エンジェル投資家から出資を受けたい!
起業家による資金調達の面で、利用される方法の一つとしてエンジェル投資家から出資を受けるという方法があります。 金融機関からの融資がなかなか受けられない起業家にとっては、有難いエンジェル投資家の存在ですが、どのようにしてエンジェル投資家を探したらいいのか、お困りの方も多いのではないでしょうか? 今回は、起業家は是非知っておいてほしい、エンジェル投資家の探し方について解説していきます。
1.エンジェル投資家って?
エンジェル投資家の事を一言でご説明すると、起業したての経営者(企業)に対して、出資を行っている個人投資家の事を指します。
海外ではエンジェル投資家は、資金調達方法の一つとして身近なものとされています。
エンジェル投資家の特徴として、以下のようなことが挙げられます。
2.出資と融資の違いって?
エンジェル投資家からの出資と金融機関からの融資で大きく異なる点は、返済の義務があるのか、という事です。
金融機関からの融資では、返済の義務があるうえに、返済額に加えて利子も支払わなければならず、返済面で行き詰ってしまう起業家も沢山います。
その反面、エンジェル投資家からの出資では返済の義務はありません。
これを聞くと全ての人が、エンジェル投資家からの出資を望むものですが、エンジェル投資家の中には、株式会社が所持している所有権を譲るように求めてくる投資家や経営に対して過度に口を出してくる投資家も存在します。
返済の義務が無いのは、大きなメリットとなりますが、利用する際には、デメリット面も考えたうえで検討するようにしましょう。
3.エンジェル投資家の探し方って?
ここで今回の一番の目的でもある「エンジェル投資家の探し方」についてですが、普通に生活をしていて出会う事は厳しいでしょう。
利用している人は、どのような方法で探し、利用しているのか、ご紹介していきます。
(1)マッチングサイトを利用する
これは、WEBを使用して投資家を探す方法です。
WEBを通してエンジェル投資家を探せるサービスを行っている会社も多く、WEBを使用することで、相手の情報を素早く知ることができ、自分の空いた時間に利用することができるため、効率がよいでしょう。
サイトの利用は、無料のものから、月額10,000円近いものまで存在し、月額料金が上がれば上がるほどマッチングできる投資家の数が増える仕組みになっています。
サイト側が手伝ってくれるのは、あくまで投資家を紹介することまでで、投資家へのプレゼンや事業への想いを伝え、出資に繋げるかどうかは、経営者の腕にかかっています。
(2)クラウドファンディング
これもWEBを使用する方法ですが、マッチングサイトとは異なり、クラウドファンディングのサイト上で、自分の計画を発表し、その計画を見たユーザー(支援者)が資金面で支援をしていく形になります。
企画者は、自分の計画に必要な資金を設定し、WEB上でプレゼンを披露します。
必要な資金に達成しなかった場合には、また一から考え直し、という事になってしまいますが、資金が集まった段階で、計画に取り掛かることができるため少ないリスクで始めることができます。
資金支援といっても、大きな資金を調達することは難しく、だいたい100~1,000万円以下での資金調達が可能です。
(3)社会人塾への入学
これは、起業家自らがビジネスを学べる場に足を踏み入れ、そこの講師であったり受講生を通じて紹介してもらう方法です。
「大人になって塾なんて馬鹿馬鹿しい」なんて思っていませんか?
確かに「塾」と聞くと、一歩引いてしまいがちかもしれませんが、社会人塾には多くのチャンスや情報を転がっているため、聞き流すのはもったいないでしょう。
講師陣には多くの人脈があり、投資家の1人や2人は知っているはずです。
また、受けに来ている受講生の中にも、多くの情報を持っている者、同じ悩みを抱えている者など、色々な出会いがあるため、自分にはなかった新しい道を切り開くことへも繋がります。
社会人塾の中でも特に、現役で経営を行っている人、これから起業を目指す人をターゲットとした社会人塾の利用を検討してみてください。
(4)ピッチコンテストの参加
ピッチコンテストというのは、起業したばかりのスタートアップ企業を対象に行っているプレゼンテーション大会の事を言います。
このコンテストの審査員が「投資家・著名人・ベンチャーキャピタル等」といった方々の為、直接、経営者としての想いや事業に対する想いを伝えることができ、投資家からの出資を狙う起業家にとっては絶好の場になる可能性があります。
また、受賞したあかつきには、「投資家とのマッチング」という支援プログラムがあるため、コンテストへは積極的に参加すると良いでしょう。
(5)交流会やイベントへの参加
この交流会やイベントに参加する人の中には、事業計画の必要性や斬新さを正しく評価してくれる人が多く存在します。業種別の専門的交流会になると特にです。
また、このような会を主催しているのが、「自治体・企業支援団体・企業」などになるため、多くの人が訪れ、大きな出会いを得ることができます。
4.出資を受ける際の注意点って?
最後に、出資を受ける際の注意点も覚えておきましょう。
「目次2」の中でも少しお話ししましたが、まず一に「自由な経営ができなくなる」という事です。
投資家が出資を行うのは、将来発展していくであろう企業に対しての出資です。
出資をしているからには、企業の発展は投資家の夢でもあります。
その為、経営に関わるアドバイスにも熱が入るのは仕方のないことです。
投資家と嫌な関係にならないためにも、上手く付き合っていくことが大切です。
次に、当然の事ではありますが、「出資金はお小遣いではない」という事です。
出資をしてもらい、手元に資金が回ってきたからといって、プライベートや仕事とは関係のないことに使うという事は無いようにしましょう。
出資の前に「資金調達の目的」「今後の事業計画」については、投資家と細かく話し合うことになりますが、しっかり起業家としての想いや、計画を伝えたうえで、お互いが納得のする契約を結びましょう。
そして、最も気を付けてほしいことが「詐欺や事件に気を付ける」という事です。
残念ですが、近年では、投資に関する詐欺や事件が多く、それに対する日本の法の整備も完璧ではないというのが現状です。
特にマッチングサイトを利用する場合は、WEB上での情報のみしか知ることができないため、相手がどんな人物でどんな取引をするのか、お互いに分からない事でもあります。
実際に取引をする場合には、すぐに決めるのではなく、お互いの事を良く知ったうえで取引を行うようにしましょう。
まとめ
起業家にとって、頭を抱える点でもある資金調達ですが、金融機関の融資が通らないからといって、気分を落とすのではなく、エンジェル投資家による出資もあるという事を覚えておきましょう。
海外に比べたら身近なものではありませんが、今後日本でもエンジェル投資家がメジャーとなり、身近なものとなってくるでしょう。
返済をしなくてよいというメリットがある反面、利用の際には、自由な経営が行えないというデメリット面も考えることが必要です。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
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