事業所同士で協力し、ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金で資金調達!

事業所同士で協力し、ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金で資金調達! 助成金・補助金 – 取り組みやすい助成金
ものづくり 補助金

返済不要の助成金と補助金は資金調達の一つの選択肢

今回ご紹介するのは、認定支援機関という組織のバックアップを受けることで中小企業と小規模事業者がもらえる「ものづくり・商業・サービス系経営力向上支援補助金」です。

この補助金は、複数の中小企業等が事業者間でデータ・情報を共有し新しい付加価値を作り生産性を向上した場合に支給される補助金です。

 1. ものづくり・商業・サービス経営向上支援補助金の目的とは

日本のものづくりのレベルの高さは世界中で評価を得ていますが、近年、中国やインドなども目覚ましい進歩を遂げており油断はできません。この補助金は、ものづくりをする「メーカー」や「サービス」提供事業者がより「足腰の強い」「革新的な生産」をするための支援をする目的で募集されています。製品開発には多額の資金がかかりますので、非常に助かりますね。

 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金の要綱を見ると、申請には以下の要件を満たす必要があると記載されています。

  •  生産性向上を期待できる革新的サービス開発
  • 生産性向上を期待できる革新的試作品開発
  • 生産性向上を期待できる革新的生産プロセスの改善

 いずれも、「生産性」と「革新的」の文字があるので、どうやらこれらがこの補助金をもらうためのキーワードのようですね。まず、生産性向上とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか?次項で、生産性向上について解説していきます。

 2. 中小企業等における生産性向上とは

生産性とは、メーカーの場合は時間あたりにどれぐらいの製品を作り出すことができるか、という数値で明確に表せます。例えば、1時間あたりに同じ100本の鉛筆を作るメーカーA社と1,000本の鉛筆を作るメーカーB社では、B社の方が生産性は高いと言えます。

 しかし、実際に1,000本の鉛筆を作って「生産性が高い」となった場合でも、それらが売れなくては意味がありません。この補助金で求める生産性とは、まず以下の算式で求められる労働者一人あたりの生産性である「労働生産性」を元に計算されます。 

            営業利益 + 人件費 + 減価償却費 


             従業員数(もしくは労働時間数)

 これは、労働生産性を求める算式です。急に大学の経営学部のお勉強のようになりましたが、営業利益とは事業所が本業で稼いだ利益を指します。また、減価償却費とは生産ラインのように大型の施設を購入した際にいったん資産として会計で記入し、それを耐用年数(何年その施設は使えるのか)で割った金額を指します。

次に、生産性向上の算式を見ていきましょう。

            付加価値の向上(労働生産性)、革新ビジネスの創出 


                  効率の向上

 経済産業省では、生産性向上は労働者一人あたりの生産性の向上と革新的ビジネスを作ること、そして業務効率が向上することが不可欠だと位置付けています。ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金も、この計算式の考え方を元に申請条件が設定されています。それでは、申請のための条件をみていきましょう。

 3. 申請条件

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①対象事業者

(1)概要

日本国内に本社および実施場所をもつ中小企業者また特定非営利活動法人でものづくり技術と革新的サービスを持つ事業者が対象です。中小企業者ってあまり聞かない言葉ですが、中小企業と組合を指す言葉です。資本金と従業員人数について業種ごとに以下のように規定があります。

 (2)資本金と従業員人数の規定

【中小企業者】

業種・組織形態

資本金限度額

従業員人数

製造業・建設業・運輸業

3億円

300人以下

卸売業

1億円

100人以下

サービス業(ソフトウェア業、ITサービス業、旅館業以外)

5,000万円

100人以下

小売業

5,000万円

50人以下

ゴム製品製造業

3億円

900人以下

ソフトウェア業、ITサービス業

3億円

300人以下

旅館業

5,000万円

200人以下

その他の業種

3億円

300人以下

 また、組合に関しては商店街振興組合や生活衛生同業組合、酒造組合など一部対象外の組合があります。詳細は、以下のPDFの6ページをご参照ください。

 平成29年度補正 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金 【2次公募要領】

※上記URLをクリックすると、全国中小企業団体中央会作成のPDFページへリンクします

(3)ものづくり技術とは

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ものづくり技術については、平成18年に「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」が施行されています。この法律に定められている高度なものづくり技術に関しては、研究開発の作成や申請を行ない経済産業省の許可を得ることで研究開発費の支援を受けることができます。

