創業融資を保証協会で申込むときの流れと金利と審査と必要書類と特徴

創業融資を保証協会で申込む流れと金利と審査と必要書類と特徴 起業のための資金調達 – 銀行/信用金庫からの融資
創業融資 信用保証協会 申込み

創業融資の申込みは自分一人でも可能ですが、保証協会を通して借りれば金利が有利になる場合があり、融資枠が広がるというメリットがあります。

万が一あなたが借りたお金を返せなくなった場合は、借りたお金を信用保証協会が金融機関へ一括で払う「代位弁財制度」も魅力です。

但し、保証協会を通すと「信用保証料」が必要になるというデメリットもありますし、申し込み書類が増えて申し込みの流れがわかりにくいというデメリットもあります。

 今回の記事では、創業融資を保証協会で申し込もうとしている方のために、保証協会経由の申込みの流れをご説明します。その上で、気になる現在の金利や審査などについても詳しく解説していきます。

 1.そもそも、創業融資とは?

創業融資を簡単に説明します。(ご存知の方は読み飛ばして3.の見出しへお進みください)あなたが何かビジネスを始めるとして、ビジネスをするためのお金が必要だとします。ビジネスで必要なお金を得ることを「資金調達」と呼びますが、資金調達にはカードローンやクラウドファンディングなど様々な種類があります。

 創業融資はビジネスに必要な300~1,000万円程度のお金を金融機関からお金を借りられる制度で、カードローンやキャッシング(10~15%程度)と比べてかなり低金利(2019年7月:2.16~2.35%程度)なことが特徴です。

 2.【今の日本で利用できる2大創業融資制度①】日本政策金融公庫の新創業融資制度

創業融資はすべての金融機関で行っているわけではありません。有名なところでは、日本の政策金融機関(政府が運営している)の①「日本政策金融公庫」の「新創業融資制度」という創業融資があります。もう一つは、信用保証協会で扱っている東京都などの自治体が行う②「制度融資」の2つがあります。

画像

創業融資はビジネスをする方すべてが利用できる訳ではありません。日本政策金融公庫の場合、新創業融資制度の利用条件は、以下4点があります。

  • ①創業(開業)して2期以内(2年以内)の個人事業主、法人である
  • ②始めるビジネスの経験がある
  • ③人を雇う予定のあるビジネスである(FXや不動産投資など自分が儲けるためだけの事業ではない)
  • ④自己資金が最低1/10以上あること

 これらの条件を満たせば、日本政策金融公庫の新創業融資であれば基本的に個人で申し込むことが可能です。保証協会のように支払う手数料も特にありません。無担保・無保証人で借りることも可能です。(会社がつぶれた場合、あなたは借金を返済する必要はありません。) 

 

日本政策金融公庫の新創業融資制度

金利

2.16~2.35%程度

融資額

~1,500万円程度

(※認定支援機関経由で~2,000万円程度)

※当サイト運営会社(ソラボ)の実例の場合

無担保・無保証人

会社がつぶれた場合

返済不要

信用保証料

不要

信用保証

不要

着金までの期間

平均1か月

返済期間

5年程度

 日本政策金融公庫の新創業融資制度については、当サイトの以下既存記事でも解説しております。ご興味のある方はぜひ併せてご覧ください。

 日本政策金融公庫の融資で資金調達!新創業融資制度って何?

 なお、「自分一人で申し込むのが不安だ」「創業計画書を書くのに自信がない」という方は、当サイトの運営会社(ソラボ)のような認定支援機関を経由して申し込むという方法もあります。(但し有料)

 3.【今の日本で利用できる2大創業融資制度②】信用保証協会経由の制度融資

2つ目が今回の記事のメインターゲットである信用保証協会経由の制度融資です。制度融資とは、東京都や大阪府などの自治体を通して受けられる創業融資のことを言います。 

 

