ものづくり補助金は個人事業主におすすめ|申請手順と採択条件を解説

ものづくり補助金は個人事業主におすすめ|申請手順と採択条件を解説 助成金・補助金 – 取り組みやすい助成金
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ものづくり補助金は個人事業主も対象?

ものづくり補助金という制度に興味を持って調べてみたけれど、出てくるのは中小企業という言葉ばかり。「個人事業主は受けられないの?」と疑問に思われている方も少なくないのではないでしょうか。 そこで今回、個人事業主の方はものづくり補助金に申し込むことができるのか、ものづくり補助金の申請の手順についてお話しします。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。

主に新商品や新サービスの開発するための機材導入や開発環境の改善を目指す事業者を対象に支援を行っています。補助金というのは銀行などからの融資とは異なり、原則返済する必要がないお金であるため、スタートアップの企業や中小企業の方には嬉しい制度です。

ものづくり補助金には3種類の制度がある

ものづくり補助金を利用するときには、次の3種類の中から自身に該当するものを選びます。それぞれで申し込み要件や補助金の額に違いがあるため、詳しく見ていきましょう。

  • 一般型
  • グローバル型
  • ビジネスモデル構築型
ものづくり補助金:一般型

中小企業者や小規模事業者が対象となり、新製品や新サービスの開発を行うため、もしくは開発・サービス提供プロセスの改善のために必要な設備などを揃える際に必要となるお金を1/2、あるいは2/3の範囲で最大1,000万円まで補助してもらうことができます。ものづくり補助金のなかでもスタンダードなもので、最も多くの方が利用されているのが一般型です。

特に昨今では新型コロナウイルス感染症まん延の影響で、従来の働き方ができなくなり、中には大きく働き方の仕組みを改善しなければならなくなった方も多いでしょう。一般型の中では「低感染リスク型ビジネス枠特別枠」というコロナで設備環境の切り替えを余儀なくされた方々向けの措置もとられています。

ものづくり補助金:グローバル型

グローバル型はその名の通り、海外事業を主として事業を展開・拡大していこうとしている中小企業事業を対象に、商品・サービス開発や開発・サービス提供プロセスの改善に向けての設備投資に対する補助金を提供するものです。こちらも補助率は一般型と同じく1/2、または2/3の割合です。しかし、補助額の上限が上がり、最大で3,000万円まで補助を受けることができます。

ものづくり補助金:ビジネスモデル構築型

こちらは一般型やグローバル型とは少し毛色が異なる制度です。まず前提としてビジネスモデル構築型は、事業を展開する中小企業を直接支援することはしていません。というのも「中小企業を支援する団体ないしプロジェクトを支援する」ことを目的としているためです。つまり、ビジネスモデル構築型は、中小企業の事業支援をしようとしている方々が利用できる制度です。

ビジネスモデル構築型を利用するためには中小企業に対して「革新性」「拡張性」「持続性」を有するビジネスモデルを構築したうえで、30社以上の中小企業を支援しなければいけません。このような特徴から補助額も一般型・グローバル型よりもぐんと高くなり、最大で1億円を受給することができます。

ものづくり補助金の申請条件

さて、ここまで「ものづくり補助金は中小企業の支援が目的」と説明してきましたが、ここで気になるのが個人事業主は対象になるのか?ということですよね。

結論から言えば、個人事業主でも問題なく対象になります。ただ、申請するにはいくつかの条件があり、自身が満たしているかを確認する必要があります。

  • 申請時点で創業している
  • 資本金・従業員数のいずれかが一定数以下である
  • 賃金を引き上げることを従業員に宣言している

条件1:申請時点で創業している

ものづくり補助金はすでに展開している事業を発展・あるいは改善させるために設備投資を行う際に利用するものです。

必然的に創業をしていることが申請できる条件です。このとき、個人事業主の方は開業届をきちんと提出できているかどうかを確かめるようにしてください。というのは申請書類に「開業日」と「法人番号」の記載をしなければならないからです。これは開業届を提出していないと記載できません。特にフリーランスの方などで、開業届を提出しないまま事業を行っていたりするケースがあると思いますので、ご注意ください。

