債務整理後に融資を受けることはできるのか?

債務整理後に融資を受けることはできるのか? 2018.02.21起業のための資金調達 – 日本政策金融公庫からの融資
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債務整理後に借入や融資を受けることは難しい

支払うことが難しくなってしまった借入金を、法に基づく手続きによって減額、もしくは免除できる手続きを債務整理と言いますが、債務整理は4つの種類に分けられます。また、債務整理後は、金融機関が閲覧共有することができる個人情報信用機関に “ブラック” として登録されてしまい、借入や融資を受けることは難しくなります。

今回は、債務整理の種類や、債務整理後に融資を受けるための注意点などを解説していきます。

1.債務整理を理解しよう

債務整理とは、借入をしているお金の整理をすることを言います。具体的には法に基づく手続きによって借入金の減額や免除を行うことです。

債務整理の方法は1種類に限らず、4種類に分けられ、「任意整理」「個人再生」「自己破産」「過払い金請求」といった手続の総称です。それぞれの種類の違いは以下の通りです。

【任意整理】

債務者もしくは債務者の代理人である弁護士もしくは司法書士が、債権者である金融機関と交渉を行い、借入金を無理のない方法で返済できるようにする方法のことを任意整理と言います。

主な交渉内容は、利息額のカット、月々の返済額の見直し、短縮した返済期間内で完済を目指す、などが当てはまります。

【個人再生】

裁判所に対して返済が不可能であることを申し立て、借入金を減額し、最長5年間で返済を行う方法のことを個人再生と言います。

借入条件によっては、借入金を1/5~1/10まで減額、所有している自宅や車の確保、などが可能ですが、裁判所を通すため手続きが複雑であることや、政府が発行し一般国民が見ることのできる官報へ掲載されるなどの弊害があります。

【自己破産】

借入金が支払い不可能となった債務者が、債権者に対して所有している財産を提供し、借入金の免除をしてもらう方法のことを自己破産と言います。

借入金がなくなり、催促や月々の返済などに追われなくなるという点があるものの、自宅や車などの価値のある所有財産は、返済に充てられるため、手放すことになります。また、個人再生時と同様に官報にも掲載されることになります。

【過払い金請求】

2010年6月に利息上限が法律で定められ、過去に返済を行ったことがある方の中には、利息を多く払い過ぎている、というケースがあります。多く払い過ぎた利息を過払い金と言い、この過払い金を請求し、返済に充てる方法を過払い金請求と言います。

ただし、過払い金が発生する条件で借入の契約を行っている場合のみ過払い金請求が可能となるため、2010年6月以前に借入の契約を行った方が対象となることや、完済後10年以内の方が対象となるなどの規定があります。

2.債務整理後はブラックリストに登録される

“ブラックリスト”という言葉を聞いたことがある方は多いかもしれませんが、ブラックリストが実際に存在するわけではなく、個人の信用情報を管理している機関にブラック(事故情報)として登録されることを “ブラックリストに載る” などと言います。

その人自身の属性、クレジットカード及びキャッシング契約の状況、借入金返済の状況などの信用情報は、下記の3機関によって管理されています。

① 日本信用情報機構(略称:JICC)

② シーアイシー(略称:CIC)

③ 全国銀行個人信用情報センター

金融機関であるクレジットカード会社、消費者金融、銀行などは、上記の機関のいずれかに必ず加盟し、借入や融資の申込者の審査をする際、信用できる人かどうかを見極めるために利用します。

過払い金請求以外の債務整理をした場合、個人の信用情報に事故情報として登録され、情報の各保有期間中は登録され続けます。

事故情報が保存されている期間中は、金融機関から融資を受けることは難しいです。そのため、融資を受けるのには信用情報機関から事故情報が消えるのを待つ必要があります。

3.債務整理後に融資を受けるのに空ける必要のある期間

過去に債務整理をしている方が融資を受けたいという場合、債務整理の種類によって、どれほどの期間を空ければ融資が受けられるかどうかが変わります。 種類別に解説していきます。

(1)任意整理・個人再生を行った方

任意整理・個人再生を行った方が融資を受けたいと考えた場合、信用情報の登録期間は下記の通りです。

機関名

任意整理の記録

個人再生の記録

日本信用情報機構

5年

5年

シーアイシー

5年

5年

全国銀行個人信用情報センター

5年

10年

上記の期間は信用情報に任意整理や個人再生を行ったという記録が残ります。情報の保存期間は手続き開始からカウントします。

この期間を過ぎて、信用情報の記録がクリアになった状態であれば融資審査もチャレンジ可能です。

任意整理や個人再生は借入金を減らすための手続きであり、債務がなくなる訳ではありません。したがって、任意整理や個人再生の手続きの後に計画的に債務の返済をしていれば融資が通る可能性はあります。

しかし、返済の滞納や、遅延ということがあると、信用情報にその記録が残ってしまいます。任意整理や個人再生を行った場合には、その後の返済をしっかりと行うことがポイントとなります。

(2)自己破産を行った方

自己破産の場合、信用情報に記録される期間は下記の通りとなります。

機関名

自己破産の記録

日本信用情報機構

5年

シーアイシー

5年

全国銀行個人信用情報センター

10年

免責確定日から計算して5年~10年となり、任意整理や個人再生とは異なり、返済できない借入金は帳消しとなる手続きを取ります。借入金が帳消しになるということから、自身が所有している20万円以上の高価な財産(預金、車、貴金属など)は手放すことになるため、ゼロに近い状態から再スタートをすることになります。

