セーフティネット保証4号5号の認定申請書を取得するために必要な書類と流れとは?

セーフティネット保証4号5号の認定申請書を取得するために必要な書類と流れとは? 起業のための資金調達
セーフティネット保証4号5号の認定申請書を取得するために必要な書類と流れとは?

セーフティネット保証の必要書類を揃えて申請をしましょう

セーフティネット保証は、中小企業を助けるための保証です。

しかし、セーフティネット保証には多くの種類があり、どれを使えばいいのかわからない、申請の仕方がわからないという方も多いでしょう。

そこで今回は、セーフティネット保証の認定書を取得するために必要な書類と認定の流れについて解説します。

1.セーフティネット保証とは?

(1)中小企業を助けるための保証

セーフティネット保証とは、中小企業信用保険法第2条第5項において定められた、中小企業の経営を安定させるための保証です。

 同じように中小企業を助ける目的の制度に「セーフティネット貸付」という名前が非常によく似たものがありますが、対象が中小企業である以外はあまり関係がありません。

(2)具体的に何ができるの?

セーフティネット保証では具体的に何ができるのかというと、通常、信用保証協会が保証をしてくれる融資額は2億8千万円までなのですが、この「セーフティネット保証」制度を利用すると信用保証協会が通常の融資とは別枠で2億8千万円まで、つまり合計で5億6千万円までの保証をしてくれる、という制度です。 

中小企業を助ける目的の制度で、かつ保障内容が非常によく似ている「危機関連保証」という制度もあります。

この「危機関連保証」という制度も同様に「通常とは別枠で信用保証協会に保証をしてもらえる」というもので、「セーフティネット保証」と同じく2億8千万円までの保証を受けることができる制度。

「危機関連保証」と「セーフティネット保証」は兼用することができるため、最大で8億4千万円までの保証を受けることができます。

とはいえ、あくまで「最大で」という話であって、そこまでの高額融資を受けることはほぼ不可能なため、基本的には大きな額であっても余裕をもって保証してくれる制度、という認識でいるのがいいでしょう。

(3)セーフティネット保証には8種類ある

セーフティネット保証には、目的や原因によって1号~8号の8種類の種別があります。

1号

連鎖倒産防止

2号

取引先企業のリストラなどの事業活動の制限

3号

突発的災害(事故)

4号

突発的災害(自然災害等)

5号

業績の悪化している業種(全国的)

6号

取引金融機関の破綻

7号

金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整

8号

金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡

 この8種類の中で、現在問題となっている「令和2年新型コロナウイルス」問題に対応できるのは4号と5号の2種類です。

そこで、ここからはセーフティネット保証4号と5号について詳しく解説していきます。

2.セーフティネット保証4号と5号

(1)セーフティネット保証4号

台風や豪雨、地震をはじめとした突発的な自然災害の発生によって、売上高などが減少した中小企業の支援を行うための制度です。

どんな自然災害でも受けられるわけではなく、指定された案件が原因の業績悪化が認められた場合のみ利用できます。

また、指定された自治体で1年以上事業を継続していることと、直近1カ月の売上高などが前年同月比で20%以上減っていること、その後2カ月を含む3カ月の売上高が前年同月比で20%以上減っていることがセーフティネット保証4号を受ける条件です。

指定が厳しめな分、保証率は100%で、金融機関の負担がありません。そのため、融資自体のハードルは低くなるので、融資が受けやすくなるというメリットもあります。

現在までで指定された案件は以下の4つとなっています。

令和二年新型コロナウイルス感染症

令和元年台風第19号に伴う災害

平成30年7月豪雨による災害

令和元年台風第15号による災害

このうち、令和2年新型コロナウイルス感染症に関しては指定範囲が全国になっているため、日本国内で事業を行っていれば売上高の条件さえクリアしていれば申請を行うことができます。

