200万円の融資希望が否決になってしまった飲食店開業事例

【200万円の融資希望が否決になってしまった方の事例】飲食編 更新日:2018.05.09 公開日:2018.05.09起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
日本政策金融公庫 飲食店

融資の失敗事例!!何で審査に落ちたの?

今回は実際に融資に自分1人で行ってみて、失敗してしまった方Oさんが、赤裸々に告白してくれました。面談前の準備から融資の面談、追加資料の依00頼、可否の連絡まで、一連の取り消しになるまでの流れについて、ご本人から聞いた内容をご紹介いたします。

成功事例はまわりの経営者も教えてくれますが、融資通らなかった方は一体何が間違っていたのか、ぜひ参考にご一読ください。融資アドバイザーだったら、もしくは自分が行くとしたら、どんな準備をするべきだったかを考えながら、読んでみると対策になると思います。

プライバシーの関係上、店舗で扱う商材や地域、お名前などは仮のもので記載させていただいています。

あらかじめご了承ください。

 

融資を考え始めたきっかけ 

もともと仕事は何をしても長続きしなかったです。

だからとりあえず、最後は自分で出来る事して、食っていくんだろうなーとなんとなく考えていました。

でも飲食の仕事は嫌いじゃなかったんです。

店長とかと折り合いがつかなくて、辞めたこともあったけど、自分の過去経験した中でいうと、飲食業はまわりの人よりできるし、好きなことだなーと思いながら、決断決めずに来たら、29歳になっちゃった。

そんな時に、いよいよ何かしないとまずいなーと思ってたら、自分の祖母が重い病気になったんです。

お見舞いを何度か重ねるうちに、祖母と仲が良かったこともあって、「自分の将来の為に使いなさい」と封筒を渡されました。

200万円もの大金がはいっていたんです。

びっくりしたのと、祖母の真剣な表情を見て大金を返すにも返せなかったんです。

だからこそ、このお金は変な使い方をしたくないと思って、本気にならないとまずいって気持ちになりました。

 

そこから1年アルバイトを本気で続けて、店長がどういった業務をしているのか、どういった商品の売れ筋なのか、何店舗か掛け持ちして仕事をして調べるようになりました。

自分の店を出すって決めたはいいけど、全然貯金が貯まらなくてほんと困りました。

それなら借りてでも始めたいと思うようになりました。

特に周りで社長とか、経営をやっている人はいなくて、ネットで調べたら、日本政策金融公庫が借りやすいって書いてあった記事をたまたま見つけて、直接窓口に相談にいきました。

 

日本政策金融公庫の最初の印象

窓口の人は本当に優しくて、書類を書いて送ってくれれば、必要書類を担当から連絡させますね!と優しく言ってくれました。

心の中で、「あれ?ほんとに余裕そう。ネットの通りなのかな。ちょろいな。」って思いました。

ここでたぶん気が抜けた気がします。というか抜けました。

お金って以外と借りるのって簡単だって思ってから、自分の店がどうなっていくか、経営者になる自分を想像するのにワクワクして、肝心な準備がおろそかになってたんだと思います。

というかほとんど何もしませんでした。

 

融資面談の準備

面談日時と必要書類が自宅に届きました。

中身は意外とあっさりしていて、必要書類の一覧と面談日時、担当者が書かれた紙が入っていました。

当日、創業計画書と、必要書類として、源泉徴収、自宅の賃貸契約書、運転免許証、店舗の契約書と図面を持ってくるように書かれていましたが、事前に気が張っていた時に準備もしていたので、面談当日、前回の窓口に行くくらいの気持ちで乗り込みました。

 

予想外の初回融資面談

今考えると、ほぼ借りられるものだという気持ちが地獄の始まりだった気がします。

前回の受付の人の対応がウソだったかのようにメチャクチャ質問攻めにあいました。

「今までの経歴上、経験がそこまでないようだけど、本当に大丈夫?」

「自己資金って、これ、自分の貯蓄ではないよね?計画性が不安だな。」

「集客の見込みってこの数字はどこの根拠?駅から遠いけど他の店舗の事は調べましたか?」

「200万円の融資で足りる計画なんですか?」

など、覚えているのがこのくらい。

 

質問されたあとに言わなくてもいいだろと思うようなことを常に言われ、より焦ってしまいました。

面談時間1時間、質問に対して、ちゃんと答えられた自信のある回答は学歴と職歴についてくらいだった気がします。

面談の最後に「具体的なメニューと単価、集客する方法について具体的に決まったら教えてください。あと、本当に200万円の融資の希望で大丈夫ですか?」

 最後の一言が妙に気になってはいたものの、言われた書類だけを追加で準備しました。

2回目はさすがに前回ほどずさんではなく、しっかり対策を打っていったつもりでした。

受け答えは出来たものの最後に「200万円で大丈夫?」と聞かれました。

自分としては借入も大きくしたくないし、何よりそれで事業始められる計算をしていたので、あえて自信満々そうに笑顔で大丈夫だと答えて、その日は終わりました。

 

回答連絡、まさかの取り消し? 

2週間後、電話がかかってきて、「今回は再度、計画を練り直してみたらいかがですか?」と言われました。

もっといろんなことを言われた気がしましたが、融資してもらえないと思った瞬間から、イライラしてきて、ほとんど覚えてないです。

でも今となっては、融資出来ない理由としては、計画性がないってことと、経験が浅いってこと、1番大きいのはこの手元の資金だと創業しても失敗する可能性が高いと言われた気がします。

その日の帰り、日本政策金融公庫の融資ってほぼ落ちないとか聞いてたのに、落としやがって。なんだよ、あの担当。くらいに思いながら、ネットで再挑戦に向けて検索をしてたら、落ちる理由として、自己資金の準備、計画性のなさ、過去の経験期間が5年は欲しいって書いてあるのを見つけました。

結果自分のせいだったんだなとは思いますけど、だったら窓口で落としてくれよってその時は本気で思いました。

 

まとめ 

いかがでしたでしょうか。

ほんと赤裸々に語ってくれましたが、実はこの方、この面談の2週間後に認定支援機関(融資アドバイザー)をネットで見つけて、相談後、見事融資に成功しました。

融資金額、いくらだったと思いますか?なんと500万円です。

前回の日本政策金融公庫の担当者と融資アドバイザーが打ち合わせを事前にしてくれたようで、取り消しになった理由が、店舗を出すための努力は認めてくれたようでしたが、創業で、計画性が高くないので、早期でつぶれてしまう可能性が高いと判断してくれたようです。

非常に創業者思いの担当者だったようです。

 

Oさんも当時を振りかえって、200万円の融資を相談したことを照れながら反省していました。

計画性をしっかりと認めてもらうことが非常に大事な中で、資金計画が出来ていないと思われないことが大切ですね。

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/

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