また、創業に当たって設備を揃えなければならない等の理由で、ものづくり補助金の利用を考えていた方は、創業融資などの制度の利用を考慮してしみてください。

創業融資に関しては、当社株式会社SoLabo(ソラボ)は3,700件以上の融資支援実績がありますので、ご質問やご不明点があればお気軽に問い合わせください。

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条件2:資本金・従業員数のいずれかが一定数以下である

ものづくり補助金の対象は中小企業や個人事業主とされていますが、これには明確な基準があります。

申請する際は自身の会社の規模が要件を満たしているかどうか、確認するようにしましょう。

業種

資本金

従業員数

製造業、建設業、運輸業

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

サービス業

5,000万円以下

100人以下

小売業

5,000万円以下

50人以下

ゴム製品製造業

3億円以下

900人以下

ソフトウェア業又は情報処理サービス業

3億円以下

300人以下

旅館業

5,000万円以下

200人以下

その他の業種(上記以外)

3億円以下

300人以下

条件3:賃金を引き上げることを従業員に宣言している

ものづくり補助金を申請する際には次の3つの項目を実行することを明言していなければいけません。

  1. 役員従業員への給料支給額を年間で1.5%引き上げ
  2. 最低賃金を地域別最低賃金から30円以上アップする
  3. 付加価値を年間で3%以上増加させる

ただ個人事業主の方は、社員がいないというようなこともあるかと思います。そのときは従業員を雇い入れた際に上記3つの条件を満たすことを明記しておけば問題ありません。

ものづくり補助金は個人事業主でも活用できるか

個人事業主の方はものづくり補助金を受けづらいという話を耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。確かに一時期ものづくり補助金は中小企業と比べると、個人事業主の採択率は低くなっていると言われていました。

というのも補助金を支給する立場としては、お金をきちんと有効活用してくれるところに渡したいと思うのが普通で、設備投資のためのお金をきちんと運用できるだけの技術力や技能が会社に備わっているのか、革新的な取り組みを行えているかなどの面が重視されるとされていたからです。そうなってくると資金面でも人手面でも余力がある中小企業が採択されやすいというのは納得のできる話ですよね。

 

引用:ものづくり補助金総合サイト|データポータル

しかし上図を見ていただければわかるように、0~5人の小規模事業者の採択率と20人や50人規模の事業者の採択率の間に、極端な差はなく、小規模事業者でも十分に採択されていることが分かります。

昔はともかく、少なくともされているので、「個人事業主だから無理」と諦めずにチャレンジしてみてください。

個人事業主で採択される人たちはどんなことをやっている?

まず、個人事業主として多く目につくのは個人で開業されているお医者さんや動物病院の先生です。彼らはこれまでその地域では受けられなかった高度な医療サービスを提供や、新施術方式の開発などを事業計画として掲げています。

そのほかの個人事業主としては最新籾擦りライン導入とICT活用による作業効率向上や特殊な技術を使ったデザイン畳の開発などを掲げている方々もいます。ものづくり補助金で採択されるためには、公共性や本当に補助金を受けてまでやる必要がある変革なのかどうかを精査するようにしましょう。本当に必要だと判断されれば、採択される可能性が高くなるはずです。

ものづくり補助金のメリットとデメリット

ものづくり補助金の3つのメリット

ものづくり補助金は設備投資をしようとしている中小企業や個人事業主にとっては非常に魅力的で、是非とも活用したい制度です。またお金が得られるという以外にも3つのメリットがあります。

  • 自社の計画が明確化できる
  • 金融機関から融資を受ける際に有利になる
  • 令和2年度から申請手続きが簡略化された
メリット1:自社の計画が明確化できる

補助金は事業への交付が決まった時点で、事業を遂行する義務が発生します。そのため、ものづくり補助金に採択されるためには、自信のやりたい事業計画を、きちんと相手に理解してもらえるように説明し、実効性があることを証明しなければいけません。

漠然と「○○をやりたい!」とイメージしていたのがものづくり補助金へ応募するきっかけでも構いません。実際に応募するまでの間にどのような計画で事業を実行していくのかを練り込んでいく作業が必要になるので、曖昧さは消え、自信の構想する事業計画が明確化されていきます。

