日本政策金融公庫が融資する平均的な金額と支店決裁権とは

日本政策金融公庫が融資する平均的な金額と支店決裁権とは 起業のための資金調達 – 日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫 融資 額

日本政策金融公庫は年間で40,000件もの事業融資を行う公的金融機関です。日本政策金融公庫は銀行のように消費者が預け入れをするための金融機関ではなく、銀行がお金を貸してくれない事業主に対して、積極的に融資を行っています。

これから日本政策金融公庫で融資を受けたい方の中には、「日本政策金融公庫は一体いくらぐらいの金額を貸してくれるのだろうか」と気にされる方も多いことでしょう。

実は、日本政策金融公庫は税金で運営されている公的金融機関ですので、融資に関するデータ(融資先件数、使途内訳など)を公式ホームページで公開しています。

今回の記事では、日本政策金融公庫の公式ページに公開されているデータやグラフを参照しながら、ひとりあたりの1件の平均融資額、融資額の決定に関連する「支店決裁権」の2つを中心にお話していきたいと思います。

1. まずは日本政策金融公庫の融資の金利を確認しよう

日本政策金融公庫では農業、漁業からIT関連の事業まで幅広く融資をしています。また、災害にあわれた地域での事業や海外展開するためなど特殊な融資も行っています。

あなたがこれから融資を受けるための事業が飲食業・美容業・小売業・整骨院・クリーニング店などの一般事業なのであれば、現在の金利は以下の数字となります。

【これから始める事業または始めて2期以内の事業の場合】※令和元年12月2日現在

プラン名(制度名)

新創業融資制度

担保なしの場合

基準利率:2.16~2.45%

特別利率:1.76~2.05%

特別利率B:1.51~1.80%

特別利率C:1.26~1.55%

特別利率E:0.76~1.05%

特別利率J:1.11~1.40%

特別利率N:1.86~1.88%

特別利率P:1.96~2.15%

特別利率R:1.96~1.98%

特別利率U:1.66~1.68%

新創業融資制度の場合

(これから創業または創業後2期以内)

※担保なしの金利より+0.4%

基準利率:2.56~2.85%

特別利率A:2.16~2.45%

特別利率B:1.91~2.20%

特別利率C:1.66~1.95%

特別利率E:1.16~1.45%

特別利率J:1.51~1.80%

特別利率P:2.36~2.55%

中小企業経営力強化資金

(認定支援機関を通じた申込みの場合)

特別利率S:2.26~2.45%

小規模事業者経営改善資金(マル系融資)

または生活衛生改善貸付

※商工会議所の推薦または生活衛生同業組合等の蝶の推薦を受けた方

特別利率F:1.21%

いずれも基準金利は2%~1%と非常に低い金利となっています。これから創業される方は「新創業融資制度」を利用される方が多いと思いますが、認定支援機関という経済産業省の認定を受けた税理士などを経由すれば「中小企業経営力強化資金」を使って基準金利を0.3%ほど下げることができます。(※その代わり、認定支援機関の利用は有料です)

2. 日本政策金融公庫で融資を受ける場合のひとりあたりの平均融資額

①一般貸付の平均融資額は907万円

日本政策金融公庫の公式ページの融資の状況というページを参照すると、平成30年度に日本政策金融公庫は99,450件9020億円の一般貸付(事業融資)を行っています。

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【出典: 日本政策金融公庫の公式ページの融資の状況

 一般貸付とは、災害時や被災地支援や教育貸付やセーフティネット貸付ではなく、普通の事業融資という意味です。

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単純にこの数字で計算すると、9020億円÷99,450件=約907万円という数字が算出できました。

②日本政策金融公庫の新創業融資制度では希望融資額に対する自己資金要件1/10がある

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この数字をみると、「なんだ。1回で900万円も借りられるんだ~」と安心する方も多いかもしれません。しかし、実際はこれより低い融資額の方も高い融資額の方もいらっしゃいます。

知っておきたい事項として、日本政策金融公庫の事業融資の条件「自己資金」についてお伝えしますしょう。新創業融資制度はこれまで日本政策金融公庫でお金を借りたことがない方でも、これから創業する方でビジネスの実績がない方でも融資を受けられる制度です。

けれども、リスクヘッジとして日本政策金融公庫は新創業融資制度の概要の部分で「希望融資額の1/10以上の自己資金が必要」という自己資金要件を提示しています。

例えば、900万円の融資を受けたい場合は、最低でも1/10である90万円の現預金を持ち合わせていなくてはいけません。

③平均的なところでは300~1,000万円の間が多い

過去に1,600件以上もの融資を通してきた当サイトの経験からお伝えすると、多くの方の融資額は300万円から1,000万円の間の金額です。

しかし、この数字を通すのにも綿密なヒアリングや資料作成などを行っています。税理士やMBA資格者、元地方銀行出身者の我々のノウハウをもって初めて実現している数字です。

3.融資の希望額を通すためのポイント

①なぜその金額が必要なのかの根拠を提出する

多くの融資希望者は初めてのお電話で「いくら借りられますか?」と尋ねるものです。しかし、私たちは逆に「設備資金または運転資金でいくら必要ですか?」とお聞きします。

設備資金とは

事業に必要な機械・施設・車両・建物・土地などの購入に必要な資金のこと

運転資金とは

事業を運営するために必要な人件費・仕入れ費用・家賃などの支払いに必要な資金のこと

日本政策金融公庫の融資では、お金を貸してもらう代わりに確固たる証拠となる書類の提出が必要です。設備資金を借りたい場合は不動産の仮契約書や見積書、運転資金を借りたい場合は金額が書かれた明細書などの提出をしましょう。

