日本政策金融公庫から融資を受けようと考えている人の中には、審査期間がどれくらいかかるのか気になる人もいるかもしれません。すでに面談を終えていて、審査結果がいつ来るのか知りたい人もいるでしょう。
当記事では、日本政策金融公庫の審査期間の目安を解説します。審査期間が長引く理由やスムーズに審査を進めるためのポイントも紹介しているため、日本政策金融公庫の審査期間に関する情報が知りたい人は参考にしてみてください。
日本政策金融公庫の審査期間の目安は2週間~1ヶ月程度
日本政策金融公庫の審査期間の目安は2週間〜1ヶ月程度です。申込者の状況や支店の状況によって審査期間は前後しますが、日本政策金融公庫に申し込んでから審査結果が分かるまでは1ヶ月程度かかると認識しておきましょう。
審査期間の比較
項目 | 審査期間 |
---|---|
ノンバンク(ビジネスローン、カードローン) | 即日~1週間程度 |
日本政策金融公庫の事業融資 | 2週間~1ヶ月程度 |
保証協会付き融資 | 1ヶ月~1か月半程度 |
日本政策金融公庫の審査期間はノンバンクと比較すると長いです。ノンバンクはスピード重視で資金調達したい人に向けた商品設計をしているため、即日~1週間程度で審査が完了する傾向にあります。ただし、その分金利は日本政策金融公庫よりも高くなる傾向にあります。
一方、日本政策金融公庫の審査期間は保証協会付き融資と比較すると短いです。保証協会付き融資では、金融機関と保証協会の両方で審査が行われるため、結果が出るまでに1ヶ月〜1か月半程度かかることもあります。公庫は保証協会付き融資より審査の工程が少ない分、早く着金する傾向にあります。
日本政策金融公庫の公式サイトにある「よくあるご質問」には、「ご融資が決まるまでの平均所要日数は2週間程度(土日、祝日を含む)です。ただし、ご融資の条件などによっては、多少日数を要する場合もあります」といった旨が記載されています。日本政策金融公庫から融資を受けたいと考えている人は、審査期間の目安を把握しつつ、資金調達のスケジュールを立ててみてください。
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審査期間が通常より長くなる理由
審査期間が長引くケースには、いくつかの理由が考えられます。審査期間が通常より長くなるケースは、申込者側と日本政策金融公庫側のどちらかに要因がある可能性があるため、それぞれの要因を確認してみましょう。
審査期間が長引く要因の例
理由 | 概要 |
---|---|
書類の不備・修正依頼が発生した場合 | 記載漏れや添付書類の不足があると、再提出により審査が中断されることがあります。 |
面談日程の調整が遅れる場合 | 担当者と日程が合わず面談が先延ばしになると、その分だけ審査も後ろ倒しになります。 |
繁忙期やコロナなど公庫側の事情 | 申込が集中する時期や感染症対応などにより、審査が通常より遅れる場合があります。 |
融資希望額が高い・自己資金が少ない場合 | 公庫がリスクを慎重に判断するため、内容確認やヒアリングに時間がかかる傾向があります。 |
担保を設定する場合 | 不動産などの担保評価が必要になると、別途時間がかかる要因になります。 |
審査が長くなる原因として挙げられるのは、書類の不備や面談の遅れです。必要書類に不足や誤りがあると、修正対応で審査が一時停止します。また、申込後に面談日が確定しないと次の手続きに進めないため、申込者と審査担当者の間で早めの日程調整が必要となります。
ほかにも、公庫側の事情や申込内容によって時間がかかるケースがあります。繁忙期や感染症対応により、処理が通常より遅れる場合もあれば、担保設定や高額融資などにより、慎重な審査が行われるため日数が延びる場合もあります。
審査が長引く理由としては、外的要因と内的要因があります。支店の事情や審査内容によっては日数がかかる場合もありますが、書類の準備や面談調整など、申込者が対策できることもあるため、日本政策金融公庫の融資を検討している人はこのあとに紹介するポイントも参考にしてみてください。
スムーズに審査を進めるためのポイント
日本政策金融公庫の審査をできるだけ短期間で進めるには、申込者自身の準備が重要です。とくに申込前後の対応によって、審査のスピードに大きな差が出ることもあるため、基本的な対策を押さえておく必要があります。
- 不備のない書類を提出する
- 面談希望日は早めを提示する
- 事前に相談しておく
スムーズに審査を進めるためのポイントとして、「不備のない書類を提出すること」「面談希望日は早めを提示すること」「事前に相談しておくこと」が挙げられます。日本政策金融金融公庫の審査を控えている人は、それぞれのポイントを確認してみてください。
不備のない書類を提出する
スムーズに審査を進めるためのポイントのひとつは「不備のない書類を提出すること」です。提出書類に不備があると、確認や再提出のやりとりが必要になり審査が一時中断されてしまうため、最初の提出時点で必要書類を正しく整えておくことが大切です。
