装の設備にこだわるのは問題ありませんが、審査に通る設計になっている必要があります。

衛生上の安全性を保つために満たさなくてはいけない設備

2021年6月に食品衛生法が改正され、食中毒の発生や拡大の防止対策が強化されました。改正に伴って、全国一律で定められた設備を搭載していないと営業許可を取得することができなくなりました。

たとえば、非接触水道の導入が必須になったり、木材など衛生上殺菌消毒の効き目が低い材料の使用が制限されたりなどです。

ですが、実際は未だに保健所ごとに審査基準の裁量が異なっていて、プラスで導入したり、満たしていなければいけない条件が設けられていることがあります。

キッチンカーを自作するときは、念のため導入すべき設備と使用できる材質を保健所に問い合わせて確認してください。

設備以外の内装の衛生面にも注意

キッチンカーの壁や天井、床も掃除がしやすくて清潔感が保てなくてはいけません。

営業地域の保健所によってはキッチンパネルなどの材質を使って、油汚れが落ちやすくするなどの工夫を求められることもあります。

キッチンカーを自作するときは、衛生面に関する具体的な内容を営業する地域の保健所に確認するようにしてください。

キッチンカーを自作するときの流れ

キッチンカーを自作するときは、完成までの流れを想像して、作業計画を立てることが大切になります。

  1. 車両を用意する
  2. 荷台に外装を作成する
  3. 内装を作成する
  4. 外装のラッピングをする
  5. 車検に通す

これはキッチンカーを自作するときの大まかな流れになります。作業計画を立てるときの参考にしてみてください。

車両を用意する

まずはキッチンカーとなる車両を用意します。キッチンカーとしてよく使われる車両は次の4種類です。

 

値段(新車/中古)

向いているメニュー

軽トラック

・新車:120万円前後~

・中古:50万円前後~

揚げ物からクレープ、たこ焼きやお弁当まで対応可能

軽バン

・新車:150万円前後~

・中古:100万円前後~

スペースが狭いため、クレープやたこ焼き、たいやきなど簡単な調理で済む料理

普通車バン

・新車:180万円前後~

・中古:120万円前後~

2人や3人体制の調理販売もできるため、焼きそばやお弁当なども可能

1tトラック

・新車:200万円前後~

・中古:150万円前後~

料理スペースを広くとることができ、立ちながらの調理も可能なため、全般の料理に対応可能

車両を用意するときは提供する料理に必要な設備を確保できることが大切です。料理時の動きや導線を想像して、適切な大きさの車を選ぶようにしてください。

車両の調達方法は新車、または中古車を購入する方法があります。車両の種類や状態によって価格は異なりますが、中古であれば50万円前後から手に入る車両もあります。

しかし、中古車は不調になりやすく、こまめな整備が必要になることがあります。メンテナンス頻度によっては新車を購入するよりも費用がかさんでしまうケースもあります。キッチンカーの運用期間も考慮して、新車か中古車かを検討してください。

荷台に外装を作成する

軽トラックや1tトラックなど、後部が荷台になっている車両をキッチンカーとして自作するときは、調理スペースや提供スペースとなるエリアの外装を作る必要があります。

外装の作成では、骨組みを組み、断熱材を入れ、屋根を作り、外壁を作らなければいけません。キッチンカーのシルエットが決まる重要な工程です。

ですが、骨組みの組み方を失敗すると少しの衝撃で倒壊したりする危険があります。外装を作成するときはそれなりに知識が必要でしょう。

外装を作成するのが難しそうなら、軽バンや普通車バンなどの使用を検討してみてください。車内の座席や装備を取り外せば、調理スペースができるので、外装を作成する手間が省けます。

内装を作成する

キッチンカーには備えなければいけない内装の設備があります。

  • 給排水設備
  • 非接触水道
  • シンク
  • 収納ケース、戸棚
  • 換気扇
  • 蓋つきゴミ箱

注意が必要なのは給排水設備です。給排水設備のタンク容量は「40リットル程度」「80リットル程度」「200リットル程度」3種類があり、容量によって提供できる料理がことなるからです。

調理工程が「切る」「焼く」など2工程以上になる焼きそばなどの料理を提供するときは200リットル程度の給排水設備が必要です。キッチンカーの給排水タンクは、提供する料理をもとに決めてください。

設置すべき設備は全国で統一されていますが、保健所によっては上記の6つ以外に追加しなければ要件を満たせないケースもあります。内装を作成するときは営業をする予定の地域の保健所に問い合わせて、必要な設備を確認してください。

外装のラッピングをする

外装の装飾はキッチンカーのデザインを決める重要なポイントです。外装の装飾を個人で行うならラッピングがいいでしょう。

塗装という方法もありますが、個人で塗装を行うと板金塗装屋さんに修理に出せなくなったり、洗車機の利用ができなくなったりすることあるからです。

ラッピングはフィルムを車に張っていくだけなので、初心者でも装飾することができます。デザインを変更したいときはラッピングを剥がせばいいだけなので、後々の手入れも比較的楽です。

改造後は車検に通す

キッチンカーを自作した後は、必ず車検に通してください。車検に通るためには、国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」を満たしている必要があります。

道路運送車両の保安基準は複数あります。キッチンカーの改造で特に影響があるのはブレーキランプなどです。軽トラックの後部にキッチンカーのキッチンスペースを後付けしているときは、必要な灯火類がきちんと見えていなければいけません。

また、車両の寸法が「長さ3cm以上」「高さ4cm以上」「幅2cm以上」変更された時は、陸運支局で構造変更の手続きを通す必要があります。

構造変更は通常の車検では通過しないような改造をしたときに行うもので、車両の各部に故障に繋がる問題がないかを検査するものです。販売時の状態から大きく改造をしても構造変更の検査で保安基準を満たせていれば、公道を走ることができます。

車検に通らない改造で車道を走ってしまうと違法改造に該当するため、必ず車検を受けるようにしてください。

まとめ

軽トラックの後部にキッチンスペースを後付けするような大掛かりな改造は、木材の採寸や切り取り、組み立てなどの知識や技術が必要になります。

DIY初心者であれば、軽バンや普通車バンなど外装を作る必要がない車両を使用してみてください。

また、自力での作成が難しいと感じたら、キッチンカー作成の専門業者に依頼してしまうのも1つの案です。

自身のDIYのレベルを考慮して、キッチンカーの入手方法を検討してみてください。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
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