JICCで開示した信用情報の見方を簡単解説

JICCで開示した信用情報の見方を簡単解説 更新日:2020.07.31 公開日:2020.07.14起業のための資金調達 – 起業前に実施しておくべき準備
JICCで開示した信用情報の見方を簡単解説

信用情報を開示したけど、どこを確認したらいいの?

JICCで自分の信用情報を開示してみたけど、いろいろな情報が記載されていて、見方が分からない、どこを見たらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

今回はJICCで開示した信用情報の見方を説明します。

1.JICCとは

JICCとは消費者金融会社、流通系・銀行系・メーカー系クレジット会社、信販会社、金融機関、保証会社、リース会社など与信事業を営む幅広い事業者が加盟している「信用情報機関」です。

JICCはあくまで加盟会員から登録された情報を管理し参考資料として提供していて、JICCが審査を行っているわけではないので、審査について問い合わせすることはできません。

2.JICCで開示される3つの書類

開示手続きをすることで、信用情報記録開示書(ファイルD)、信用情報記録開示書(ファイルM)、照会記録開示書の3つの書類が開示されます。それぞれについて説明していきます。

参考:信用情報記録開示書の見方

3.信用情報記録開示書(ファイルD)

まず信用情報記録開示書(ファイルD)は主に借入情報が記載されています。つまり現在どこからいくら借りているかを確認できる書類となります。

登録されている情報としては主に登録会社名、契約額、残高、完済日、延滞情報などです。

ちなみに登録情報がなかった場合、開示書には「申込内容に基づき検索しましたが、お客様の登録情報はありませんでした」と記載されます

登録会社名

情報を登録した会社名

貸付/利用金額、保証額

包括契約

直近の出金後における合計金額

個別契約

借入の金額

保証契約

保証会社が保証契約に基づき保証している金額

残高

入金後または出金(利用)後の残高金額

完済日

包括契約

残高を全て返済し、契約を解約(終了)した日

個別契約

残高を全て返済した日

異参サ内容・異参サ発生日

 

延滞や法的手続きに関する情報

「異参サ内容・異参サ発生日」に「延滞」や「債務整理」などの記載があるといわゆる「ブラック」な状態であり、信用情報に事故情報が登録されている状態のことをいいます。この情報は内容や契約日により登録される期間は異なります。 

内容

登録期間

 

契約日2019/9/30以前

契約日2019/10/1以降

延滞

延滞継続中

延滞継続中

債務整理

当該事実の発生日から5年

契約継続中及び契約終了後5年

破産申立、民事再生等

当該事実の発生日から5年

契約継続中及び契約終了後5年

延滞解消

当該事実の発生日から1年

契約継続中及び契約終了後5年

 ※法的申立の取り下げがあった場合は、その時点までの登録となります。

4.信用情報記録開示書(ファイルM)

次に信用情報記録開示書(ファイルM)は主にクレジット情報が記載されています。つまり現在作成しているクレジットカードの利用状況を確認できる書類となります。

登録されている情報としては主に登録者名、契約額、保証額、最新入金日、支払いサイクル、残高、確認日、延滞情報などです。

信用情報記録開示書(ファイルD)と同様に登録情報がなかった場合、開示書には「申込内容に基づき検索しましたが、お客様の登録情報はありませんでした」と記載されます。

登録会社名

 

情報を登録した会社名

契約額/極度額

包括契約

極度額(ショッピングとキャッシングの合算額)

個別契約

契約の金額

保証額

 

契約時の保証金額

最新入金日/確認日

最新入金日

最新の入金日付

確認日

保証会社が契約先から残高を確認した日

支払いサイクル

 

Y=年、M=月、数字=日 例:1M=1ヵ月に1回

トータル残額金額

 

割賦残高(リボ・分割)、マンスリーショッピング、キャッシング残高の合計

契約終了日

包括契約

契約の解約日(終了日)

個別契約

残高を全て返済した日

確認日

 

