女性の活躍を推進する助成金「女性活躍加速化コース」とは?
今回の記事では、女性の活躍を推進する助成金について取り上げます。活躍と言えば、第三次安部内閣の掲げた「一億総活躍社会」という言葉はとてもインパクトがあったようです。日本人の全てが活躍できる社会=子供も高齢者も育児中の人もみんなが活躍して欲しいという意図がありました。その中でも女性の活躍は、特に期待されています。
女性活躍加速化助成金とは、いったいどのような助成金なのでしょうか?
1.女性活躍推進法とは?
実は、この助成金の背景には女性活躍推進法の存在が挙げられます。女性活躍推進法?そんな法律あったかな?と首をかしげてしまう方も多いことでしょう。
この法律は、2016年4月よりスタートしている「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」という長いタイトルの法律の略称です。この法律、大まかに捉えてどんな法律なのかというと、以下のような内容です。
- ・日本にはまだまだ働ける存在=女性が約300万人もいる
- ・その人たちにもっと働いてもらい、労働力不足を補おう
- ・育児後に復活する女性は、多くがアルバイト・パートなので正社員を目指せる環境を作ろう
- ・日本では女性の管理職の割合が1割と世界水準よりとても低いので、何とかしよう
さて、この女性活躍推進法の指す「女性」は誰を指すのでしょうか?働ける労働力としての女性ですので、15~64歳の女性を指しています。
2.両立支援等助成金の女性活躍加速化コースとは?
①両立支援等助成金の一つのコース
さて、本題に入りましょう。まず、両立支援等助成金とは、仕事と家庭の両立支援や女性の就業・活躍推進に取り込む中小企業に対して支払われる助成金です。
少子化に歯止めの効果も?男性の育児休暇取得でもらえる両立支援等助成金とは?
もご参照ください。
その中の1つのコースとして、女性活躍加速化コースは位置づけられています。
②返金しなくていいのが助成金のメリット
どんな人でも助成金がもらえるわけではありません。助成金をもらうには、書類の提出と審査、そして制度導入という様々なアクションが必要です。また、申請するための一定の条件もあります。
しかし、助成金は借金ではありませんので、一度支給されれば原則返金の必要はありません。
また、助成金をもらうために行う様々な施策は、会社にいる従業員や事業主自身のためになります。例えば、会社Aでは今まで人事評価は何となく一部の上司が決定していたため、それに不満のある社員がすぐに辞めてしまって人材が常に不足していたとします。
そこで、人事評価改善等助成金の制度を利用し、社内で新たな制度の導入に取り組むことにしました。その結果、社内が活性化して事業も好転するというケースが多く実在します。
さらに、助成金という返済無用のお金ももらえるので、企業としては助成金に取り組むことに損はないのではないでしょうか?
③数値目標を「女性の活躍推進企業データベース」サイトに公表しなければならない
この助成金の重要ポイントは、なんといっても企業内の女性活躍における数値を公表しなければならない、という点です。他の助成金では、あまり求められることのない条件かもしれませんね。
公表は、「女性の活躍推進企業データベース」http://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/というサイトに登録することで公表できます。
④加速化AコースとNコースの違い
本助成金では、AコースとNコースという2つのコースがあります。ですので、実際にこの助成金に申し込む前には、自社が以下どちらのコースに申し込めるかとチェックしてください。
・Aコース
この助成金を申請するのは、常用労働者数が300人以下の中小企業のみ(産業は自由)に限られています。300以上の常用労働者がいる場合は、必然的に申し込めるのはNコースとなります。
また、以下4つの条件を全てクリアする必要があります。
- ・女性活躍推進に関する数値目標を盛り込んだ事業主計画を策定し、都道府県労働局長へ届け出る。また、策定した計画は労働者に周知し、公表すること
- ・長時間労働是正などの働き方改革に関する取組を行っていること
- ・女性活躍推進法の第16条に基づき、自社の女性の活躍に関する情報を公開すること
- ・策定した行動計画に沿って、行動計画期間ないに取組を実施したこと。また、複数の取組目標を掲げた場合は、そのうち少なくても1つの計画を実施したこと
このコースでもらえる支給額は、30万円です。
・Nコース
Nコースでは、上記の4つの条件にプラスして、さらに以下2つの条件のクリアが必要です。(全6条件)
- ・取組目標を達成した日の翌日から3年以内に行動計画に定められた数値目標を達成し、さらに助成金支給申請日までその状数値目標を達成したこと
- ・数値目標を達成した旨をサイトに掲載し公表していること
このコースでもらえる支給額は、30万円です。
まとめると、以下のようになります。常用労働者数300人以下の企業は、Aコースで助成金をもらってからNコースをもらう(計60万円)ということも可能です。
支給額(各コース1企業1回限り) | |
【取組目標を達成】
※常用労働者数300人以下 ⇒加速化Aコース |
30万円 |
【数値目標を達成】
※常用労働者数300人以下 と300人以上 ⇒加速化Nコース |
30万円 |
3.どうしたら助成金がもらえるか?
助成金をもらうには、以下5つのステップを踏みます。
ちなみに、助成金を申請できる期間は、各コースともに自社で策定した行動計画の取組目標をまたは数値目標を達成した日の翌日から起算して2か月以内が期限です。忘れないように申請しましょう。
4.女性活躍推進の優良企業には「えるぼし」
女性活躍推進は、行動策定を設けたり数値目標があったりといろいろやることは多く簡単ではありません。しかし、女性活躍推進の優良企業には「えるぼし」というミシュランのようなマークが女性活躍推進法により認定されます。
えるぼしには、1つ星から3つ星まであり、星3つが最も優良な起業です。現在、えるぼし3つ星認定企業は全体で46あります。えるぼし認定企業には、公共調達での加点評価、そして日本政策金融公庫でお金を借りる場合に低金利になる、といった2つの優遇措置が与えられます。
まとめ
女性活躍推進助成金の概要をご紹介しました。女性の就業率が年々高くなっていく中、今後ますます仕事間での男性と女性の格差は縮まることが予想されます。社内の女性比率が多い企業には、特にこの助成金を目指すことをオススメします。
助成金や補助金は取得までに時間がかかる?
助成金や補助金は、すぐに取得できるものはほとんどありません。
中でも、1年から1年半経過後に取得できるものが多いです。
助成金申請が実行される前に、資金繰りが悪くなってしまう会社が多い傾向があります。
そこで、多くの経営者が助成金とは別に、
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中でも、政府が100%出資している日本政策金融公庫については、
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資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
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