決算書とは企業の財務状況や経営内容を知ることができる複数の書類を指します。
決算書について詳しい経営者もいますが、そうでない経営者の場合はいきなり「提出してほしい」と頼まれると、少し焦ってしまう場合もありますよね。
今回の記事では、決算書の提出を求められるタイミング、そしてどの書類を出せばいいのかというテーマでまとめていきます。
1.決算書って何?
決算書は法人税法で定められている4つの帳票のことで、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表のことを言います。これらの書類では1年間の毎日の売上や経費、仕入れ、給料などの数値を記録され、この書類を見る人は会社(事業所)の経営がどのような状態になっているかを判断することができます。
決算書は1年間の営業記録の総称ですが、試算表はその半期分のものとなります。また、決算書とよく間違えられるのは財務諸表です。財務諸表は以下5つの帳簿から成り、元となる法律は金融商品取引法です。財務諸表の提出先は税務署ではなく財務省です。上場企業のみに提出義務があります。
2.決算書の提出ってどんな時に必要?
①事業年度終了日の翌日から起算して2か月以内に税務署に提出
法人税などの税金を算出するために税務署に提出する必要があります。毎年決まった時期(決算時期から2か月後以内)に決算書を添付した確定申告書を税務署に提出しなければいけません。
ちなみに、決算日は会社や事業所によって異なります。会社であれば会社定款に決算日が記載されていますが、それが決算日です。個人事業主の場合は定款がなく、毎年1月1日~12月31日が事業年度と決められています。そのため、個人事業主の場合は世間的な確定申告の時期と同じぐらいの時期(1月~2月末)までに提出すればいいとざっくり覚えておけばよいでしょう。
②取引先からの提出要求
これまで仲良く取引してきたはずなのに、いきなり「御社の決算書っていただくことは可能ですか?」のように提出を求められることがあります。
たとえば、あなたの会社が下請けメーカーの場合、決算書を求めた企業はあなたの会社の成績がいい場合はロット毎に工賃などをもう少し下げてくれないか、と依頼をしてくる可能性があります。
また、逆のパターンでは取引先の営業担当者があなたの会社との契約を結ぶための資料として使うために決算書を必要としているかもしれません。社長を説得するためには決算書が必要だ。こんな場合も、取引先が決算書を必要とするケースの一つです。
③日本政策金融公庫の融資でも必要
法人として既に事業している場合で日本政策金融公庫からの融資を申し込む場合、直近2期分の決算書の提出が必要です。
決算書以外にも、以下の書類が必要です。(法人の場合)
借入申込書 |
日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできる |
企業概要書 |
企業の沿革・経営者の略歴・従業員人数・関連企業などについて書かれた書類。 上記のURLからフォーマットがダウンロード可能 |
試算表 |
決算書の直近の半年分をまとめたもの |
履歴自己全部証明書 |
全国にある法務局の本局・支局・出張所で取得できます |
まとめ
決算書の提出は税金納付に必要なだけでなく、事業においての取引や融資の際にも必要です。日本政策金融公庫での融資の場合は、決算書に加えて企業概要書や借入申込書の提出も必要です。
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