信用保証協会の制度融資

金利

2.1~2.%程度

融資額

~1,000万円程度

無担保・無保証人

× 信用保証が必要

会社がつぶれた場合

信用保証協会へ返済必要

信用保証料

必要

信用保証

必要

返済期間

5年程度

 制度融資のメリットは、自治体が間に入っているため、日本政策金融公庫のように金利が低い点です。制度融資のデメリットは、冒頭でお伝えした通り、申込みの流れがわかりづらい、信用保証料が必要になるという2点です。

 東京都の制度融資の場合、利用条件は以下7点があります。制度融資の場合、自治体と信用保証協会という2つの機関からの条件があるわけです。

【東京都信用保証協会の提示する信用保証協会側の条件】

  • ①現在事業を営んでいない方で1か月以内に新たに個人で、または2か月以内に新たに法人を設立して都内で創業しようとする具体的な計画をお持ちの方(創業した日から5年未満の法人・個人・組合)
  • ②許認可が必要な事業を開始される方は原則として必要な許認可を受けている(受ける)こと
  • ③借入額に対して1/2以下程度の自己資金があること(例、2千万円借りたい場合は自己資金1千5百万円が必要)

【東京都産業労働局の提示する東京都側の条件】

  • ③都内に事業所があり、保証協会の保証対象となる業種を営んでいること
  • ④事業税その他税金の滞納がないこと
  • ⑤許可・登録などが必要な業種の場合は、許可を得ている(又は受ける)こと
  • ⑥現在かつ将来にわたり暴力団員と関わらないこと

 続いて制度融資の金利ですが、やはり自治体を経由しているだけあって、日本政策金融公庫と同じレベルの低金利です。以下の金利表をご覧ください。

 【2019年7月現在】

責任共有対象の場合

責任共有対象外の場合

【固定金利】

融資期間

3年以内:1.9%以内

3年超5年以内:2.1%以内

5年超7年以内:2.3%以内

7年超:2.5%以内

【固定金利】

融資期間

3年以内:1.5%以内

3年超5年以内:1.6%以内

5年超7年以内:1.8%以内

7年超:2.0%以内

【変動金利】

短プラ+0.7%以内

【変動金利】

短プラ+0.2%以内

 ※責任共有対象とは

信用保証協会と金融機関が責任共有をするという制度で、基本的にすべての保証が責任共有対象になっています。災害関係や経営安定関連の融資を特別に受ける方は、責任共有対象外の金利となります。

なお、上記の金利は①産業競争力強化法に規定されるに認定特定創業支援事業の支援を受け区市町村の証明を受けた場合、②商工会議所などの認定特定創業支援事業に準ずる創業支援を受け、その証明を受けた場合はマイナス0.4%(2019年7月現在)になります。

 低金利を目当てに多くの方が融資を受けて、多くの方がもし返済しなかったら東京都などの自治体は大変困ることになります。そのため、制度融資を受けるには信用保証協会の保証を必ずセットで受けなくてはいけません。

 信用保証協会は「信用保証協会法」という法律を基に設立されている日本の公共機関です。現在、日本中に51の信用保証協会があります。

 画像

 信用保証協会は、簡単に言えば事業主の代わりに保証人になってくれる組織です。万が一、あなたが金融機関から借りたお金を返せない時には、信用保証協会が保証人となり、代わりにお金を支払い(弁財)します。(そして、あなたは信用保証協会にお金を返済しなくてはいけなくなります)

 信用保証をしてもらうには、信用保証協会の審査を受けて審査をパスしなければいけません。

 4.信用保証協会経由での創業融資(制度融資)の申込みの流れ

①制度融資の場合

まず信用保証協会に行くのではなく、金融機関に申し込みをしましょう。あなたが利用したい制度融資をやっている金融機関を調べ、問い合わせることからスタートです。

 画像

 金融機関から直接信用保証協会へ信用保証の依頼をする場合もありますし、ご自身で信用保証協会へ行って申し込んでください、と言われる場合もあります。信用保証協会への申込みが済み、信用保証の結果が合格したら、次は融資の審査に移ります。

 融資の審査に見事合格したら、信用保証協会と契約して信用保証料の支払いをスタートします。

②プロパー融資の場合

参考までに、制度融資以外で信用保証を受けたい場合の流れもご説明します。例えば、あなたがみずほ銀行に1,000万円の事業融資を受けたいと仮定しましょう。(金融機関から直接お金を借りることをプロパー融資と言います)

