領収書の印紙って結構難しい?!いくらから必要?種類・消費税は?

領収書の印紙って結構難しい?!いくらから必要?種類・消費税は? 更新日:2019.03.04 公開日:2019.02.15起業後の資金調達 – 起業後に実施しておくべき準備
領収書 印紙

社会人になると、会社から立て替え払いを頼まれて領収書をもらうことも増えてきます。

また、会社勤めでないフリーランスの方にとって領収書は確定申告に必要な経費の証明書ですので、日々保管する大切な書類です。

今回の記事では、領収書に貼る印紙についてモヤモヤしがちなルールについて、わかりやすくまとめていきます。

1.領収書に印紙を貼る理由は、課税文書だから

①課税文書って何?

突然ですが、領収書に印紙を貼るのはなぜでしょうか?なぜ貼らないといけないのでしょうか。それは「印紙税法」という日本の法律で、領収書(=税法では課税文書とも言う)には印紙を貼って印紙税と徴収しよう!と決められているからです。

課税文書は領収書だけではありません。当事者間の間で受け渡しされる金額を証明するもので、印紙税法で定められている全20種類の文書であれば、すべて印紙を貼って印紙税を納める必要があります。

  例)不動産の売買契約書、約束手形、株券、定款、継続的取引の基本となる契約書、保険証書など

 ②印紙はすべての領収書に貼らなくてOK!メール添付の領収書には印紙は不要

しかし、領収書すべてに印紙を貼る必要はありません。税法上で取り決めされているルールでは、営利目的とした同種の行為を反復して行う場合にのみ印紙を貼ることを義務付けています。一時的に個人として行った活動に対しては、印紙は貼らなくてもOKです。(例、フリマで5万円洋服を売ったetc)

 また、メール添付でPDF作成した領収書を交わした場合は例外的に印紙を貼らなくても問題ありません。節税したいフリーランスの方は、ぜひ覚えておきたい方法です。

 2.印紙を貼らないOR古い印紙を再利用の場合の罰則

印紙を貼るのを忘れた、または購入したくないので放っておいた場合はどうなるのでしょうか?確定申告などで印紙を貼らない領収書の存在をしかるべき担当者が見つけた場合、印紙税の3倍の金額が追徴課税されると規定されています。高額な印紙の場合、3倍はかなり厳しいですよね。忘れずに貼るようにしましょう。

 また、印紙には必ず割印といって領収書と印紙をまたがるように個人または企業の印鑑を押すという決まりがあります。これは、途中で印紙がはがれてしまっても印紙が貼られていたことが分かるように、また、古い印紙を再利用するのを防ぐ目的で実施されています。

3.領収書に印紙を貼るのは5万円以上から

領収書には領収書というタイトル、宛名、日付、但し書き、発行者などの項目と同時に必ず金額が書かれています。この金額が5万円以上の場合は領収書に印紙を貼る必要があります。逆に、4万9,999円までの場合は(こんな金額なかなかないですが)印紙は貼らなくても法的に問題はありません。領収書に貼る印紙代は、領収書などの課税証明書の金額次第で200円から20万円までと幅広いラインナップになっています。以下の表をご参照ください。 

5万円未満の場合、非課税

0円

5万円以上で且つ100万円以下の場合

200円

100万円を超え且つ200万円以下の場合

400円

200万円を超え且つ300万円以下の場合

600円

300万円を超え且つ500万円以下の場合

1,000円

500万円を超え且つ1,000万円以下の場合

2,000円

1,000万円を超え且つ2,000万円以下の場合

4,000円

2,000万円を超え且つ3,000万円以下の場合

6,000円

3,000万円を超え且つ5,000万円以下の場合

10,000円

5,000万円を超え且つ1億円以下の場合

20,000円

1億円を超え且つ2億円以下の場合

40,000円

2億円を超え且つ3億円以下の場合

60,000円

3億円を超え且つ5億円以下の場合

10万円

5億円を越え且つ10億円以下の場合

15万円

10億円を超える場合

20万円

 3.印紙は消費税込みの金額?それとも税抜きの金額?

印紙代は領収書の税抜きの金額が5万円以下の場合に無税となっています。また、その他の金額についても税抜き価格を基準に印紙の金額の種類を選択します。領収書の額面の箇所で、税込みなのか税抜きなのかを明記するのを忘れないようにしましょう。

 4.印紙はどこで購入できる?誰が払うべき?

収入印紙はコンビニや郵便局で購入できます。但し、すべての種類の印紙ではなく、コンビニの場合は200円の印紙しか売っていないようです。高額な収入印紙を購入するのであれば、郵便局に行きましょう。

 収入印紙の購入費用は、領収書を作成する人が負担すべきというルールになっています。あなたが仕事をして報酬を得て相手に領収書を出す場合、印紙代はあなたが負担するものになります。

 ちなみに、個人事業主として購入した収入印紙代は「租税公課」という項目で経費として確定申告することが可能です。

 5.領収書はレシートでもOK!しかし、項目を満たすかは要チェック

コンビニやスーパーでもらうレシートで、領収書として使えるレシートがあるのはご存知ですか?レシートでも中に書かれている内容が以下の項目を満たすものであれば、レシートでも正式な領収書として使うことができます。 

  • 宛名(正確な確定申告のため、上様はやめよう)
  • 通し番号(あると保管に便利)
  • 発行日(実際に支払われた日付を書く。振込の場合は着金日)
  • 金額(改ざん防止!〇〇円、¥〇〇-、金〇〇円也)
  • 但し書き(品目や仕事内容を具体的に書く)
  • 発行者(住所・氏名・電話番号を記載。手書きでも社判でも可)
  • 印鑑(改ざん防止)

但し書きや印鑑は記載されていない場合が多いので、レシートをくれたお店の方に記入をお願いしましょう。

 まとめ

領収書に貼る印紙は税抜き5万円以上の額面である時に貼り、金額次第で貼る収入印紙の種類は異なります。印紙は郵便局で購入できますが、PDFで作成した領収書をメール添付で送付する場合には印紙は不要です。

 

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
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