補助金額200万円!H29年度も募集予定の創業・事業承継補助金はどんな補助金?
創業・事業承継補助金は、経済産業省が地域活性化のために中小企業の創業や事業継承を支援しようと企画された補助金です。H29年度の公募は7月18日(火)~8月18日(金)の期間と発表されました。早速、支給条件や申込方法をチェックしていきましょう。
1.創業・事業承継補助金の概要
①補助金と助成金の違い
補助金も助成金も、何となく国からもらえるお金というイメージはあるけど、何が違うの?と疑問に思う方もいることでしょう。
助成金は厚生労働省が実施していて、主に雇用関係に関連する給付金です。それに対し、補助金は国や自事態が産業の育成や施策などの目的達成のために支給するもので、管轄はその補助金によって中小企業庁などの官公庁の場合や地方自治体の場合があります。
補助金の支給額は、助成金より高額です。助成金では数十万円のものが多い中、補助金は100万円単位です。
補助金は助成金より申請期間が短いというネックがあります。そのため、常時情報収集していく必要があるでしょう。
大まかにまとめると、以下のような違いがあります。
補助金 | 助成金 | |
管轄 | 官公庁または地方団体 | 厚生労働省 |
難易度 | 比較的難しい | 比較的簡単 |
助成額 | 高い | 低い |
申請期間 | 短い | 長い |
詳細は、当サイトの別記事(助成金?補助金?名前は似ているけど、違うものなの?助成金と補助金5つの違いと2つの共通点)も是非ご参照ください。
今回ご紹介する創業・事業承継補助金については、中小企業庁が管轄です。
②気になる助成金額は100万円・200万円・500万円
創業・事業承継補助金の助成金額は200万です。しかし、外部から資金調達の確約がない場合は半分の100万円になります。
外部からの資金調達確約とは、銀行などの金融機関から融資を受ける約束をしているかどうか、という事です。他銀行などから融資を受けられる企業ということは審査も済んでいるため、ある程度信用できる企業と判断できるからでしょう。また、創業ではなく事業転換に挑戦する場合の支給金額は500万円です。
いずれも、実際の創業や事業転換にかかる費用の1/2または2/3という助成率で支給されます。この補助金のみを充てにして創業・事業転換の予算を組むことはできません。500万円の補助金を希望していて補助率が1/2の場合は、1,000万円の創業・事業承継費用を見込み、そのうち半分の500万円は事業主側で用意する必要があります。
また、この補助金の予算額は11億円と比較的少額です。そのため、もらえる確率どちらかと言うと低い方の部類に入る補助金です。
③補助金で賄える費用について
この補助金で賄える費用は、限定されています。補助金の目的が創業・事業承継となっていますので、創業・事業承継に係る広告宣伝費・法人設立に伴う司法書士・行政書士に対する費用等に使うことができます。
逆に、人件費や店舗の家賃、設備費、原材料費、委託費、ホームページ作成費、会議の会場費用、通信費や消耗品費については、この補助金で支払うことはできません。
④公募時期はH29年4月下旬~5月中旬
予算案が確定し、この補助金を実施するための民間団体の公募がスタートしました。民間団体の選定後、補助金実施の事務局が創設されます。補助金申請の実際のやりとりは、事務局と行います。
現時点(平成29年4月25日)では、まだ公募はスタートしていないので、興味のある団体はこまめに中小企業庁のホームページをチェックしてみてください。
⑤特定創業支援事業とは
この補助金は、国から認定された市区町村が創業支援事業者を選定し、連携実施して行うという地域密着タイプの補助金です。実際に窓口になったり研修を行う事業を、「特定創業支援事業」と呼びます。
特定創業支援事業この補助金は、以下の図のような形で運営されます。
2.やるべき準備とは
①募集条件に合うか確認
まず、この助成金に興味がある事業主は以下の支給要件に当てはまるか確認をしましょう
- ・1.中小企業・小規模事業者(会社および個人)である
- ・2.事業実施期間中に、1人以上の新しい雇用を行う事
- ・3.民間金融機関からの外部資金の活用が見込まれている事
- ・4.事業承継を景気として経営改革などに取り組む企業または事業転換に挑戦する中小企業である
【補足】
1つ目ですが、組合系やNPO法人、学校法人などの法人系は対象外です。
2つ目は、本年度より新たに盛り込まれた条件です。
3つ目についてですが、外部資金の調達の確約がない場合でも応募は締め切り可能です。しかし、助成金額は半額の100万円になります。
②創業スクールに参加
創業スクールとは、中小企業庁が地域社会の創業促進を図るべき企画・開講しているスクールです。この事務局(地域創業促進支援事業管理)の運営は、株式会社パソナががやっています。
何故このスクールに参加した方が良いのかというと、
創業・事業承継補助金の目的として、「創業スクールの卒業生の50%が創業・事業継承補助金をもらえる事を目指す」
という項目があるようです。
実際にこのスクールに通うにはお金もかかりますし、本年度の助成金申請にはもう間に合わないかもしれません。しかし情報として知っておき、次年度の申請に向けて準備しておくのもよいかと思います。(次年度に募集があるかは確定していませんが)
③去年の実績をチェック
この補助金は、昨年以下のように実施されました。
・申請件数・・・2,983件
・採択数・・・143件(創業部門150件、事業承継部門80件)
この数字を見ると、狭き門だということが分かりますよね。しかし、返済不要の200万円があれば創業時に非常に有利ですよね。
どうしても補助金が欲しい場合は、社会保険労務士のような専門家に相談することもオススメです。
まとめ
創業・事業承継補助金の概要についてご紹介致しました。本年度の申請に間に合わずとも、次年度も公募される見込みのある補助金です。創業の予定のある方は、是非しっかりと準備をしてこの補助金を目指してください。
助成金や補助金は取得までに時間がかかる?
助成金や補助金は、すぐに取得できるものはほとんどありません。
中でも、1年から1年半経過後に取得できるものが多いです。
助成金申請が実行される前に、資金繰りが悪くなってしまう会社が多い傾向があります。
そこで、多くの経営者が助成金とは別に、
金融機関や日本政策金融公庫からの借入もご検討することを推奨しています。
中でも、政府が100%出資している日本政策金融公庫については、
下記サイトで詳しく説明されていますので、情報収集しておくと万が一に備えられるでしょう。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
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