借入は、資本金に計上できる?

借入は、資本金に計上できる? 起業のための資金調達 – 親族・知人からの借入
起業 資本金 借入

起業して事業を進めていくには、お金が必要です。

これから起業しようと考えている方になかには、資金調達のために個人で融資を受けようと思っている方もいるでしょう。

このように融資や借入で資金を調達し、会社設立する際の資本金として利用することは可能なのでしょうか。

 

1.資本金に借りたお金を充てることは基本NG!

原則、借りたお金を資本金にすることは認められていません。

よって、公的機関の融資制度、銀行や信用金庫からの借り入れ、カードローン、親や親戚、知人からの借金など、すべて資本金にはできないのです。

自己資金100万円と銀行から借りた200万円で、あわせて資本金300万円と設定することはできないということです。

 

しかし、役員からの借入を資本金に振り替えることはできます。

 

これはDES(デット・エクイティ・スワップ)と言われるもので、借入金を株式化して資本金として計上する方法です。ここでは、DESについての詳細は省略します。

 

つまり、役員等からの借入金を資本金に振り替える方法を除いて、金融機関などからの借入を資本金として計上することはできません。

 

2.借りたお金は「借入金」として計上

資金調達のために銀行など金融機関から借りたお金を「借入金」と言います。借入金は返済義務を負います。

そのため会社を立ち上げる際には、自己資金を資本金とし、借りたお金は運転資金や設備資金など起業に向けた準備金として活用します。

 

3.出資による資金調達

出資を募ってお金を集めるという方法があります。この出資金を資本金とし、会社設立することも可能です。

出資とは、「この事業は面白そうだ!」と将来的な会社の成長や成功に期待してお金を投資することです。出資をした人は株主となり、会社に利益が出たときには配当金を受け取る権利や経営に関与できる権利が与えられます。

出資者は株式数に応じて「議決権(経営権)」を持っていますので、仮に自分の出資額よりも相手の出資した額のほうが大きい場合には、たとえ自分が社長であっても経営の実権を握るのは出資額の大きい人になります。

 

4.出資者が複数人いる場合は注意が必要です

起業時、より多くの資金を集めようと第三者に出資してもらうケースもあるでしょう。その場合、出資者には出資した金額分の株式が付与されます。

 

ここで気をつけなければならないのが、議決権の保有割合です。

もし第三者が自分よりも多く株式を保有してしまうと、たとえあなたが会社の社長であっても、自分自身の議決権割合は下がってしまいます。

 

議決権とは「株主総会に出席して、会社の経営方針や重要事項などの決議に票を入れることができる権利」のことです。

株主総会では、会社の運営や役員の人事、配当に関する事項など重要な事案を決定します。その決議事項に対して、議決権を持っている人が賛成と反対の票を入れることができるのです。

ただし、票の数は選挙のように1人1票入れられるのではなく、100株で1票など株式の保有数に応じて投票できる票の数が与えられます。

つまり、多く株式を所有している人が多く投票することができ、会社の経営に口を出せる権利を持っているということです。

 

自分が代表取締役だったとしても議決権がないのであれば、そこの会社の経営を実質的に支配しているのは多くの株式を所有している出資者になります。

ですので、可能であれば2/3以上の議決権を保有しておくことが望ましいです。

最低でも、1/2超の議決権は持っておきたいところです。なぜなら1/2以下の議決権だと、代表取締役を解任させられるリスクが発生するからです。このようなリスクを防ぐためにも1/2超の議決権が必要になります。

もし1/2超の議決権を保有するための出資金が用意できないのであれば、資本金は自己資金だけで設定し、借入金で会社運営していくことを視野に入れておいてください。

 

5.理想は出資100%のオーナー

すべての議決権を保有している、出資100%のオーナー(経営者)が一番理想的です。

会社の運営方針や資金の使い方など、すべて自分の意志で決めることができます。

 

会社設立のための資金をなるべく多く調達したいと思っていても、むやみやたらに資金を集めず、自分が経営をコントロールするため自分で出資する額の過半数を確保するよう注意してください。

どのように資金調達するのが有効なのか判断に迷うときには、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか?

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。