加盟会員が登録情報を確認した日

支払遅延の有無情報

 

支払が遅れている情報 「元本・手数料遅延」

注意情報

 

「返済条件変更」、「破産申立」、「民事再生」などの情報

 「元本・手数料遅延」は約定返済日から61日以上、または3ヵ月以上元本・手数料の支払いが遅れていると登録されます。

注意情報はファイルDの異動参考情報と同様に破産や債務整理などの情報が記載されます。

上記が信用情報記録開示書(ファイルD)と同様にいわゆる「ブラック」な状態であり、信用情報に事故情報が登録されている状態のことをいいます。この情報は内容や契約日により登録される期間は異なります。

情報区分

内容

登録期間

 

 

契約日2019/9/30以前

契約日2019/10/1以降

支払遅延情報

元本・手数料遅延

延滞継続中

延滞継続中

支払の遅延が解消した情報

遅延解消の発生日から1年

遅延解消の発生日から5年

注意情報

返済条件変更

当該事実の発生日から5年

契約継続中及び契約終了後5年

破産申立、民事再生等

当該事実の発生日から5年

契約継続中及び契約終了後5年

 ※法的申立の取り下げがあった場合は、その時点までの登録となります。

5.照会記録開示書

最後に照会記録開示書はJICCの加盟会員があなたの情報を照会した記録が記載されています。ローンやクレジットカードの審査を申し込んだ際などに、信販会社やクレジットカード会社があなたの信用情報を照会した記録となります。登録されている情報としては照会日、照会会社名、照会目的、取引形態です。この情報は6ヵ月残ります。

照会年月日

 

加盟会員が照会を行った年月日

照会会社名

 

照会を行った会社名

照会目的

契約照会

契約に際して返済能力を調査する目的での照会

途上・債権管理照会

契約中の返済能力を調査する目的での照会

取引形態

 

申し込みまたは取引を行った契約の種類を表す情報 例:クレジットカード

 短期間で複数のクレジットカードやローンを申し込んでいると、審査において不利に働くことがありますので、安易な申し込みには注意をしましょう。

照会記録開示書においても、照会記録がなかった場合には「申込内容に基づき検索しましたが、お客様の情報を照会した会員はありませんでした」と記載されます。

6.融資審査への影響はある?

融資やローンの申し込みやクレジットカードの作成を検討していたり、申し込んだけど審査に通らないという場合にはファイルDの「異参サ内容・異参サ発生日」とファイルMの「支払遅延の有無情報・注意情報」を必ずチェックしてください。

何かしら情報が記載されている場合には審査に影響しますので、どのような情報が登録されているかを把握しましょう。

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7.完済情報はいつ消えるのか

返済が全て完了し、契約が終了した日(開示書の「完済日」または「契約終了日」の日付)から5年以内に消えます。

8.開示した結果、登録情報に誤りがある場合は訂正してもらえるのか

開示結果に心当たりがない場合や内容が事実と異なる場合は、対象となる情報の登録会社へ問い合わせをする必要があります。

また、開示日から2ヵ月以内であれば本人からの申し出によりJICCから対象となる情報の登録会社へ調査を依頼することも可能です。

調査の結果、情報に誤りがあることが判明した場合には、登録会社が訂正・追加または削除を行います。 

調査依頼については詳しくはこちらからご確認ください。

JICC|信用情報の確認

また、CICで開示した信用情報の見方については下記をご確認ください。

参考:CIC信用情報開示報告書の見方!注目ポイントはここ!

まとめ

自身の信用情報を開示したら、まず登録内容に間違いがないかを確認しましょう。

身に覚えがない情報が残っていて、かつ延滞等になっている場合には融資を受けるのが難しくなる可能性があります。

まずはしっかりと自分の借入情報、支払い状況を確認しましょう。少しでも不安に感じるようであれば、融資の専門家に相談してみるのが良いでしょう。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
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