600万円の融資希望が否決になってしまった方の受付対応事例

【600万円の融資希望が否決になってしまった方の事例】受付対応編 更新日:2019.09.13 公開日:2018.05.02起業後の資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
日本政策金融公庫 融資 失敗 事例

融資の失敗事例から学ぶ資金調達のキホン

今回は成功事例ではなく、融資が失敗に終わってしまった方の事例のご紹介です。

融資アドバイザーとしても準備はしっかりしましたが、一体何が審査上ダメだったのか、本人からの感想も交えてご紹介です。

プライバシーの関係上、店舗で扱う商材や地域、お名前など仮のもので記載させていただきます。

あらかじめご了承ください。

 

■融資希望詳細は? 

Sさんは、JR高円寺駅でお好み焼き屋のチェーン店の店長をしていました。(仮)

高円寺駅でも有名な店舗でしたが店長のSさんは雇われ店長で、5年間その店舗の採用から、仕入、シフト、集客など、一通り仕切っていました。 

しかし、今年になり、本社の事業計画が変更になり、黒字のお店も、小規模店舗は撤退するということで決まってしまいました。

高円寺のお店は座席数が9席ほどの店舗で、やはり本部としては高円寺店も撤退の対象でした。 

売上は非常に好調な店舗だった為、Sさんは考え、本社と掛け合うことにしたそうです。

「撤退するのであれば自分がオーナー店長として、この店舗で継続したい」そう伝えたそうです。

通常であれば、許されなかった話だったかもしれないですが、役員からも非常に気に入ってもらっており、よく飲みにいくこともあったそうで、資金が調達できるのであれば譲渡するという形で譲り受ける事がきまりました。

前置きが長くなりましたが、本人の事業全体として800万円必要でした。

その内、自己資金、200万円、融資希望600万円。

600万円を日本政策金融公庫から借りるためにご相談でした。

 

■売上が立っていた店舗の証明 

そこで、融資アドバイザーとしても準備をしていく必要があったので、まず、現店舗の売上がどの程度なのか、現本社に、提出させていただけるのかを確認していただきました。

結果、数字は出してもいいということで許可もいただき、店舗の売上を資料としてまとめることが出来ました。

また、Sさんは今まで5年間の経験で、深夜の時間帯は売上が伸び悩んでいることが分かっていたので、深夜営業は廃止し、昼と夜の営業のみに絞って運営する計画に変更しました。

従業員については、今まで会社の方針で2名体制だったものを自分1人で出来るものの選択と、深夜の負担がなくなったことから、金曜・土日以外は一人で切り盛りする計画にしました。

 計画はばっちりです。融資アドバイザーとしても、過去の経験から考えると資料上のミスはないです。

では何が問題だったのでしょう。

もう少し話を進めていこうと思います。

 

■自己資金の準備が足りない?

自己資金は200万円です。

Sさんは、本社から突然、降ってきたラッキーな事業譲渡の話で準備不足を感じていました。

ご本人は自己資金が足りない点を懸念していました。

たしかにそういう点からすると評価されにくいこともあるのですが、融資アドバイザーとしては自己資金が足りなくて厳しいという判断だけで落ちることは無いだろうと考えていました。

 

理由としては、過去の実績が実数で確認が取れる店舗でかつ、Sさんに会いに来る常連もいる、そしてなにより、本社からのバックアップもあり仕入もそのまま使わせてもらえるという状況だったので、可能性は高いと思っていました。

しかし、否決でした。

何が原因だったのか、もう少しお待ちください。

 

 

■否決だった2つの理由について~自己資金~ 

あれ?

ついさっき融資アドバイザーとしては、自己資金問題ないって言ってなかった?と思った方、鋭いです。

 

今回、おそらく否決理由の一因になったのは入出金の履歴です。

海外の友人への送金や、海外で生活する義理の母への送金履歴がありました。

 

面談時には日本政策金融公庫の担当者には理由を伝えていましたが、頻繁に送金が行われており、信頼に欠けるという判断になっていた可能性が高いです。

Sさんからも後日、その点を再度電話で聞かれたという共有を受けており、相手が親族の場合でも用途が不明確な入出金が続くと、懸念対象になるようです。

ご注意ください。

 

■否決だった2つの理由について~過去の債務整理?~ 

融資アドバイザーとの面談時、債務整理の件は聞いていましたので、

日本政策金融公庫にも伝えてご面談いただきました。 

ですが、支払いもしっかりしていて、問題ないとみていたのですが、直近の公共料金の支払いや、税金関連の支払いに遅延が数度見られました。

当日、持参するように言われた書類で発覚しました。

定期的に借りたものを返すことが出来るのかという判断基準として、こういった項目を持参するように言う担当もいるので、お気を付けください。

  

■まとめ

以上の2点が原因で、否決となりました。

いつかお店をもつからともっと計画的に自己資金を貯めていたら。

直近3ヶ月の公共料金の支払いをしっかりするように言っていたら。

ご家族への送金理由を明確にして、当日面談出来ていたら。

 

“たられば”は考えてもだめなのはわかっていますが、融資アドバイザーとしてもしかしたら融資成功させてあげられたのではないか、と考えさせられます。

ぜひみなさんもお気を付けください。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
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