起業時に融資を検討している人もいるでしょう。担保なし・保証人なしという条件での融資を探している人もいるはずです。
今回の記事では、無担保・無保証での融資が可能な新創業融資制度、そして中小企業経営力強化資金の2つを解説します。
1. 新創業融資制度とは?
①融資限度額は合計3,000万円で返済期間は10年以内
日本政策金融公庫で創業融資制度を使うと、設備資金・運転資金それぞれ最大1,500万円(合計で最大3,000万円)を借りることが可能です。
自宅を事務所にするなどの理由で特に設備資金が不要の場合は、運転資金のみの申請をします。借りたお金は、原則10年以内に返済します。
②気になる利息は0.4~2.4%ぐらい
融資を受ける際に最も気になるのは利息ですよね。融資を受ける事業主により実際の金利は前後しますが、2017年10月現在の創業融資制度の金利(特別利率と呼ばれる)の中心値は1~2%台です。
実際に融資を受けるときはこの金利を基に、無担保・無保証人で借りる事が可能です。なお、最新の金利は以下のリンクで最新情報を確認してください。
※上記リンクをクリックすると、日本政策金融公庫の公式ページにとびます
2.新創業融資制度はどんな人が使える制度なの?
新創業融資制度は、法人でも個人事業主でも使える融資制度です。しかし、どんな人でも使える制度ではありません。申し込みをするには、以下の条件(要件)を満たす必要があります。
3つの要件すべてを満たす事業主が使えます
新創業融資制度を使って融資を受けたいのであれば、これからご紹介する3つの要件をすべて満たさなくてはいけません。1つでも欠けると融資を受けられないので注意しましょう。
【要件その1】起業の要件(新たに事業を始めるまたは事業開始後2期までの方)
新創業融資制度という名前の融資制度ですので、創業する方を助ける目的があります。そのため、これから事業を開始する事業主か、または事業開始後2期(2年)を終えていない法人という条件があります。
個人事業主の場合:
2回確定申告をしている⇒×(申込み不可)
1回確定申告をしている⇒〇(申込み可能)
法人の場合:
2回決算をしている⇒×(申込み不可)
1回決算をしている⇒〇(申込み可能)
【要件その2】従業員を雇う、技術・サービスを工夫しているか、継続した勤務実績
2つ目の要件は、融資を受けようとする事業所の社会的意義を問う内容です。社会的意義というと大げさかもしれませんが、例えば自宅で自分が稼ぐためのブログ運営や個人的な転売目的の事業では融資に通らないかもしれません。
融資を受けるからには、最低限従業員を雇い(雇用創出)、技術・サービスを様々な世間のニーズに合うよう工夫する(経済活性化)必要があります。技術・サービスの工夫というと大げさに聞こえるかもしれませんが、たいていの事業はこれを無意識でも実行しているはずです。
例えば、飲食店の場合、以前つけナポリタンというフードが恵比寿で流行ったことがありました。伝統的なスパゲティであるナポリタンをつけ麺にしてしまおう!この発想は、紛れもなく創意工夫です。しかも、つけナポリタンは麺好きの中で人気が出て一躍テレビでも取り上げられる存在となりました。
要件その2の最後としては、継続した勤務実績です。具体的には、現在在籍の起業または現在の企業と同じ業種に通算6年以上勤めていたか、という勤務実績が問われます。起業するからには、6年は実績を積まないとプロになれないという観点でしょう。
【要件その3】自己資金(事業で必要な資金の1/10)を用意できるか
3つ目の要件は、自己資金を持っているかという点です。カードローンなどでお金を借りる場合は審査で自己資金を見られないでしょう。しかし、日本政策金融公庫の場合は税金を使って運営している公的な金融機関です。貸したお金を返せるか不安な事業主には、お金を貸さないよう自己資金の有無で審査をしているのです。
自己資金は多ければ多いほど審査は通りやすくなりますが、最低でも100万円を目途に用意してください。
2.中小企業経営力強化資金とは?
①融資限度額は合計2,000万円で返済期間は7~15年以内
中小企業経営力強化資金を日本政策金融公庫の公式ページで確認すると、その融資額は運転資金2億5千万円、直接貸付7億2千万という破格の金額が記載されています。しかし、無担保無保証で融資を受けるのであれば、最大で2,000万円と覚えておきましょう。
返済期間は、運転資金が7年以内、設備資金は15年以内と設定されています。
②気になる利息は2.06~2.35%ぐらい
金利は創業融資制度の方が低くなっています。しかし、税務申告2期未満の方はこの数値から0.2~0.3%引き下げた金利を利用することができます。そのため、創業融資の要件は満たしていないけど(勤務実績など)無担保・無保証で融資を受けたいのであれば、この中小企業経営力強化資金の制度を利用しましょう。
4. 中小企業経営力強化資金を使えるのは認定支援機関を経由する事業主
中小企業経営力強化資金の要件は、新創業融資制度のように勤務実績6年以上や創業して2期以内という縛りはありません。
その代わり、認定支援機関という街の専門家(税理士、弁護士など)の指導と助言を受けている必要があります。認定支援機関とは、中小企業庁が一定の知識があると認めた融資に詳しいエキスパートです。認定支援機関を通すと、融資に必要な書類作成や面談同行といった心強いサービスを受けられるメリットがあります。
その他には、融資で借りたお金は事業資金以外に使うのはNGとなっています。そのため、プライベートや投資目的での融資は審査が通りません。
まとめ
無担保・無保証で融資を受けられる制度は新創業融資制度と中小企業経営力強化資金。新創業融資制度を利用できるのは期間限定ですので、要件を満たすことができるのであれば早めにトライして融資を成功させましょう。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
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