 あなたが個人でみずほ銀行にプロパー融資を依頼してもほぼ成功しませんが、信用保証協会の審査をパスした場合は、融資の成功率は上がります。

 画像

信用保証協会を経由して銀行などの金融機関からプロパー融資を受ける流れは、まず融資を受けたい金融機関に信用保証協会経由で融資を受けたいと申込みをします。その後、金融機関から信用保証協会で手続きするように言われますので、管轄の信用保証協会へ行き保証審査の申込みをします。

 ※信用保証の審査の難易度とは

クレジットカードの返済履歴や事故歴があるかを信用情報機関(CICなど)から情報を取得し審査します。そのため、金融事故のある方は落ちる可能性が高くなります。また、融資規模額が適正なのかと使途をチェックします。申込書の企業概要欄に事業の概要をしっかり記載するのはもちろん、事業計画書を別途添付して事業売上や経営を説明すべきです。

 5.信用保証協会に保証してもらうために必要な書類・信用保証料

①必要書類は全部で8種

信用保証協会の公式ページより以下の書式はダウンロードできます。東京都の場合は以下のリンクより可能です。東京信用保証協会|書式ダウンロード 

信用保証委託申込書

申込人(企業)概要

信用保証依頼書

信用保証委託契約書

個人情報の取扱いに関する同意書

確定申告書(決算書)

商業登記簿謄本

印鑑証明書

 確定申告書と商業登記簿謄本は税務署と法務局で手続きした際の手元の控えを提出します。印鑑証明書は自治体によりルールが異なるため、取得方法は自治体窓口で確認するとよいでしょう。 

②気になる信用保証料

信用保証料は、金融機関から借りる融資額や返済回数や信用保証率で異なるため正確な額については個別で計算していくしかありません。 

一例を言います。1,200万円を東京都で借りた場合、信用保証料率年1.5%で保証期間24か月(24回返済)の場合、信用保証料は165,600円です。165,600円を24で割ると毎月6,900円です。

 6.日本政策金融公庫と信用保証協会(制度融資)の創業融資に同時に申し込んだらどうなる?

画像

 たまにこういうケースがあるようです。日本政策金融公庫の新創業融資制度に先に申し込んでまだ結果が出ていないのに、信用保証協会の制度融資にも申し込んでしまったという場合やその逆のケースです。

 融資の審査期間は日本政策金融公庫が1か月で制度融資は2か月かかりますので、同時に申し込んだ場合は日本政策金融公庫の方が早く結果がわかることになるでしょう。

 日本政策金融公庫と信用保証協会の制度融資を両方申し込むこと自体はルール違反ではありませんが、実際はなかなかレアなケースです。 

日本政策金融公庫と信用保証協会は実は関係があり、信用保証協会の保険会社の役割を果たすのが日本政策金融公庫です。信用保証協会自体は金融機関ではないため、お金はもっていません。信用保証協会は信用保証をするという機能だけを持っています。

 そのため、もしあなたが既に日本政策金融公庫で2千万円を借入しているのにそれを隠して信用保証を申し込んでも、その借入は信用保証協会の知るところとなります。

 また、両方で申し込んでいることを日本政策金融公庫と信用保証協会経由の金融機関が知らずに融資の審査を通した場合、そして、両者とも審査に通った場合は「貸しすぎ」になってしまう可能性があります。金融機関は事業計画を吟味して適正な金額を融資します。一つの事業計画に対して2つの金融機関が重ねて貸した場合、返すあなたが大変になるのは目に見えるようです。

 まとめ

 信用保証協会の制度融資は金利が低く魅力的ですが、申込み書類が金融機関に提出するものだけでなく、信用保証を受けるために8種も増えるのが少々面倒です。

また、信用保証料も毎月5千円前後かかるため、どちらかというと日本政策金融公庫の新創業融資制度の方がオトク度は高いような気がします。

 

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。