不備のある例
- 必要書類の添付漏れ
- 書類内の記載ミスや記入漏れ
- 金額や日付の整合性が取れていない
- 事業計画書の内容が曖昧で根拠がない
必要書類の抜けや記入漏れは、公庫からの再確認依頼を受ける原因になります。書類提出後に修正が必要になると、再度郵送やFAXでの再提出を求められるため、面談までの日程が延びるおそれや面談後の審査にかかる時間が延びてしまうおそれがあります。
また、事業計画書の数字に根拠がない場合や、売上や経費の計算に矛盾がある場合も、追加説明を求められる要因となります。面談以外に電話や来店での追加説明が必要になると審査期間が長引いてしまうため、提出書類の整合性や根拠を示しておくことが重要です。
初回の融資や創業時の融資では、とくに提出書類が多くなります。審査担当者も書類を管理する手間が発生するため、不備のない書類を揃えた上で、クリップやファイルなどで書類を整理した状態にして提出することも検討してみましょう。
面談希望日は早めを提示する
スムーズに審査を進めるためのポイントのひとつは「面談希望日は早めを提示すること」です。申込後に提示する希望日が2週間以上先の日程であったり、日程の候補日が少なかったりすると、面談自体が後ろ倒しになり、その分審査期間も延びてしまうからです。
たとえば、希望日時を「平日の午後のみ」などに限定していると、審査担当者との予定が合わず、面談日が2週間以上先になる場合があります。支店によっては予約枠が混み合っており、希望通りの日程で面談できないこともあります。
一方で、「希望日を複数提示する」「最短の日程での面談を希望する」などの対応をすることにより、日程調整がスムーズに進むことがあります。面談が早く終われば、それだけ審査も前倒しで進む可能性があります。
面談日をできるだけ早く設定するためにも、申込の段階で余裕を持ったスケジュールを立てておくようにしましょう。長期の出張や繁忙対応など、申込後に面談ができない予定を組まないよう、あらかじめ日程調整には留意しておきましょう。
事前に相談しておく
スムーズに審査を進めるためのポイントのひとつは「事前に相談しておくこと」です。日本政策金融公庫の各支店では個別相談を受け付けているため、事前に審査に対する疑問や不安を相談しておくことにより、審査をスムーズに進められる可能性があります。
たとえば、提出書類に関する質問ができます。「書類を書くときの注意事項」「取得手続きが必要な書類の案内」など、書類を揃えるときのポイントを質問することにより、書類の不備を減らせる可能性があります。
また、融資希望日に関する質問ができます。「現状の支店の混雑状況」「面談までの日数」など、支店の個別状況を教えてくれる可能性があるため、とくに融資希望日が明確に決まっている場合は、事前にスケジュールを相談しておくことが大切です。
事前相談は義務ではありませんが、融資をスムーズに進めたい人は積極的に活用しましょう。融資希望額や自己資金に関する見解など、個人の状況に応じたアドバイスももらえる可能性があるため、疑問や不安がある人は事前相談を活用することを検討してみてください。
審査期間に関するQ&A
日本政策金融公庫の審査期間に関する内容をQ&A形式にまとめました。日本政策金融公庫の審査期間に関する疑問がある人は参考にしてみてください。
審査期間に関するQ&A
質問 | 回答 |
---|---|
連絡がない場合は否決? | 審査結果の可否にかかわらず連絡は来るため、否決であったとしても連絡は来ます。 |
審査状況の確認はできる? | 審査中であっても、支店に電話すれば現在の進捗状況を確認できます。 |
審査結果の可否にかかわらず、面談後は審査の結果が通知されます。審査結果の通知方法は電話もしくは郵送により通知されるため、面談が終わった人は審査担当者による連絡を待ちましょう。
また、審査状況は支店に電話すれば確認できます。支店の混雑具合によって、審査に時間がかかっている場合も想定されるため、面談後2週間以上経過している場合は支店に確認の連絡を入れることも検討してみましょう。
まとめ
日本政策金融公庫の審査期間の目安は2週間〜1ヶ月程度です。申込者の状況や支店の状況によって審査期間は前後しますが、日本政策金融公庫に申し込んでから審査結果が分かるまでは1ヶ月程度かかると認識しておきましょう。
審査期間が長引くケースには、いくつかの理由が考えられます。審査期間が通常より長くなるケースは、申込者側と日本政策金融公庫側のどちらかに要因がある可能性があるため、それぞれの要因を確認してみましょう。
日本政策金融公庫の審査をできるだけ短期間で進めるには、申込者自身の準備が重要です。とくに申込前後の対応によって、審査のスピードに大きな差が出ることもあるため、日本政策金融公庫の審査を控えている人は、それぞれのポイントを確認してみてください。
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