メリット2:金融機関から融資を受ける際に有利になる

銀行やそのほかの金融機関から事業を進めるために融資を受ける際には、どのような事業で将来的にどういう目標を持っているのかをチェックされます。

ものづくり補助金に採択されていれば、その時点である程度の将来性があると判断されていると言えるので、金融機関に対する印象もアップするでしょう。

メリット3:令和2年度から申請手続きが簡略化された

以前までのものづくり補助金においては、申請に当たって認定支援機関(公認会計士や中小企業診断士、金融機関などの専門家)に「認定支援機関確認書」という書類を作成してもらうことが必須で、外部のアドバイスを聞く機会が多くありました。

しかし令和2年度からその仕組みが改正され、「認定支援機関確認書」の提出は不要となり、申請へのハードルが下がりました。

ものづくり補助金のデメリット

ものづくり補助金には様々な副次的なメリットがありますが、一方で頭の片隅に置いておいた方がいい注意点もあります。

  • 最初は設備資金を全額自腹で用意する必要がある
  • ものづくり補助金受給後は調査協力を義務づけられている
  • 申請するには手間がかかる
デメリット1:最初は設備資金を全額自腹で購入する必要がある

ものづくり補助金に限らず、補助金の大部分は原則後払いで、実際にお金が入金されるのは設備を実際に購入してからです。

例えば、1,500万円の設備機材を購入する目的で、ものづくり補助金を申請し、無事採択されたとき、「自腹で1,500万円支払い、設備機材を調達→後日1,000万円が交付される」という流れになります。

補助金ありきで500万円しか用意がないと、そもそも設備機材を購入することもできないので注意が必要です。

デメリット2:ものづくり補助金受給後は調査協力を義務づけられている

ものづくり補助金の交付を受けた中小企業や個人事業主は、約5年間にわたって事業状況や収益状況を事務局に報告することが義務づけられています。また、この間に一定額の収益が発生すると、収益返納を求められます。

ただし、給料支給額を年率3%以上アップさせていたり、最低賃金を地域最低賃金と比べて90円以上の水準を保っているなど、公共性に大きく貢献していると判断されれば収益返納に関しては免除されます。

補助金受給後、出費を抑えたいと思われるのであれば、事業だけでなく公共への貢献も積極的に行うようにしましょう。

デメリット3:申請するには手間がかかる

ものづくり補助金の申請をするためには様々な書類を用意しなければなりません。特に事業計画を詰めていく作業は一朝一夕に行く作業ではないでしょう。また、上記のように受給後も事務局と連絡を取ることも少なくない負担となるでしょう。

なかには書類作成をするために専門家に依頼するケースもあり、その場合は費用もかかるため補助金を受ける際はどの段階でどのくらいの費用がかかるのか留意するようにしましょう。

ものづくり補助金の申し込みに必要な準備と申し込みの流れ

ものづくり補助金の申請は電子申請で行わなければなりません。まずは電子申請の流れを見ていきましょう。

ものづくり補助金の電子申請の流れ

  1. GビズIDプライムアカウントを取得する
  2. 申請に必要な書類を用意する
  3. 入力フォームに必要事項を入力後、書類を添付し送信する
ステップ1:GビズIDプライムアカウントを取得する

「GビズIDプライムアカウント」はものづくり補助金を申請するために切符のようなものです。GビズIDとは1つのIDとパスワードで行政の手続き・申請に係る作業をすべて行えるようにするシステムのことです。ここでIDとパスワードを取得することで、ものづくり補助金の電子申請を行うことができるようになります。

取得方法はシンプルで、GビズIDの公式ホームページから「GビズIDプライム作成」というボタンをクリックし、表示される入力画面に従って操作をしていくだけです。

GビズIDの取得には作成した申請書をもとに審査を受けなくてはならないのですが、現在、新型コロナウイルス感染症まん延の影響で申請が殺到しているようです。そのため審査に3週間以上を要しているようなので、GビズIDに関する手続きは早め早めに行っておくことをおすすめします。

