公庫の融資の返済期間はどのように設定するのか
日本政策金融公庫の融資に申し込む場合、「借入申込書」という申込用紙に返済期間の記入欄があります。しかし、どの程度の期間を記入するのが適切か迷う場合も少なくありません。
この記事では、返済期間はどれくらいに設定することができるのか、元本支払いが発生する時間を延ばせるのかなど、公庫の返済期間について詳しく解説します。
1.日本政策金融公庫の返済期間は比較的長い
日本政策金融公庫は政府が運営している金融機関で、銀行等の金融機関から融資を受けにくい事業者でも融資を受けられる可能性があります。
他の金融機関と比較して長い返済期間を設定することができるのが公庫の特徴のひとつです。
公庫の返済期間は、資金使途によって上限が設定されているので、融資の申し込み時に自分で設定します。
（1）返済期間は運転資金なら7年以下、設備資金なら10年以下
日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用した融資の場合、資金使途が運転資金か設備資金かで下記のように返済期間が異なります。
【運転資金】
返済期間は5年以上7年以下から選択することができます。
【設備資金】
返済期間は5年以上10年以下から選択することができます。
（2）運転資金と設備資金の定義
これから融資を受けるにあたり、資金使途が運転資金なのか設備資金なのか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
運転資金とは、簡単に言えば人件費や家賃など、日々事業を営む上で必要な資金です。一方、設備資金は土地や建物、設備など、事業を継続的に営むために必要な資金です。
公庫融資では、設備資金・運転資金も含め事業計画書を提出し、公庫の担当者に正確な数字を示す必要があります。
運転資金・設備資金に当てはまる具体的な項目の一例を下記にご紹介します。
＜運転資金＞
- 商品の仕入れ
- 販売にかかる費用
- 宣伝費用
- 人材採用の募集費、人件費など
- 土地代と家賃、礼金、仲介手数料、保証金など
- 火災保険などの保険料
＜設備資金＞例）美容院を開業する場合
- 内部装飾費用
- 外部装備及び装飾費用（内装・外装は、デザインの設計費と施工費が含まれます）
- 髪をセットする椅子と待合室の椅子
- シャンプー台
- 美容に要するもろもろの品
- 加湿器
- スチーマー
- 保証金（借主から貸主が預かるお金で、退去後に返却されます）
- 自動車
なお、店舗の取得金は、設備資金にはなりません。保証金のみ含めていいことになっています。
2.返済期間の設定は売上から予測する
返済期間は、創業後の毎月の売上を予測し、どれくらいの金額であれば無理なく返済出来るのかを計算して設定します。
返済期間は長ければ長いほど良い、というわけではありません。すぐ売上が立つ見込みがあるのであれば、返済期間を短く設定し、早めに返済を終わらせることができるため、追加の融資を受ける場合の負担が軽くなるからです。
事業計画を立てる上で、具体的にいつからどの程度の売上が立ちそうか、根拠を示せるように準備することが、公庫の審査通過のポイントになります。
なお、公庫の新創業融資制度では、借入した翌月から返済を開始することが難しい方のために、元本の返済は据え置きになり、金利のみの返済が発生する「据置期間」を設定することもできます。
創業間もない場合、赤字が半年間続くことも多いです。この据置期間を設定しておけば、その間は金利の返済のみになるので、取り崩す手元資金が抑えられ、資金繰りに余裕が出るメリットがあります。
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日本政策金融公庫からの融資！返済期間と据置期間の決め方
認定支援機関に記載内容のチェックを依頼することが可能
もしこれからはじめて公庫の融資に申し込むことを検討中なら、融資の支援を専門としている認定支援機関に書類内容のチェックを依頼してみてはいかがでしょうか。
借入申込書に記載する返済期間や据置期間が適切なのか分からないのであれば、融資のプロフェッショナルに直接相談して、審査への不安を取り除くのがおすすめです。
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5.まとめ
公庫から融資を受ける場合の返済期間は、創業後の売上見込みから毎月どのくらい返済できるかを逆算して設定しましょう。
創業の場合、売上が立つまでに半年間はかかる場合が多いです。その場合は金利返済だけで済むように据置期間を設定し、無理のない返済プランを立てることが重要です。
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