領収書等をきちんと整理しておくことは、お金の管理の第一歩!
どんどん増える領収書やレシート。
あなたはどのような方法で整理・保存していますか?
ここでは領収書のチェック方法と整理方法についてご紹介します。
基本的には、自分がわかれば、どんな方法で整理してもOKですが、長く事業を続けていくことを考え、できる限り手間がかからず、今後も継続して使える方法で最初から管理していきましょう。
1.なぜ領収書を整理して保存するの?
(1)法律による保存義務
領収書や請求書、レシート、契約書、帳簿書類、決算書類等、法律において一定期間保存することが義務づけられています。
保存期間は、法人か個人事業主かによって異なります。関連する書類は、全てセットにしてまとめて保存しておきましょう。
(※1)平成30年4月1日以後に開始する欠損金の生ずる事業年度においては、領収書を含む帳簿書類の保存期間が10年間に延長。(参考:帳簿書類等の保存期間及び保存方法)
(※2)領収書や請求書以外の注文書・納品書などは5年保存。(参考:記帳や帳簿等保存・青色申告)
(2)整理する目的
領収書やレシートなどの書類は、確定申告が終わってしまえば、見返すことはほとんどありません。
しかし、税務署の調査が入った場合には、日々の経理をしっかり行っているということを示すため保存していた領収書を提示したり、自分が確認したい書類をすぐに見つけられるように整理しておく必要があります。
2.領収書をもらうときの注意点
経費として認められない無効な領収書では、消費税の仕入税額控除の対象にならないことがあります。
その場合、多く税金を払わなくてはいけなくなるかもしれないので、注意が必要です。また、決算書を作る段階で意外に利益が出ていることに気が付いても遅いので、日頃からどんなに少額でも領収書やレシートをもらう癖をつけておきましょう。
3.領収書をもらうときにチェックしましょう
自分が受け取る領収書に下記5点が含まれているか、また正確に書かれているか確認が必要です。
領収書をもらうとき、まず聞かれるのが「宛名」です。
空欄や上様でもらうのではなく、具体的な社名や屋号(商号)、自分の氏名を記載してもらいましょう。
次に「但し書き」をどうするか尋ねられると思います。
何を買ったとしても「お品代」としている方も多いようですが、具体的に内容がわかるようにきちんと品目を記載した領収書をもらいます。
このようにするのは、税務署の調査が入り、保管している領収書などが調べられた場合に良い印象を与えるためです。
個人用途で使ったものではないかと疑われないように、しっかりとした証拠として残しておく必要があります。
4.領収書の疑問
(疑問1)収入印紙が貼ってない領収書は無効?
記載金額が5万円以上の領収書には、収入印紙が必要です。
ただ、収入印紙の貼付義務は領収書を発行する側にあります。なので、印紙が貼られてなくても、領収書自体は有効です。
(疑問2)領収書が発行されない場合はどうする?
電車代やバス代などの交通費、取引先とのパーティーや冠婚葬祭でのご祝儀・香典など、領収書が発行されない出費もあります。
その場合は、領収書の代わりに「出金伝票」や「支払い証明書」に必要事項を記載して、他の領収書やレシートと一緒に保管します。式典の招待状や祝金のコピーなど、金銭のやり取りを証明できる資料をあわせて保管しましょう。
(疑問3)支払いがクレジットカードの場合は?
クレジットカードで支払いをした場合は、カードの利用明細書とお店が出してくれた明細書を一緒に保管しておきます。
購入年月日、金額、商品やサービスの内容などが記載されていれば、領収書としての役目を果たします。
(疑問4)レシートではだめなの?
レシートも経費の証拠書類として問題なく、領収書の代わりになります。
ただし、感熱紙に印字されているレシートは、時間がたつと薄くなって文字が判断できなくなる可能性があります。コピーを取っておいたり、スキャンして電子ファイルで保存しておくなど事前に対策しておくことを検討してください。
(疑問5)経費以外の買い物が混じっていたら?
事業用と生活用の買い物が混じっていても問題ありません。
その場合は、事業用だけがわかるようにマーカーを引くなどして印をつけるか、生活用の費用に取り消し線を引くなどして除外しておきましょう。
(疑問6)その他に注意すべきことは?
取引先と打合せをしたり、同業者と懇親会をしたとき、飲食代を支払うことがあるかと思います。
家族との食事などプライベートと区別するためにも、領収書やレシートの裏に同席した相手先の情報や人数、目的などをメモしておくと証拠としての信頼性を高高めることが可能です。
これは飲食に限ったことではありません。
後から確認したときに正当性のある書類だとわかるような情報や資料は、なるべく一緒に残しておきましょう。
5.領収書類を整理する
それでは、実際に領収書類を整理していきましょう。
手順1:A4のルーズリーフやコピー用紙などを用意します。
ファイリングするためのバインダーも用意。
バインダーで綴じておけば、普通のノートと比べ、分厚くなっても扱いやすく、月ごとにインデックスをつけられたり、また万が一漏れがあっても後から追加するのが容易になるでしょう。
手順2:領収書を科目ごとに分けます。
科目分けというのは、このお金は何のために使った経費なのかわかるように分類を決める作業です。
たとえば、会議費や消耗品費、交通費などが挙げられます。分類の仕方は、ある程度自由度がありますが、一度決めた科目は簡単に変更せず同じ処理をすることがポイントです。
手順3:日付順に領収書を並べ、通し番号を振っていきます。
手順4:「現金」、「銀行口座」、「クレジットカード」の支払い方法ごとに台紙を分けて領収書を貼っておくと、後で帳簿を作成するときに楽になります。
手順5:領収書を台紙に糊で貼りつけます。
金額など主要部分が見えていれば重なっていても問題ありませんが、後でコピーを取ったり、電子データとして保管しておく場合を考え、重ならないように貼りつけておく方が望ましいです。
その他:納品書や請求書、見積書などの関連書類がある場合は、領収書と一緒に貼っておくと良いでしょう。また、郵便物や宅配便の送り状なども同様です。
関連取引書類は一カ所にまとめて整理しておくと、後から資料を探すのが容易になり、状況や経緯が把握しやすくなります。
6.領収書類が少ない場合の簡単整理法
領収書の少ないうちは、前述した手順5を省き、月ごとに封筒やクリアファイルに分けて保管するのみでも問題はないでしょう。
ただし、その場合でも1か月単位で支払い方法別に、3つのクリアファイルを用意してわけておくと後でまとめるときの手間が省けるでしょう。
つまり、大事なのはどこに何の書類がまとめてあるのか、すぐにわかる状態にしておくこと。
この方法でひとまずおおまかに分類しておき、領収書の量が増えたときに整理し直すと良いでしょう。
7.まとめ
領収書は紛失してはならない、大切な書類です。
会社が大きくなれば領収書の量も増え、整理しておかないと誤って破棄してしまう可能性もあります。
一定のルールに沿ってしっかり管理していきましょう。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
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自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
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