そのため、自己破産後に融資を受ける方は、自己資金や返済能力の観点から、任意整理や個人再生を行った方よりも融資を受けることが難しいと言えます。

(3)過払い金請求を行った方

過払い金請求の場合、基本的には信用情報に事故情報として登録されることはありませんが、過払い金請求後の債務者の状況によっては、事故情報として信用情報に登録されてしまう可能性があります。

借入金の完済後に過払い金請求を行った場合は事故情報の登録がありません。また、借入金の返済中に過払い金請求を行い、返済中の借入金が過払い金によって完済した場合、交渉から解決するまでの期間は事故情報が登録されることもありますが、完済後は記録がクリアになるため、再度融資を受けられる可能性があります。

しかし、借入金の返済中に過払い金請求を行い、過払い金での完済ができず、借入金が残ってしまった場合は、事故情報として信用情報に登録されることになります。過払い金請求による信用情報の登録機関は5年間のため、融資を受ける場合には、記録がクリアな状態になってから申し込みを行うようにしましょう。

4.過去に債務整理をした方が融資を受けるための注意点

債務整理を行った方は、〔借入金を完済している〕〔債務整理後5~10年以上経過している〕〔融資を受けるための自己資金の準備などがしっかりできている〕という条件をクリアすることができれば融資を受けることが可能です。

審査で重視されるポイントは返済能力

債務整理後は異動情報が無くなっているものの、クレジットカードやローンの履歴もないため、信用情報がクリアな状態です。審査の際には今までの信用情報が評価されないため、重視されるのは返済能力になります。

個人向けのローン商品であれば、仕事があって安定した収入があることが重視されますし、事業性資金の融資ならば自己資金が審査の重要項目になります。

収入や自己資金があれば返済能力があると見なされるようになり、すぐに審査落ちにはならなくなります。

 

当社SoLaboは、事業性資金の融資を受けるサポートをしています。相談は無料なので、現状の自己資金や債務状況で融資を受けられるか確認したい人は、お問い合わせください。

自分の信用情報を確認する方法

ご自身の信用情報に不安がある場合には、下記のサイトから自身の信用情報を開示することも可能です。

融資申込を予定する機関

信用情報開示を求める機関

クレジットカードやカードローン

株式会社シーアイシー

消費者金融系

日本信用情報機関

銀行系

全国銀行個人信用情報センター

信用情報を見る際のポイントとなるマークや表示をまとめてご紹介します。

【株式会社シーアイシー】

マーク

意味

請求どおり(もしくは請求額以上)の入金があった

P

請求額の一部の入金がされた

R

お客さま以外からの入金があった

A

お客さま事情で、お約束日に入金がされなかった(未入金)

B

お客さま事情とは無関係の理由で、入金がされなかった

C

入金されていないが、その原因もわからない

請求もなく入金もなかった

空欄

クレジット会社等からの情報の更新がなかった

【日本信用情報機関】

単語

意味

延滞

入金予定日から3ヵ月以上何ら入金がなく元金、利息、どちらも延滞している情報

元金延滞

入金予定日から3ヵ月以上、何も入金がなく元金のみ延滞している情報

利息延滞

入金予定日から3ヵ月以上、何も入金がなく利息のみ延滞している情報

延滞解消

  • 「延滞」、「元金延滞」、「利息延滞」の何かが登録されており、延滞分すべての入金がされ、延滞状況が解消された
  • 残りの債務すべてが入金され完済、もしくは包括契約で残高が0円になった
  • 延滞分利息が入金された、和解により残高が見直された などの情報

債権回収

契約先が強制執行や支払催促等の法的手続き等を行った情報

債務整理

お客様が債務に関する整理行為をとった情報(お客様に抗弁権等の存するものを含む。)

破産申立

お客様が破産を申告した情報

特定調停

お客様が特定調停を申告した情報

民事再生

お客様が民事再生法(小規模個人再生手続、給与所得者等再生手続き等)の適用を申告した情報

保証履行

保証会社がお客様に代わって契約先に支払いを行った情報

保証契約弁済

契約先が保証会社から一括で支払いを受けた情報

支払抗弁中

お客様が割賦販売法で抗弁権が認められる事由に対して、支払抗弁権を提出した情報

本人否認

お客様が契約の事実を否認し、契約先がそれを認めた情報

【全国銀行個人信用情報センター】

マーク

意味

請求を受けた金額全額またはそれ以上の入金があった

請求を受けた金額の一部の入金があった

×

請求を受けた金額の入金がなかった

P

請求を受けた金額について、事情により入金がなかった

請求がなかった(請求はないが、入金があった場合を含む)

まとめ

債務整理を行ったことがある方でも、信用情報に登録された事故情報が、登録期間を経てクリアになっていることで融資を受けることができます。融資を申し込む際には、融資を受けるための自己資金などの準備を行うことが重要です。

自身の信用情報は、各機関で開示することも可能なため、不安な方は問合せ後に融資申込を行うと良いでしょう。

下記記事でも債務整理をされた方の融資について解説していますので、合わせてご確認ください。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/