未経験の業界で日本政策金融公庫から200万円の資金調達!
創業分野の事業未経験の場合、日本政策金融公庫から融資を受けるのは非常に厳しい傾向にあります。
しかし、今回は事業未経験で日本政策金融公庫から200万円の融資に成功した事例をご紹介します。
200万円の融資を日本政策金融公庫から受けることに成功したAさんの事例
Aさんは10年ほど前にご自身の息子さんが飲食店を開業するに当たり、約800万円の資金援助を行っていました。
その後は息子さんがずっと事業を営んでいましたが、息子さんのご事情で店舗を離れることとなった経緯があり、定年退職していたAさんご本人がそのお店を引き継ぐかたちで創業を計画されました。
資金援助はしていましたが、飲食店経験は全くなかったAさんがなぜ融資に成功したのか、そのポイントをご説明します。
ポイント① 経営改善計画
これまで息子さんが営業していたときは、なかなか売上も獲得できず営業成績はいいものではありませんでした。
日本政策金融公庫に融資を申し込んだ際にも息子さんの確定申告書を提出しましたが、その内容では決して簡単に借りられる状況ではありません。
日本政策金融公庫は経営者が変われば営業成績も変わると、多少は考慮してくれますが、基本的には過去の実績がベースに評価されます。
Aさんが経営することにより、売上高がこれだけ増加する見込みがあるということを証明しなければなりません。
Aさんは飲食未経験ですが、定年まで勤めた会社では役員も勤め、飲食店を中心に営業を行っていた関係で、広範囲で親密な人脈をお持ちでした。
実際にAさんがお店に出始めてから、知人の方々に多く来ていただいていたので売上高は伸びていました。
来店客は飲食店を経営されている方が中心のため早い時間帯での集客が課題となっており、その課題を払拭するためにぐるなび等への掲載やメニューを刷新するなど、Aさんにとっては創業なのですが、店舗の経営改善計画を認定支援機関と一緒に作成して提出したことが評価されました。
ポイント② 過去のご経験
日本政策金融公庫の融資は過去の経験が重要視されるので未経験分野での創業は不利になります。
Aさんも未経験ですので審査が難航しました。
しかし、業界未経験でもその方が過去にどういう仕事をされてきて、その業務がどのように創業分野に活かせるか、このことをいかに日本政策金融公庫の担当者にプレゼンできるかが重要になります。
前職では、初勤めから定年退職まで一貫して同じ会社に勤務され、役員も勤めていました。
営業を担当していたので相当な人脈をお持ちでした。
広範囲に親密な人脈があるということの信ぴょう性高めるために、過去の源泉徴収票や当時の勤務先の情報や営業範囲を細かく日本政策金融公庫の担当に説明しました。
店舗の場所が当時の営業範囲内であったため、近隣の方々が来てくれているとう情報も信用されて、売上の獲得見込みがあると評価されました。
融資で苦労した点① 売上実績
Aさんが経営されてから客足は増えてきており、売上も増加していましたが、売上のお金を預金に預け入れをしておらず現金管理していました。
売上のお金から仕入れ代金の支払いなどもしていました。
日本政策金融公庫の担当者は預金通帳を見て資金の流れを確認します。
売上が増加していると本人が言っていても預金通帳で確認できなければ、あまり意味がありません。
Aさんも預金で確認できていないので売上が伸びていることが証明できないと言われました。
あくまで過去の人脈から想定でこれくらいは伸びる可能性があるので融資が通りましたが、売上高を預金管理していればもっとスムーズに審査が通ったはずです。
現金商売の方は日々の売上高を一日ずつ封筒にまとめて預金口座に入れる癖をつけておきましょう。
お金の流れがご自身でも把握できますし、融資を検討する際にもプラスに働きます。
融資で苦労した点② 確定申告書
Aさんの息子さんが経営していたときの確定申告書上での業績が良くなかったため、収益性のない店舗という評価になってしまいます。
Aさんご自身での業績ではないのでどうしようもなかったのですが・・・。
すでにご自身で事業を開始されていて、今後資金調達したいと考えている経営者の方は、
「税金を払いたくないから」とか「節税のために」という理由で利益を調整しているとその確定申告書が理由で資金調達できない可能性があります。
ご自身で確定申告するのが難しいと感じる方は税理士に依頼して適正な確定申告を行いましょう。
日本政策金融公庫からの融資に成功した理由
Aさんが日本政策金融公庫からの融資に成功した主な理由をまとめると、
①過去の経験
未経験であることをカバーできる過去の勤務実績や人脈があった
②自己資金
息子さんのためですが、ご自身で店舗の保証金などの初期費用を負担しており、退職金などを含めた自己資金があった。
③事業計画
現状の店舗の課題と解決策を考え、どのように行動していくかという事業計画を作成していた
以上のことを資金調達の専門家(認定支援機関)と一緒に事業計画書を作成し日本政策金融公庫との面談時に説明したため200万円の融資に成功しました。
まとめ
未経験では融資を受けるのは難しいですが、過去の勤務実績や経験・人脈が事業に活かせることがしっかりとアピールできれば可能性は十分にあります。
ご自身で書類をまとめて説明するのに自身がない方は一度資金調達の専門家(認定支援機関)にご相談してみてはいかがでしょうか。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/
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