【中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律とは?】※内容一部抜粋

  • 単独ではなく共同でものづくりをする場合、「特定研究開発等計画」を立てて、開発期間や共同する事業者などの名称、資金調達額や資金調達先を明らかにしなければならない
  • 国は、認定計画に沿って行われる特定研究開発等に必要な資金の確保に努めること
  • 認定計画に沿って行われ、かつ特定研究開発等計画での研究成果による特許発明の場合は、特許料の減額または免除を行う

 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金でも、この法律のルールに乗っ取った以下12の技術を持つ事業者が申請することができます。

  •  1.デザイン開発に関わる技術
  • 2.情報処理に関わる技術
  • 3.精密加工に関わる技術
  • 4.製造環境に関わる技術
  • 5.複合・実装に関わる技術
  • 6.立体造形に関わる技術
  • 7.表面処理に関わる技術
  • 8.機械制御に関わる技術
  • 9.複合・新機能材料に関わる技術
  • 10.材料製造プロセスに関わる技術
  • 11.バイオに関わる技術
  • 12.測定計測に関わる技術
 (4)革新的サービスとは

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革新的サービス、という言葉は非常に抽象的ですね。中小企業庁のポータルサイト「ミラサポ」での記事「注目補助金申請のポイント!」を参照すると、ものづくり補助金担当者は以下のように革新的サービスを定義しています。

「【革新的サービス】は、自社になく、他社でも一般的ではない、新たな役務を取り込んだ(取り入れたも含む)新サービス、新商品開発や新生産方式」

 とにかく、全く新しい!というところがポイントのようですね。

 (5)認定支援機関に事業計画の実効性を確認してもらうこと

「うちはものづくり技術がある中小企業だから、補助金もらえる!」と安心するのはまだ早いです。最後の条件は、認定支援機関からのチェックをもらうということです。

 認定支援機関とは、当サイトの運営会社もそうなのですが、全国に約29,000ある税理士や地元金融機関などで経済産業省から「認定」された機関のことを言います。税理士であれば誰でも審査に通るわけではなく、認定支援機関に登録できない機関も日本には多数存在します。

 彼らは毎日事業計画をチェックしていますので、事業計画を見ることのプロです。事業計画がしっかりした事業所に補助金をあげたい、というのが経済産業の狙いです。

 4.気になる補助額は?

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この補助金での支給額は、〇〇円と決まっているのではなく実際にかかった補助対象経費に「補助率」をかけて求めます。 

 

補助対象経費

補助上限額

補助率

連携可能数

一般型

機械装置費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウド利用費

1,000万円

1/2以内

上限1,000万円で複数連携可

企業間データ活用型

機械装置費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウド利用費

1,000万円

2/3以内

10者まで。

1者あたり200万円が追加可能

 「一般型」と「企業間データ活用型」の二つの種類があり、一般型はつゆ小企業者が行う革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善が条件ですが、一般型では事業者間の情報共有を前提に、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るのが条件になっています。いずれの型の場合も、設備投資(事業者が設備を買う事)が必要で、それに関わる購入経費に対して補助金は支払われます。

 5. 平成29年度2次募集は平成30年9月10日が締め切りです

現在、二次募集がされています。詳細の確認や申請書ダウンロードは、以下のサイトより可能です。

平成29年度補正「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」の二次公募について

※上記URLをクリックすると、東京都中小企業団体中央会の公式ページにリンクします

 まとめ

ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金は経営力向上計画の支援事業の一つです。経営力向上計画とは、中小企業等経営強化法に基づくものでしっかりとした事業計画をたてた中小企業に認定をし支援を行おうという事業です。

この補助金をもらえるかは、補助金対象事業者の条件を満たすかどうか、あとは事業計画と革新的サービスなどのアイディアによる部分が大きいのではないでしょうか。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。