②過去・いま現在行っている事業と同じ事業で開業しよう

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未経験の業種ではなかなか融資は通りづらくなっています。今のお仕事がラーメン屋なのであれば、ラーメン屋で開業する場合は融資の通る可能性は高くなります。

逆に、今のお仕事がラーメン屋だけれども美容師で開業したいなどの場合は、「あなた自身が経験を積んでから融資に申し込みしましょう」と断られるケースが多いです。

③自己資金は1円でも多く準備しよう

自己資金とは今すぐ使う予定のない預貯金のことを言います。数字としてデータを提出しますので、500円貯金などで自宅保管している方は、口座に入れて通帳記入することで自己資金としてみとめられます。

自己資金はあなたの信用や事業への計画性を証明するためにあります。自己資金が100万円以下の方は、まずは50万円を目指してアルバイトで自己資金を貯めるところからスタートしましょう。

4.日本政策金融公庫と支店の話

①日本全国に支店がある

日本政策金融公庫は国が税金で運営している政策金融機関です。そのため、区役所のように北は北海道から南は沖縄まで日本全国に所在します。

余談ですが、ファストフードの店舗のように、日本政策金融公庫の場合も支店により審査については多少の差があります。例えば、マクドナルドの場合も「池袋店はいつも混んでいる」けれども、「月島駅前店は昼間も割と空いている」などの地域差や接客の差がありますよね。

②支店ごとの融資枠である「支店決裁権」とは

日本政策金融公庫の場合も同じく金融機関ですので、「支店決裁権」というという仕組みがあります。銀行で融資を受ける際、決済権は銀行のどの担当者が持つのか、その担当者の決済価額はいくらまでなのか、と気になった経験を持つ方もいることでしょう。

支店決裁権とは、銀行など支店を持つ金融機関独自の持つ1担当者あたりの融資可能額を言います。まさに、家庭における妻または夫のどちらがサイフを管理しているのか、いくらまでなら「即OK」を出せるのかの基準のようなものです。

 例えば、〇×銀行でお金を借りたいあなたが、支店決裁権2,000万円の〇×支店でお金を借りたいとしましょう。しかし、あなたは2,500万円を借りたいとします。その場合、〇×支店での審査は残念ながら「NG」となるのです。

③日本政策金融公庫の創業融資での支店決裁権は?

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日本政策金融公庫では創業融資を積極的に推進しています。起業家の頼れるパートナーですね。

 日本政策金融公庫のホームページを見ると、創業融資制度の融資限度額は3,000万円(うち1,500万円は運転資金)となっています。しかし、これは過去に日本政策金融公庫と取引のある方向けの数字と言えます。

 過去1,600件の融資サポートの実績を持つ当サイトでは、実際の限度額はもっと低いものです。初めての創業融資を日本政策金融公庫で申し込み方であれば、その融資上限額はだいたい1,000万円前後が非常に多いパターンです。

支店決裁と本店決裁

さて、支店決裁があれば当然本店決裁もあります。支店決裁<本店決裁の方が融資限度額は高くなります。さらに、支店長よりも本店の店長の方が権限を強く持っています。

 金融機関は上下関係がまだ厳しい、昔の日本のスタイルが強い業界です。クラウドファンディングなど最近流行の資金調達法とは異なり、金融機関の融資は提出書類も多く審査期間も長いことから、非常に地に足がついた資金調達法と言えますよね。しかし、この創業融資のおかげで日本のほとんどの美容院・飲食店・整体・フィットネスなどあらゆる自営業が繁栄していきました。

5.認定支援機関を経由すると融資希望額はアップするのか?

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「1,000万円じゃどうしても足りない!1,800万円が俺にはどうしても必要なんだ!」という方は、当サイトなどの認定支援機関を経由して創業融資に申し込みする方法が一つの打開策です。

 認定支援機関とは、経済産業省から認定を受けた税理士や弁護士などを指します。現在、認定支援機関は35,780機関登録されていますが、その中で日本政策金融公庫などの創業融資支援・事業計画作成を行う機関は日本全国に30,905機関もあります。(令和元年10月11日現在)

 経営革新等支援機関認定一覧|中小企業庁

上記URLをクリックすると、中小企業庁の公式ページにリンクします

 認定支援機関に融資支援を依頼するメリットですが、以下の3つがあります。

  • 1,000万円までの融資限度額が2,000万円までにアップする
  • 認定支援機関経由が条件の「中小企業経営力強化資金」という制度を使えば、金利がさらに下がる可能性がある
  • 事業計画書・創業計画書などを代わりに作ってもらえる

但し、認定支援機関の利用は無料ではありません。面倒な書類作成や日本政策金融公庫の融資担当者との電話連絡や面談への同行(当サイト)を行ってくれ、さらに融資限度額が個人で申し込む時よりも上がる可能性があるというメリットがありますが、融資額の2%ほどの報酬手数料を払わなくてはいけません。

また、当サイトでは完全成功報酬の形態をとっていますが、着手金をとる認定支援機関もあります。事前に確認をしてから依頼しましょう。

 例えば、当サイト(※認定支援機関)へ融資サポートを依頼して200万円の融資が成功した場合、当サイト運営会社へ支払う手数料は12万円(手数料2%または12万円のいずれか高い方のところ)ですが、失敗した場合の手数料は0円です。

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 まとめ

日本政策金融公庫の融資の平均額はデータからみれば900万円ほどです。しかし、実際には個人の経験や自己資金の額をみて上下しますので、300~1,000万円のあいだぐらいです。

日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合には支店決裁権というものがあり、あなたの事業が素晴らしいもので借金を特にしていない場合でも融資希望額にどうしても満たない場合があります。

その場合、当サイトの過去事例では認定支援機関を通して融資希望額を上げる努力をする、協調融資を利用して2社以上からの融資を行う、などのアドバイスをして事業者の方の資金調達をサポートしていきます。

 

 

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。