個人事業主が、創業融資を受けるために必要な書類は?

個人事業主が、創業融資を受けるために必要な書類は? 起業のための資金調達 – 日本政策金融公庫からの融資
個人事業主 日本政策金融公庫 必要書類

個人事業主で開業!日本政策金融公庫からの融資を受けよう。

 個人事業主とは、会社を設立せずに事業を行う事業主のことです。個人事業主はさまざまな事業をてがけています。具体的には、「街でラーメン屋を経営する」方も「インターネット上で輸入品を個人で販売している」方も「世界中でバレエを教えるダンサー」も個人事業主です。

さて、これらの個人事業主が起業で融資を受ける時、どのような書類が必要なのでしょうか?法人の場合と個人事業主では審査で揃える書類が異なります。今回の記事では、個人事業主の融資で必要な書類にスポットを当ててご説明したいと思います。

 

1.個人事業主の資金調達先は日本政策金融公庫が多い

個人事業主が創業に必要な資料を説明する前に、どこに提出する書類かということをお話します。個人事業主の場合、法人と比べてやはり資金調達方法の種類が少ないと言えるでしょう。なぜかというと、事業資金の調達方法は大まかに言って以下の3つに分類されますが、個人事業主の場合は②の助成金と③の資金提供をする場合に法人と比べすこし制限があるからです。

 

【資金調達方法は大まかに3種類に分けられる】

①融資(金利付きでお金を借りること)

Ex)日本政策金融公庫、カードローン、クラウドファンディング

②助成金(返済不要のお金を支給される)

Ex)人材開発支援助成金、トライアル雇用奨励金、特定求職者雇用開発助成金

③資金提供(株式の譲渡を条件に資金をもらうこと)

Ex)ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家(個人投資家)、クラウドファンディング

 

そのため、本記事では個人事業主が日本政策金融公庫で融資を受けるという前提で必要書類をご紹介いたします。

 

2.運転資金と設備資金について

融資を受ける際には、運転資金が〇万円、設備資金が〇万円というように、運転資金と設備資金と分けて記入します。そのため、融資の書類を提出する前に運転資金と設備資金がだいたいいくらぐらいなのか、目途をたてましょう。

 

【運転資金とされる費用】

商品仕入 / 人件費 / 外注費 / 広告宣伝費 / 地代家賃/消耗費 など継続的にかかる費用

【設備資金とされる費用】

内装費 / 機械 / ホームページ作成費用 / 不動産初期費用 / パソコン電話 / 机 など一時的にかかる費用

 

3. 開業して間もない?1年以上たっている?開業後の期間で異なる書類

日本政策金融公庫で融資を創業時に受ける場合、新創業融資制度という制度を利用することがほとんどです。まずは創業時または創業して2期以内の事業主に必要な資料を以下にご紹介します。

 

①開業してすぐにお金を借りる場合

融資はクレジットカードで買い物をするのとはわけが違います。以下のようにそれなりの種類の書類を揃えなくてはいけません。

 

(1)基本の書類①=借入申込書

融資をうけるための申込書です。以下の日本政策金融公庫の公式ページからダウンロードできます。

 

日本政策金融公庫|借入申込書

※上記のURLをクリックすると日本政策金融公庫の公式ページにリンクします

 

申し込み名や住所、電話番号はそのまま記入すればよいだけなので、特に問題はないでしょう。記入のポイントは、お申込み金額とお借入れ希望日です。日本政策金融公庫と取引のない新規の事業主であれば、現実的な借入額は300~1,000万円程度にとどめるとよいでしょう。お借入れ希望日について、日本政策金融公庫では申込みから着金まで約1~1.5ヶ月ほどかかります。希望日は余裕をもった日程で設定しましょう。

 

(2)基本の書類②=運転免許証などの本人確認書類のコピー

 

(3)基本の書類③=印鑑証明書

印鑑証明書は、事業所管轄の市区町村の役場で登録できます。登録の際は、実印と身分証明書を持参しましょう。

 

