自己資金ゼロで200万円の融資に成功した事例

ご病気が回復して、現場復帰したいと思ったのですが、療養生活により自己資金はなくどうすればいいのかわからなかったところ融資アドバイザーに相談して見事に融資に成功し事業を再開することができました。

自己資金ゼロでどのようにして日本政策金融公庫からの融資に成功したのかご説明します。

自己資金ゼロでも融資に通る? 

まず前提としてお伝えするのは、自己資金ゼロではほとんど融資は受かりません。Sさんのケースでは自己資金ゼロをカバーできるものがあったから融資に通りました。

・ご家族の資金援助がある

・過去の個人事業主時代の実績がある

・事業再開後の事業の見通しが良い

上記の理由があったことが成功した理由です。

家族・親族の資金援助 

一般的にはご家族やご親族からの資金援助は正確には自己資金ではありません。自己資金はあくまでもこれまでご自身で貯めてきたお金のことです。

しかしSさんの場合には事情が事情ですので、ご家族の援助がずっとあったことは自己資金がない中でも良い情報となっていました。

Sさんもずっと迷惑をかけてきたので今後は家族ではなく金融機関から借りて始めたいという想いがあり、融資のお申込みに至りました。

自己資金はないけどご家族でこれだけの資産はありますよ(実際に使うわけではない)、というのを提示したことで自己資金ゼロをカバーしました。

過去の個人事業主時代の実績 

5年前までは個人事業主として3年間確定申告をしていました。

この時の確定申告書があればベストだったのですが、保管していたはずがどこかにいってしまい見当たりません。

代わりに提出したものは、 

・ご自身で管理していた日別の売上高と経費の金額をまとめたExcelシート

・上記だけでは信憑性がないので当時の発注書(相当な量でしたが用意しました)

当時のご実績を提示し、年間売上が約2,000～3,000万円あることを仮にですが証明し日本政策金融公庫の担当者に納得してもらうことに成功しました。

次に記述しますが、この当時の実績が事業再開後の事業の見通しにも繋がっているので非常に重要な提出資料となりました。

事業再開後の事業の見通し 

ご病気が完治して仕事に復帰したからといってすぐに売上が獲得できるわけではありません。

むしろブランクがある分、売上を獲得するまでに余計に時間がかかると評価されかねません。

Sさんは療養中も、個人事業主時代の元請業者の担当者とは頻繁に連絡を取り合う仲だったため、Sさんが現場に復帰するという話がでた際に元請業者も喜び仕事を依頼するよ、と口約束ではありますが売上の見込みがありました。

口約束だと日本政策金融公庫の担当としては事業の見通しの確実性が薄いと評価されてしまいます。

融資アドバイザーからの助言で、普段は契約書を取り交わさない慣習がある業界らしいのですが、主要元請業者と業務委託契約書を結んでその契約書を提出しました。

業務委託契約書の相手先会社名と過去のご実績として提出した当時の発注書の相手先会社名が同一であることが書面で明らかとなり、事業の見通し・計画についての確実性が高いという評価となりました。

まとめ 

いかがでしたでしょうか。

自己資金ゼロで融資をお申込みするのは非常に難しいです。

しかしSさんのように過去のご実績や事業の見通し、ご家族からの支援があれば融資に通る可能性はあります。

Sさんはご自身で日本政策金融公庫にお申込みしていたら、どんな書類を揃えたらいいのかもわからなかったし面談でどのように伝えれば良いのかわからず絶対に落ちていた、、、とおっしゃっていました。

一度融資アドバイザーに相談して日本政策金融公庫の融資をお申込みすることをご検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修

株式会社SoLabo　代表取締役 / 税理士有資格者

田原　広一（たはら　こういち）

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降　副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo（ソラボ）を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上（2023年2月末現在）。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売　『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』（幻冬舎）

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/