日本政策金融公庫から1000万円の資金調達!
2020年効果もあるのでしょうか。最近では建築業の方をお手伝いさせて頂く機会も比較的増えて参りました。
今回、ご紹介させて頂くTさんのケースでは、一般建設業許可の取得や建築業で将来は独立を検討してらっしゃる方・既に開業、経営している方は参考になるかと思いますので、是非、ご覧ください。
Tさんのケース
・業界経験は10年程度
・売り上げは年商1200万円
・今回の融資の目的は日本政策金融公庫との『実績作り』
・自己資金は750万円
一般建設業許可の取得後を見据えた融資のタイミング
Tさんの融資が成功した要因はいくつかありますが、一番大きかったのはタイミングといえます。
融資を受けるにあたって、タイミングは非常に重要です。
いくつか重要なタイミングを挙げると下記の時期が挙げられます。
①創業前
②創業直後
③確定申告・決算直後
④自己資金が多い(多く見える)タイミング
Tさんは上記の③決算後すぐのタイミングでした。
また、一般建設業許可の取得の必要要件として、財産的基礎または金銭的信用を有するという要件があり、
自己資本が500万円以上有していることが求められていたため自己資金が多いタイミングで融資を進められたのも融資の成功要因として大きかったです。
融資を受けるタイミング
簡単にではありますが、各時期の説明をさせて頂きます。
創業前・創業直後
この①、②の時期は最も融資の成功可能性が高いです。
なぜかというと融資を受ける方の経験、実績、自己資金などが複合的にみられ、判断されるだけでなく、売り上げもこれからの見込みということで、想定値で良いという点も大きいかと思います。
加点要素としてこれからの売り上げ見込みを提示すると良いでしょう。
契約書や顧客リストがあると開業後、もしくはこれからの売り上げ増加の根拠となります。
確定申告、決算直後
確定申告、決算直後のタイミングは売り上げ、実績が日本政策金融公庫側に実数で見えるため融資が受けやすいタイミングとなります。
業績が良い場合はもちろん、業績不振、安定化のための融資でもどのような売り上げが見込めるか創業前、創業直後と同様に提示することでプラス要因となりますので、
用意が出来る場合には、書面にて取り交わしておくと良いでしょう。
自己資金の多い(多く見える)タイミング
こちらは文字通りの意味となりますが、取引先からの入金や一時的にでも通帳の額面が多い時期を指します。
やはり、融資を受けるといってもお金の借入ですので、返済可能性が高い案件に融資をしたいというのが日本政策金融公庫の本音です。
創業、創業してから1年以内ですと融資を受ける際に、融資額がいくらで、使用用途は何かを明示する必要性があります。
この際、融資額と自己資金を記載し、提出します。
※自己資金を全て事業に充てる必要はありません。
【返済可能性が高い】とは、創業後売り上げが思いのほか上がらない、内外装が想定よりも時間を要し、開業予定に間に合わなかった場合に自己資金から補填が出来るかという点も見られます。
そのため、自己資金の多い(多く見える)タイミングで融資の打診を行うことで加点対象となる場合が多いです。
一般建設業許可の取得の4要件
これから事業拡大のため、一般建設業許可の取得を考えていらっしゃる方のために簡単ではありますが、取得のための取得要件を記載します。
参考までご覧ください。
①役員、または個人事業主であり常勤であること。また、5年左記の経験が5年以上あること。※建設業以外の経験者の方は7年以上の経験
②専任技術者を有すること。所定の国家資格を有していること。
資格については下記をご覧下さい。
http://www.mlit.go.jp/common/001225752.pdf
高校の所定学科を卒業後5年以上の実務経験を有していること、または、大学・高専の所定学科を卒業後3年以上の実務経験を有していること。10年以上の実務経験を有していること。
※許可を受ける内容の実務経験でなくてはなりません。
③誠実性を有すること
詐欺や脅迫、横領、契約違反をする恐れがないこと。こちらの要件には書類等は必要なく意思確認が主です。
④財産的基礎、金銭的信用を有すること
<財産的基礎>
自己資本が500万円以上あること。資本金が500万円以上の場合は問題ありません。
<金銭的信用>
下記のいずれかを満たす必要があります。
・申請者名義の預金残高が500万円以上であること(預金残高証明書)
・500万円以上の所有不動産の評価証明書
・500万円以上の申請者名義の融資証明書
上記の4要件を満たしている場合、一般建設業許可の取得が可能です。
一つ注意点としては、日本政策金融公庫の融資では許認可のための融資は受けられないため金銭的信用を日本政策金融公庫の融資では出来ないことを覚えておきましょう。
Tさんは、建設業許可の取得のための預金残高と保険等(解約返礼金のあるもの)が自己資金と見られました。
実績があると2回目以降の融資が受けやすい?
Tさんは今回、既存事業でも売り上げがあり、許認可取得後を見越した融資をお考えでした。
まずは、日本政策金融公庫との実績作りをしたいとお考えでした。
どの金融機関でも同じことが言えますが、初回の融資は審査が厳しいです。
そのため、業績が下がっているタイミングでの融資は可能性が下がってしまうため、余裕のある時期に融資は受けておきましょう。
ですが、一度融資が成功し、返済を滞りなく行うことで、追加融資や何かあった場合の融資が通りやすくなるのです。
そのため、これから事業を創業予定の方は少額でも融資を活用し、金融機関との関係性の構築をおすすめします。
まとめ
- 融資を受けるタイミングを把握しましょう。創業前、創業直後。確定申告後、決算後。
- 売り上げの見込みがある場合には、契約書などで提示出来るよう準備を進めましょう。
- 金融機関との関係構築は余裕があるタイミングで行う
- 自己資金を用意が大きいほど融資は進めやすい
以上の事柄に注意して、金融機関とうまく関係性を構築して事業の拡大、安定化を目指しましょう。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/
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