担保を用意できる人は担保ありで融資を受けると金利は0.5~0.8%下がる可能性があります。
今回の記事では、日本政策金融公庫の融資で担保として利用できる抵当権設定について解説します。
日本政策金融公庫では無担保・無保証で融資を受けられますが、より低金利になるのは担保ありの融資です。
1.担保「あり」と「なし」で融資の金利はこんなに変わる
冒頭でお伝えしたように、日本政策金融公庫で融資を受ける際には担保あり、ナシを選択できます。
担保とは、お金を借りる側(債務者)が万一借りたお金を返済しない時にお金を貸す側(債権者)が得ることのできる物品などのことです。担保として土地や不動産の権利を入れる場合、債務者が借りたお金を万一返さなければ債権者は担保を差し押さえ、裁判所に申し立てることができます。そして担保(土地、株、家など)を強制的に競売にかけることができます。この権利のことを抵当権と呼びます。
【2018年3/9現在】
|
基準利率 |
特別利率Aの場合 |
特別利率Bの場合 |
担保なし |
1.81~2.30% |
1.41~1.90% |
1.16~1.65% |
担保あり |
1.16~2.25% |
0.76~1.85% |
0.51~1.60% |
お金を貸す側としては担保なしの人にお金を貸すよりも担保ありの人に貸す方がリスクは低くなる傾向になります。担保なしの人は万が一返済してくれない場合、単純に逃げられてしまう可能性がありますからね。上記の表を見てもお分かり頂けるように、担保を入れて融資を受ける方が金利は安くなります。
当サイトを運営している株式会社SoLaboでは、経営者の方の融資サポートを行っております。相談は無料です。融資を検討している方はぜひお気軽にご相談ください。
2.「担保あり」とはつまり、金融機関と抵当権設定契約を結ぶこと
抵当権についてもう少しお話しましょう。不動産の抵当権については、不動産登記簿謄本というデータを見れば詳細が記載されています。詳細とは「誰が」抵当権を持っていて、「いつ」発効された権利で、「いつまで」の権利なのか、などです。
あなたが不動産Aの抵当権を日本政策金融公庫の融資に担保として入れるのであれば、この不動産登記簿謄本にかかれている抵当権者(債権者)を日本政策金融公庫、そして抵当権設定者(債務者)をあなたの名前に変更する手続きをしなくてはいけません。この手続きを抵当権設定登記と呼び、所有する不動産を管轄する法務局で手続きを行います。
3.住宅ローンで抵当権を銀行が持つ不動産は担保にできるか
抵当権と言えば、住宅ローンを組んだ時に銀行と自分で設定したけど?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに自宅用などで家屋を購入する際は、住宅ローンという名の融資を組んで購入する方がある傾向にあります。
住宅ローンの場合も同じように、お金を借りた人がお金を返さなくなった時に銀行が家屋を差し押さえることができる抵当権を持ちます。では、住宅ローンで抵当権を銀行が持つ家屋を日本政策金融公庫の担保として設定することは可能なのでしょうか?答えはイエス。
抵当権とは1つだけではなく、実は複数で設定できるのです。複数の抵当権が設定される場合、抵当権一位、二位のように順位がつけられます。日本政策金融公庫の担保ありの申込は、抵当権第一位でなくとも申込みが可能です。
4.事業融資の場合の抵当権は住宅ローンと異なる種類の抵当権
さて、住宅ローンでの抵当権について触れましたが、実は抵当権には種類があります。住宅ローンで設定される抵当権は(普通)抵当権ですが、事業用融資で設定される抵当権は根抵当権という名称です。
その違いは、借りたお金を返済した際に抵当権が消滅するかしないかの違いです。どういう事かと言うと、住宅ローンの抵当権は家屋を買った人が完済すれば抵当権は消滅します。しかし、根抵当権の場合は事業資金を完済した後でも抵当権は消滅せず、次回の融資の際にも引き続き担保として抵当権を設定することができるのです。
日本政策金融公庫で担保ありの融資を受ける場合、お持ちの不動産を根抵当権として入れることでより低金利での融資が可能です。根抵当権を設定する際には登記が必要ですが、通常この手続きを他金融機関で行うには0.4%の登録免許税が必要です。しかし、日本政策金融公庫の場合は非課税で登記が可能です。
まとめ
もしあなたが日本政策金融公庫で担保ありの融資をご希望なのであれば、不動産登記簿謄本または登記事項証明書(全部事項)等を借入申込書に添付しましょう。この記事が参考になれば幸いです。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/
融資支援実績 6,000件超独立・開業・事業用資金の資金調達を
ソラボがサポートします。
- 独立するための資金調達をしたい
- 金融機関から開業資金の融資を受けたい
- 手元資金が足りず資金繰りに困っている
中小企業庁の認定を受けた認定支援機関である株式会社SoLabo(ソラボ)が、
あなたの資金調達をサポートします。
ソラボのできること
新規創業・開業の相談受付・融資支援業務、既存事業者の融資支援業務(金融機関のご提案・提出書類作成支援・面談に向けたアドバイス・スケジュール調整等)