(2)セーフティネット保証5号

セーフティネット保証5号は、業界全体の業績が悪くなっている業種支援するための保証制度です。 

業績悪化の原因に指定はなく、指定業種の事業を行っていて、直近3カ月の売上高が前年同月比で5%以上減っている、または製品原価の20%にもなる原油などの仕入れ価格が20%以上上がっていて、製品価格を上昇出来ていない場合のどちらかの要件を満たせば対象となります。

必要な申請書類も異なるため、基本的には売上高の低下を参照するほうを5号(イ)、原油価格を参照するほうを5号(ロ)と呼びます。

保証内容はどちらも変わらず、前年同月比5%の減少で受けられる分、保証率は80%と通常の保証協会融資と変わらないため、メリットも少なめの保証です。

また、令和2年5月1日からは新型コロナウイルス感染症の影響への対策のため、全業種が指定されています。

3.セーフティネット保証4号5号の利用手続きの流れ

(1)認定を受けることができる対象か調べる

まずは自分の事業を行っている地域や事業内容がセーフティネット保証の対象となっているかを調べます。

令和2年現在はかなり対象が広くなっているので、売上高さえ基準を満たしていれば対象になりやすいです。

(2)取引のある金融機関か市町村役場に連絡する

取引のある金融機関か、最寄りの市町村役場に連絡を入れ、セーフティネット保証の対象に認定してもらう手続きを行います。 

法人で申請する場合は定款に書かれている本店の所在地、個人事業主で申請する場合は事業所の所在地がある市町村の商工担当課や商工融資係等の窓口に、セーフティネット保証の認定申請書と必要な添付書類を提出します。

提出方法は窓口に直接必要書類を持ち込むほか、郵送やオンライン手続きが可能な場合があります。

混雑緩和のため、窓口で提出する場合は予約が必須となる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

金融機関によっては、認定手続きなどに必要な信用保証協会との手続きを金融機関が代わりに行ってくれる「ワンストップ手続き」を行っているため、ワンストップ手続きを行っている金融機関の窓口に「代行申請書」または「委任状」を提出すると、後の認定手続きは金融機関が代行してくれます。

基本的に「ワンストップ手続き」の方が手続きは楽なので、できれば手続き前に金融機関が対応しているか確認しておくのがいいでしょう。

金融機関とすでにお取引がある場合には、代行して申請してくれるケースもありますが、新規でのお取引の場合には、基本的にはご自身で認定申請書を取得することになると考えておきましょう。 

(3)認定を受ける

認定申請書と売上高計算書などの必要書類を提出すると、商工担当課の方で審査が行われ、審査に通れば認定書が発行されます。

(4)金融機関か最寄りの信用保証協会に融資を申請

認定書が発行されたら、その認定書を持って金融機関か最寄りの信用保証協会に融資をお願いしに行きます。

金融機関と信用保証協会の融資審査を通過すれば、保証協会にセーフティネット保証を受けながら融資を受けることができることができます。

(5)千代田区の場合

ここでは、千代田区の場合を例に実際に融資を受ける流れを紹介します。

①必要な書類を揃える

各号ごとに必要な認定申請書のテンプレートをダウンロードし、必要な添付書類も併せて用意します。

②申請書類を提出する

千代田区の申請窓口に直接赴くか、郵送でセーフティネット保証認定に必要な申請書類を提出します。

窓口に直接赴く場合は午前8時45分~午後4時30分の間の時間を予約し、指定の時間に直接赴きます。

予約先:商工融資係 電話番号:03-5211-4344

郵送の場合は、必要書類を揃えて、84円切手を貼った長3の返信用封筒に返信先住所を記載したものを同封して、千代田区の担当部署である商工観光課商工融資係に送付します。

