【東京】ボランティア休暇制度整備助成金で一人当たり年間3日のスポーツ休暇を!
先日、2歳の男の子が迷子から遭難になったニュースがありました。男の子を救出したのは地元警察ではなく他県から自費でやってきたボランティア男性で、このことが世間を多いに(なんて良い人間なのだ!)と賑わせました。
改めて、本当にボランティアって良いものです。今回の記事では、社内でボランティア休暇を取得する試みを実践した企業等がもらえる助成金についてご紹介します。
1.東京オリンピックが発端
東京都ではご存知の通り、2020年に東京オリンピックが開催されます。この時期、世界各国から2020年の夏に東京オリンピック目当ての外国人観光客が訪れます。東京を訪れる外国人を万全の体制で「お・も・て・な・し」するために、東京オリンピック・パラリンピック協議大会組織委員会ではボランティアを8万人規模で募集しています。
この東京オリンピックのボランティア活動に関連して生まれた助成金です。東京オリンピックでボランティアをしたいのに仕事があるから休めない!こんなジレンマをなくすため、この助成金が生まれました。
ちなみに、東京オリンピックのボランティアは活動目安が10日間で1日の稼働時間は8時間となっています。3日間をこの助成金で従業員に休ませたとしても、あと7日間の休暇がないと東京オリンピックのボランティアにはなれない計算になりますね..!
2.いくらもらえるの?
1事業所が1回の申請につきもらえる金額が定額で20万円です。従業員数が少ない小規模事業者や家族経営でももらえる助成金です。この金額は非常に魅力的ですよね。
また、お金だけのメリットではなく企業イメージも良くなりますし、働く従業員のモチベーションアップにも効果的です。
3.どんなことをしたら助成金がもらえるの?
ボランティア休暇制度整備助成金では、まず事前エントリーをする必要があります。事前エントリーは以下のURLの「事前エントリーはこちら」という水色のボタンからできます。
※上記URLをクリックすると、東京都のTOKYOはららくネットにリンクします
事前エントリーの審査を通過したら、ボランティア休暇制度整備事業を始めて行うことが許可されます。実施期間の2か月以内に以下3つの取り組みを事業所が行う必要があります。
(1)プロジェクトチームを作る
都内で勤務する従業員(正社員)1人以上を含む2名以上のプロジェクトチームを社内に作り、ボランティア休暇制度の内容やボランティア活動推進に向けた独自の取り組みを検討します。正社員は一名いれば、残りのメンバーはアルバイトでも大丈夫です。
(2)ボランティア休暇制度を整備する
ボランティア休暇制度の内容を決めたら、その内容を就業規則に盛り込みます。就業規則を変更するということですね。就業規則は勝手に変えてはいけないので、変更後は管轄の労働基準監督署へ変更日の記載とともに届け出る必要があります。
この締め切りですが、ボランティア休暇制度整備事業(2か月間)の最終日の翌月1日までには届け出なくてはいけません。
(3)社内周知する
一部の役員だけで勝手に行うのはNGです。このボランティア休暇制度整備事業をスタートすることを、社内の掲示板やイントラネットなどに掲載して告知します。説明会を開催するのでもよいですが、欠席者がいた場合は必ずその方にももれなくボランティア休暇制度について知らせるようにします。
4. 対象事業者は?
対象事業者は以下の条件をみたす東京で事業を営む企業等です。複数支店を持つ場合は、本店が東京に登記されている必要があります。なお、個人事業主でも開業届を出していれば対象です。
- 都内に勤務する常時雇用する労働者(都内勤務であること)を2名以上、かつ、6か月以上継続雇用していること
- 就業規則を作成して労働基準監督署に届出を行っていること
- 就業規則やその他規程で、ボランティア休暇について明文化されていないこと
- 東京都のホームページへの企業名等の公表に同意すること
- 過去5年間に重大な法令違反がないこと
この条件を満たす事業所はたくさんあるのではないでしょうか?これに付け加え、以下の条件も満たす必要があります。
- 申請日を起点として過去6か月の時間外労働の平均が付き80時間を超える従業員がいないこと
- 都税の未納がないこと
- 風俗や暴力団関係者がいないこと
- 賃金が最低賃金を上回っていること
- 時間外労働の場合は法定の残業費を支払っていること
要は、ブラック企業ではないこと、ということでしょうか。残業80時間超え企業は都内にたくさんありそうが、これを機に見直されると良いですね。
これらの条件をクリアする企業でも、「20万円もらえるし、このお金で従業員を休ませてどっかに行くか~!」という考えはNGです。あくまで、スポーツ大会等が目的のボランティアのための休暇取得が主体の助成金となっています。
5.いつからいつまでの募集?
ボランティア休暇制度整備助成金の募集開始は2018年5月21日からです。いつまでの募集なのかは明記されていませんが、この助成金は通常の助成金と違い、事前エントリーが必要です。
【事前エントリー受付日】
事前エントリー受付日 | 事業実施期間(2か月) | 予定者数 | |
第一回
⇒終了 |
平成30年5月21日(月) | 平成30年7月1日~8月31日 | 90社 |
第二回
⇒終了 |
平成30年6月20日(水) | 平成30年8月1日~9月30日 | 90社 |
第三回
⇒終了 |
平成30年7月20日(金) | 平成30年9月1日~10月31日 | 90社 |
第四回 | 平成30年8月20日(月) | 平成30年10月1日~11月30日 | 90社 |
第五回 | 平成30年9月20日(木) | 平成30年11月1日~12月31日 | 90社 |
第六回 | 平成30年10月19日(金) | 平成30年12月1日~平成31年
1月31日 |
50社 |
「あれ?押せないんだけど!」と事前エントリーボタンをクリックできないという方は、事前エントリー受付日ではない日にポチッ!としている可能性があります。既に第三回までは事前エントリーは終了していますので、この後助成金を狙う方は第四回以降にチャレンジしてください。
予定者数は500社で、予定者数を満たせば募集は打ち切りになる可能性があります。
6.申請の流れ
ボランティア休暇制度整備助成金が欲しい企業は、以下の流れで申請します。
事前エントリー・・・1回目の審査
↓
事前エントリー結果通知
↓
事業計画書件交付申請書提出
↓
現地調査(任意)・審査・・・・・・2回目の審査
↓
交付決定通知
↓
事業所がボランティア休暇制度整備事業をスタート!
↓
実績報告書提出
↓
現地調査(任意)・審査と額の決定通知・・・・・・3回目の審査
↓
助成金の振り込み
全部で3回の審査を経て、晴れて助成金がもらえます。おめでとうございます!しかし、こちらの助成金は他の助成金より書類の難易度は低くなっています。落ち着いて以下の要綱もしっかりと確認しましょう。申請書のフォーマットもついています。
※上記URLをクリックすると、東京都ボランティア休暇制度整備助成金申請の手引きにリンクします
まとめ
東京の企業や個人事業主が「スポーツ大会のボランティアを」従業員にさせる名目で休暇を与えるともらえる助成金をご紹介しました。就業規則を変更する必要がありますが、その他は比較的楽しんで取り組める内容となっているのではないでしょうか。
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