親族から借入をする場合の3つの注意点

親族から借入をする場合の3つの注意点 更新日:2017.12.22 公開日:2017.12.22起業のための資金調達 – 親族・知人からの借入
親族 借入 注意点

親族からの借入にはいくつかの注意が必要!

開業のための資金として親族からの資金援助を受ける方も少なくはありません。 しかし、親族からの借入にはいくつかの注意が必要です。

起業前の基礎知識として確認しておきましょう!

1.親族からの借入!注意点と解決方法を知ろう!

(1)利息は付けるべき?

親族からの借入の場合、毎月借りたお金の返済はしているが利息を設定しておらずに元金のみ返済している、という方もいらっしゃるでしょう。

しかし、返済時に利息を支払っていない場合、贈与とみなされ贈与税が発生してしまう事があります。

本来、借入であれば利息が発生するので毎月【元金+利息】の返済が必要です。

利息を支払わず【元金】のみ返済している場合、お金を借りた側が本来支払うべきである【利息分】を得している!と判断されてしまう可能性があります。

つまり、支払っていない利息分を贈与された、と判断されるのです。

  • 解決方法

利息をつけずに親族から借入をした場合に贈与税を発生させないためにはどうすれば良いのでしょうか?

贈与を受けた金額が110万円以下の時に贈与税は発生しません。

贈与税が発生した場合の計算式は以下の通りです。

贈与された財産の合計額−110万円=贈与税課税対象価額

贈与税=贈与税課税対象価額×税率−控除額

親族からの借入金の利息分に贈与税が発生してしまわないように、借入をした時に利息を設定し毎月支払っておくことが大切です。

(2)親族からの借入が全額贈与になる可能性も!

親族から借入をして返済を全くしなかった場合、贈与とみなされ110万円を超える部分に贈与税が発生します。

出世払いで受け取ったり、事業が軌道にのったりした時に返済する約束であっても、定期的な返済をしていない場合贈与税が発生するので注意しましょう。

  • 解決方法

贈与としてみなされないようにするためにも毎月きちんと返済していきましょう。

返済の有無を証拠として残しておくためにも銀行振込での返済を検討してください。

返済をしていても、継続的ではなく返済をしていない期間があると贈与税が発生することを覚えておきましょう。

(3)返済可能な範囲で借りるべき!

親族からの借入であっても返済可能な範囲内で金額を設定しましょう。

借用書を作成して借入をした金額を、定期的に返済出来なければ贈与であると判断されてしまいます。

事業が軌道に乗った時に返してくれれば良い、という親族もいるでしょうが、贈与税が発生してしまうと高額な税金の支払いが必要になります。

  • 解決方法

借入金額をもし返せない場合は返済しなくても良い、と親族が言っている場合には贈与税の非課税枠を利用することが可能です。

親族からの借入金を住宅購入のために利用する場合、最大1,200万円までが非課税枠です。

開業資金であれば、1年に110万円までの贈与には贈与税が発生しません。

毎年110万円ずつ贈与してもらうことで贈与税の発生を防ぐことができるでしょう。

2.親族からの借入でも借用書・契約書は必須!

親族間の借入に関する注意点をご紹介しましたが、贈与税の発生を防ぐためにも契約書や借用書を作成しておきましょう。

作成時の注意点は以下の通りです

・お金を借りた日を契約日に設定する

・署名は直筆でする

・金額を改ざんされないように漢数字を利用する

・利息と遅延損害金について記載する

・返済期間・返済方法・毎月の返済日について指定する

これらの点に注意しながら作成した書類はきちんと保管しておきましょう。

3.親族からの借入は自己資金になる?

起業時や会社の運転資金として金融機関からの融資で資金調達をする場合、自己資金要件が設定されている傾向にあります。自己資金額によって融資金額が決定するため、自己資金として親族から借入をする方もいます。

親族からの借入は自己資金として見なされますが、もちろん自分自身でコツコツと自己資金を貯めていた方が金融機関からの印象も良くなるでしょう。

まとめ

今回は創業資金として親族から借入をする場合の注意点についてご紹介しました。

親族からの借入であっても借用書を作成し定期的に返済をしなければ贈与と判断され贈与税が発生する可能性があるので注意しましょう。

資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/

融資支援実績 6,000件超独立・開業・事業用資金の資金調達を
ソラボがサポートします。

  • 独立するための資金調達をしたい
  • 金融機関から開業資金の融資を受けたい
  • 手元資金が足りず資金繰りに困っている

中小企業庁の認定を受けた認定支援機関である株式会社SoLabo(ソラボ)が、
あなたの資金調達をサポートします。

ソラボのできること

新規創業・開業の相談受付・融資支援業務、既存事業者の融資支援業務(金融機関のご提案・提出書類作成支援・面談に向けたアドバイス・スケジュール調整等)

今すぐ融資の無料診断