郵送先:〒102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1 千代田区商工観光課商工融資係 あて

③認定書を受け取る

無事審査を通過したら、窓口に直接赴くか郵送で認定書を受け取ります。

4.セーフティネット保証の必要書類

(1)セーフティネット保証4号の場合

①4号認定申請書

セーフティネット保証4号の対象であると認定されるために必要な申請書です。 

自治体によって必要枚数が違い、正副2部が必要な場合もあるので自治体に確認を取っておきましょう。

②事業実態が確認できる資料

対応する市町村内で事業を行っていることが確認できる資料が必要です。

法人の場合は発行から3か月以内の履歴事項全部証明書、個人事業主の場合は青色申告決算書、または所得税確定申告書Bの第一表が必要となります。

上記書類で事業実態の確認ができない場合は、別途窓口の担当者に相談を行いましょう。

③売上高が確認できる書類

売上高が前年同月より下がっていることを確認するため、市町村指定様式の「売上高計算書」を提出します。

市町村によって他にも「月別試算表」または「月別売上申告書」が必要な場合もありますので、市町村のホームページを確認して、必要ならば用意しておきましょう。

④運用緩和の根拠資料

令和2年新型コロナウイルス感染症の影響による申請の場合、運用条件の緩和が適用できる場合があります。 

運用条件の緩和適用を受けたい場合は、緩和の対象であることを証明する資料が必要となるため、準備しておきましょう。

(2)セーフティネット保証5号の場合

①5号(イ)認定申請書

4号の申請と同じく、セーフティネット保証5号の対象であると認定されるために必要な申請書です。

こちらも自治体によって必要枚数が違い、正副2部が必要な場合もあるので自治体に確認を取っておきましょう。

②事業実態が確認できる資料

こちらも4号と同様に、対応する市町村内で事業を行っていることが確認できる資料が必要です。 

必要書類も4号と同様で、法人の場合は発行から3か月以内の履歴事項全部証明書、個人事業主の場合は青色申告決算書、または所得税確定申告書Bの第一表と同様になります。 

上記書類で事業実態の確認ができない場合は、別途窓口の担当者に相談を行いましょう。

③売上高が確認できる書類

売上高が前年より下がっていることを確認するための書類提出が必要です。 

こちらも4号とほぼ同じで、売上高明細書などの売上高を記録してあって、前年の同月との売上高比較ができる書類を用意しましょう。

5.セーフティネット保証はワンストップ手続きが可能

(1)ワンストップ手続きとは

少しだけ前の項目でも触れましたが、自治体によっては金融機関が必要情報を取りまとめて信用保証協会と直接やり取りしてくれる「ワンストップ手続き」を行うことが可能です。 

金融機関が間を取り持ってくれるため、行くのは金融機関の窓口のみでよく、手続きも簡単なのがメリットです。

また、接触が少ないため「新型コロナウイルス感染症」に対して有効であることから政府もワンストップ手続きを推奨しているので、できる自治体が増えているのも使いやすいところとなっています。

(2)ワンストップ手続きのやり方

ワンストップ手続きを行う場合は通常の認定申請書ではなく各自治体の「委任状」をダウンロードし、委任状に書き込みを行った後金融機関に持っていきます。

注意しなければならないのは、金融機関によってはワンストップ手続きに対応していないということ。 

そのため、委任状を出す前にワンストップ手続きを行っているか、事前に金融機関に確認を取っておきましょう。

また、自治体によっては5号認定のみワンストップ手続きを行っていない、という場合もあるため、自分が申請したいセーフティネット保証のワンストップ手続きが行われているかどうかの確認もしっかりしておく必要があります。

まとめ

セーフティネット保証は、事業が外的要因によって危機に陥ったときに頼ることができる有益な保証です。

とはいえ、セーフティネット保証も融資、つまりお金を借りることなので、最初は少し怖かったり、申請書類の書き方がよくわからない、という方もいると思います。

資金調達ノートを運営している株式会社SoLaboでは、融資に関する疑問やお問い合わせに無料でお答えしています。

セーフティネット保証に関して困ったときは、是非一度ご相談ください。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
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