国金の審査で自己資金は現金でなく通帳記入されていないとダメな理由

国金の審査で自己資金は現金は×。通帳記入が重要な理由 起業のための資金調達 – 日本政策金融公庫からの融資
自己資金 通帳記入

日本政策金融公庫の融資で自己資金が必要ですが、お金があればいいというものでもありません。

日本政策金融公庫(=国金)では審査において借入申込書や創業計画書を提出しますが、その前の自己資金の点で多くの個人事業主の方は引っかかっています。それはなぜでしょうか?

1.自己資金って何?なぜ融資の審査で自己資金が必要なの?

自己資金とはあなたがお持ちの余剰資金です。例えば、一番わかりやすいのは銀行や郵便局に預けている預貯金です。今週、今月、すぐに使う予定のないものは預貯金なので、日本政策金融公庫の融資で「自己資金」として認められます。

 他には、解約返戻金のあるタイプの保険が自己資金に当たります。また、妻や夫(配偶者)の預貯金も自己資金として認められていますあなたの手元にある程度まとまった現金があれば、融資の返済で滞っても貸す側の金融機関としては安心です

 この自己資金ですが、単純に「自己資金がない」という理由で融資の審査に引っかかる方ももちろん多いのですが、なんと、「自己資金はあるのに通帳記入が確認できないから」審査に通らないという方もいらっしゃるのです。不思議ですよね。

 2.「お金は持っている」けど、現金で持っているのはNG

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現金至上主義という言葉があります。クレジットカードは借金だから格好悪い。手元に現金があるのが一番いい、という考え方です。この考え方は、世界の中ではアジア人、取り分け日本人の中で広く普及しているようです。

 しかし、日本政策金融公庫の融資の審査の場合は以下のようなやり取りをすると審査でNGになります。

  •  融資担当者:「自己資金はお持ちですか?」
  • あなた:「はい。現金で800万円あります」
  • 融資担当者:「現金、、ですか、、。それを、あなたの銀行口座に入れて通帳記入することは可能ですか?」
  • あなた:「イヤです。手元に置いておきたいです。」

 こんな人、本当にいるの?と思われるかもしれませんが、本当です。私どもへご相談として頂くお電話の数%の確率で、「お金はあるのに貯金箱に入っている」「現金のまま持っていたい」という方がいらっしゃるのです。理由としては、八百屋さんなどで現金での受け渡しや支払いが多く、いちいち銀行に預けに行くのが面倒だという方が多いようです。

 3.通帳記入がなぜ日本政策金融公庫の審査で大切なのか?

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 通帳記入がされている自己資金は、お金の流れが明確です。日本政策金融公庫が自己資金の有無を審査の基準の一つとしている理由は、返済能力があるかだけではなく、計画性があるかをみるためです。

 そのため、例えば300万円の自己資金がある場合でもいきなり通帳に「〇月〇日 〇〇 3,000,000 振込」と明細がある場合よりも、1~3年以上かけて5万円ずつくらい積み立てられて増えた預貯金の方が信頼性はり、審査で高評価となります。

また、収支のバランスを見て経営能力をみる目的もあります。面倒ですが、お近くの銀行で通帳を作っておきましょう。出し入れは近所のコンビニの手数料無料の時間帯にすればムダなお金はかかりません。

 まとめ

現金至上主義の傾向は男女差や地域でも差があるようです。電子マネーが比較的普及している東京・千葉・神奈川でも現金至上主義は少なく、女性よりも男性の方が「自分は現金至上主義ではない」と考える人が多い傾向にあります。

いずれにしても、日本政策金融公庫の融資の際には通帳記入が非常に重要。面倒でも、毎月得た現金や支払いは通帳記入を経て履歴を明らかにすることが重要です。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。