個人事業主として事業開始から1年後に事業拡大!
Sさんは千葉県で個人事業主として建設業を約1年されていました。今回日本政策金融公庫から借入して事業を拡大したいという相談をいただきました。建設業だけでなく他の業種でも同様ですが、審査において特にどういうところを確認されるかをまとめてみましたので、参考にしてみてください。
-Sさんのご状況-
まずSさんの状況です。
1回確定申告をしていて、29年の途中で独立したため、給与収入が200万ほど、事業収入が500万(月の売上が平均して70万くらい)。
今期は徐々に売上が伸びており、月の売上が150万程になっていました。そして現状案件を受けることができずにいくつか断っていて、今後そういった案件を受注できるように設備を整えたいということでした。
1.現状把握のために融資審査で確認されること
まずは今までの職務経歴(勤務先)です。
独立に際してどれだけの業務経験があったのか、どういった企業で働いてきたのかを確認します。またその業界で有名な企業に勤務していたとかであれば、審査に有利に働く場合があります。
どういう地位(ポジション)に就いていたのかもプラスとしての評価対象となります。
次に取引先です。
取引先との関係性、いつから取引をしているのか、その取引先が公庫と取引があった場合には決算状況まで確認されることもあるようです。
また資産と負債の状況も確認されます。
申し込む本人にどれくらい資産があるのかはもちろんですが、なるべくなら多くの資産を提示した方がプラスに評価される場合があるため、親御さんや旦那さん、奥さんなどに協力してもらえるようであれば、家族名義の通帳などの資産も準備しましょう。
そして資産だけでなく、負債(借入がどのくらいあるのか)も確認されます。借入があるからといって、借りられないというわけではありません。それがどういった借入なのか(住宅ローンなのか、車のローンなのか、消費者金融なのか)によって見られ方は変わります。
借入はなるべく少ない方がいいと考え正直に申告しない方がいますが、信用情報や通帳などで借入があることが発覚すると、日本政策金融公庫の担当者の印象はかなり悪くなります。そのため、借入についても正直に申告しましょう。
注意点
日本政策金融公庫の金利が低いからといって、他社の借入(消費者金融などの借入)を借り換えしたいという目的では日本政策金融公庫から融資を受けることはできませんので、お気を付けください。
2.融資審査では今後の見通しも重要!
融資を受ける際には売上の見通しについても確認されます。売上の見通しとしては受注書、請求書、発注書などを準備しましょう。口でいくらこれだけの売上が見込まれますと説明しても、金融機関としてはなかなか信じることができません。
他にもプラス材料はできるだけ見せましょう。例えば新しい取引先との契約ができている場合にはその契約書、メディアなどで取り上げられたことがあればそれが確認できるものなどです。
また申込金額よりも減額されて、思った金額に届かない金額で融資が決まる場合もあります。そういった場合でもその融資を断るのではなく、借りることをおすすめします。理由としては返済実績を作ることで、今後追加で融資を借りたいと思ったときにその時に借りやすくなるためです。初回の取組が最も重要であり、2回目以降はきちんと期日に返済していることと確定申告(決算)の状況にもよりますが、比較的借りやすい状況となります。
また日本政策金融公庫から借りることができたら、他の金融機関でも借入することができる可能性があります。そこで、足りなかった金額を調達できる場合もあります。
まとめ
融資を希望される方の状況はそれぞれ異なります。そのため、このケースではどうなんだろうと思っている方もいらっしゃると思いますので、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/
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