(4)お金系の書類①=申込人名義の銀行通帳コピー

直近6ヶ月分の通帳コピーが必要です。理由は自己資金の有無を確認するためです。銀行の通帳コピーで毎月収入があることがわかれば、自己資金がある人、という評価となります。銀行の通帳コピーは、配偶者のものも併せて提出できれば一緒に提出できます。配偶者の通帳コピーは、「家族が事業に協力している」「申込者が万が一の時にも、返済できる根拠になる」という理由で、プラスの評価につながります。

 

(5)お金系の書類②=【借入金ありの場合のみ】支払い明細書

現在、クレジットカードや消費者金融で借入している方は、今までどれくらいを返済してきて残債があとどれくらいあるのかを明確にする資料を提出します。

 

クレジットカードやカードローンの多くは、現在Web明細書を取り入れていますよね。提出する支払い明細書は、パソコンで明細ページを表示させプリントアウトしたものでも大丈夫です。

 

(6)お金系の書類③=代表の自宅の水道・光熱費の支払状況の分かる資料

延滞がないかを判断するための資料です。口座引き落としの方は、銀行の通帳コピーが資料となります。

 

(7)お金系の書類④=個人の源泉徴収票または確定申告書2年分

 

(8)事業系の書類①=創業計画書

主な内容は、創業する目的や動機と経営上の課題項目の選定、業績推移と今後の計画です。これから起業する方は、あくまで創業前の計画となりますので業績推移については予定の数値で構いません。

 

(9)事業系の書類②=営業許可書、資格・免許

飲食店、不動産屋など営業許可書が必要な事業をするのであれば営業許可書の提出が必要です。その他にも、美容院であれば美容師免許、整骨院をするのであれば柔道整復師などの必要資格の証明書を準備しましょう。

 

(10)事業系の書類③=【現在、別の会社の代表をされている方のみ】関連企業の確定申告書および決算書

 

(11)不動産系の書類①=賃貸借契約書

レストランや整骨院などで実店舗を構える場合は、不動産の賃貸借契約書を提出します。自宅を事務所にするのであれば、自宅の不動産契約についてわかる書類を用意しましょう。

 

(12)不動産系の書類②=【設備投資する方のみ】見積書、工事請負契約書

レストランなどを経営される方で内装工事をする方は、その見積書や工事請負契約書を提出します。

 

②開業して1年以上7年以内が経過している場合

続きまして、開業後1~7年以内が経過している場合の必要資料です。同じことの繰り返しにならないため、前述した①開業してすぐにお金を借りる場合に記載した書類に追加して必要なものだけを以下にご紹介します。

 

(1)事業系の資料=企業概要書

企業として年月がたっているため、どのような企業なのかを説明する概要書が必要です。

 

(2)お金系の資料①=売り上げの根拠資料

請求書や通帳コピーを用意しましょう。

 

(3)お金系の資料②=所得税納付の領収書

 

(4)お金系の資料③=住民税の領収書

 

(5)お金系の資料④=直近の貸借対照表、損益計算書

 

4.全部イチから作る必要はありません!フォーマットを活用しよう

領収書や支払い明細書・本人確認書類など、はただ持っているものを持参するかコピーすればいいだけです。また、創業計画書や企業概要書などは以下の日本政策金融公庫の公式ページから書式をダウンロードすることができます。

 

日本政策金融公庫|中小企業事業 当事業へのご依頼、ご連絡の書式について

 

5. 中小企業経営力強化資金制度って何?認定支援機関とは?

さて、必要資料を全て自分で用意して融資の審査にのぞむ方もいらっしゃいますが、認定支援機関を通して資料の作成や面談の動向をしてもらい審査を有利に進める事業主もいらっしゃいます。

 

日本政策金融公庫では、中小企業庁の認定した街の税理士や弁護士など(認定支援機関と言われます)を経由して申し込む方には、低金利で融資の限度額を引き上げるという処置をしています。

 

詳細は、こちらのリンクをご参照ください

日本政策金融公庫|中小企業経営力強化資金

 

中小企業経営力強化資金制度を利用する場合は、上記の提出書類に加え、別途事業計画書を提出する必要があります。

 

まとめ

 

融資の必要書類は種類が最低9種類、最大では17種類と非常に多くそろえるのが大変ですね。しかし、これらの書類も日々スケジュールを決めて揃えることで、余裕をもって準備できます。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。