ステップ2:申請に必要な書類を用意する

ものづくり補助金を申請するために用意すべき書類は主に4つです。

①創業計画書

創業計画書には具体的な取り組み内容や将来的な数値目標などを記載します。

②賃金引上げ計画の表明書

現行の最低賃金と給与支給総額を記載し、それを引き上げることに従業員が合意していることがわかる書面を作成します。

③決算書等

直近2年間の貸借対照表・損益計算書などを用意します。

④その他加点に必要な資料

①~③の必須書類のほかに、開業届や経営革新計画承認書などの書類を添付すると、採択審査の過程で加点されるケースがあります。

ステップ3:入力フォームに必要事項を入力後、書類を添付し送信する

ものづくり補助金の応募フォームには応募者の概要として企業の詳細情報や売上高や当期利益などの経営状況、事業内容などを画面に表示された通りに入力していきます。

そしてステップ2で作成した書類を添付し、送信すれば申請受付は完了です。

ものづくり補助金に採択されるためのコツ

ものづくり補助金は一般にハードルが高いと言われています。補助額も1.000万円や2,000万円と規模が大きいため、しっかりと事業計画を立て、補助金を受給した後もきちんと事業運営していけるかどうかを厳しく審査されるためです。そこでものづくり補助金に採択されるためには次の点に気をつけるようにしてみてください。

  • 事業計画を綿密に立てる
  • 加点項目はできるだけ網羅する
  • 1度棄却されても諦めない。次回の審査に応募することもできる

コツ1:事業計画を綿密に立てる

ものづくり補助金の審査では主に「技術面」「事業化面」「政策面」の3つの要素を重点的に見られます。

・技術面

技術面では取り組み内容の革新性や抱えている問題やそれを解決されるための手法などを明記し、記載している内容を実行に移せるだけの技術力やノウハウがあることをアピールするようにしましょう。

・事業化面

計画しているサービスや商品が市場のニーズにマッチしているのかや計画した事業を実施まで持っていく体制、事業としてスタートさせるまでのスケジュールに無理がないことを記載します。

・政策面

地域へどのような貢献が可能か、成長する可能性のある潜在的なサービスを提供することができるかなどを記載します。

 審査に通過するためにはやはり担当者の印象はよくしておきたいと思うのが人情で、記載内容は耳障りのいい文言や数値を選びがちです。しかし、「本来5人の人手が必要だけど1人でできます!」と主張されても信じられませんよね。あまりに実現性がない内容だと、担当者を「謀ろう」としていると思われ、逆にマイナスになってしまいます。

大切なのは実際にその事業計画通りに事業を運営することが可能だと証明できる事業計画を立てることです。

コツ2:加点項目はできるだけ網羅する

ものづくり補助金の審査では「加点項目」というものが設定されています。この加点項目を満たすことは大変重要です。

メインで審査されるのは事業計画書などですが、創業計画書でマイナス点があった場合、加点項目で補うことができるかもしれないからです。ライバルが大勢いるものづくり補助金ではわずかな手間暇の差で、採択の可否が決まってしまうかもしれないので、小さな積み重ねを大切にしましょう。

加点項目となる例としては「経営革新計画の承認を取得している」「創業・第二創業後5年以内の事業者」などが挙げられます。

コツ3:1度棄却されても諦めない。次回の審査に応募することもできる

ものづくり補助金の公募は通年で行われており、令和3年度を例にすると応募期間を約2か月、審査期間を約1か月とし、6月・9月・12月・3月の四半期ごとに採択発表が行われます。

もし、6月の発表で落ちてしまったとしても、次の9月や12月の公募に応募することができるので、1度落ちただけで諦める必要はありません。落ちてしまったからには必ず理由があるはずです。事業計画に無理はなかったか、加点項目を得られる余地はほかにもないかなど見直したうえで、再チャレンジしてみてください。

まとめ

ものづくり補助金は中小企業だけでなく、個人事業主の方でも利用することができます。例え個人事業主の方であったとしても事業計画などがきちんとしていればきちんと採択されるので安心してください。

ものづくり補助金は一般型であれば1,000万円、グローバル型であれば2,000万円まで受けることができるため、設備機材を揃えたい個人事業主の方は是非挑戦してみてください!

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
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