企業概要書を記入しよう!
1期目の決算を終えた方が、日本政策金融公庫の融資を申し込む場合、【企業概要書】を作成して提出する必要があります。
接骨院や介護・福祉施設、医療施設が融資の申し込みをした場合の【企業概要書】の作成方法を知っていますか?
1.企業概要書をダウンロードしよう
まずは、日本政策金融公庫のHPから「企業概要書」をダウンロードしましょう。
Excelでダウンロードすることで、そのまま入力することができます。
日本政策金融公庫:各書式ダウンロード
2.接骨院・福祉・医療の企業概要書!3つの記入ポイントとは
①【1.企業の沿革・経営者の略歴】
企業概要書は、1期目の決算が終了した企業が融資を受ける際に提出する書類です。
経営者個人の経歴の記入はもちろん、企業としての沿革の記入も必要です。
会社としての沿革からも、融資をして良い企業であるかどうかを判断されます。
接骨院や福祉施設、医療に関する企業を経営している場合、これまでの経験が重視されます。
また、資格が必要な場合も多いので、取得資格の欄に忘れずに記入しましょう。
現在経営している接骨院や医療機関がどれくらいの期間経営しているのか、開業前にどのような企業で、どのような業務に従事していたか、簡潔に記載します。
②【5.取扱商品・サービス】
接骨院・福祉施設・医療関係の事業を経営している場合、商品等の販売ではなく、施術や診療などのサービスの提供が中心となるでしょう。
サービスの内容や販売戦略などについて、5つの項目に分けて記入します。
今回は、接骨院の記入例を参考に、作成のポイントを確認していきましょう!
◆取扱商品・サービスの内容
接骨院の場合、来院した患者様の体の痛みや不調を施術によって回復に導きます。
売上シェアのほとんどを施術が占めることになるでしょうが、その他治療の役に立つ商品の販売をしている場合もあります。
また、訪問による診療を実施している場合などは、来院してもらって実施する診療と分けて記入すると、より分かりやすくサービス内容を説明することができます。
◆セールスポイント
経営している接骨院では何を売りにしていますか?
・女性の方が周囲を気にせずに施術を受けられるよう、全室半個室にしている
・体が不自由な方のための訪問診療を実施している
・これまでの接骨院に長年勤務していたので経験が豊富である
公庫の融資担当者に、伝わりやすいようにセールスポイントを記入しましょう。
◆販売ターゲット・販売戦略
経営している接骨院は、どのような患者様の層が中心となっていますか?
もちろん、接骨院や福祉施設、医療機関を経営する場合、ケガや病気をしている方や、障碍を持った方が来院することになります。
しかし、患者様の中でも、どのような層をターゲットにしているのか、来院数を増やすためにどのような戦略を実行しているかを完結に記入します。
◆競合・市場など企業を取りまく状況
今後の見通しや、周辺の競合他社などの動向について記載しましょう。
接骨院や福祉施設、医療施設は、継続して通院してもらうことや、定期的に利用してもらうことが大切です。
周辺の競合がどのような集客方法を利用しているのかなどを調査してみましょう。
【例】
周辺に接骨院はあまりなく、競合店は少ない。
来年、自身が経営している接骨院の近くに私立●●高校が移転してくるため、部活動をしている学生たちの来院が増えると予想している。
また、商店街の中に位置しているので、高齢者の方で定期的に通院している患者様が多い。
◆悩みや苦労している点・アドバイス等
接骨院を経営している上での悩みは何ですか?
売上や、集客についての悩みを完結に記載しましょう。
【例】
これまで、安定した売上を確保してきた。
今回導入する機械を使用した新しい施術方法によって、より多くの集客を狙っているが、
借入をした場合の返済計画について少々不安がある。
それぞれの項目について丁寧かつ簡潔に記載するようにします。
記入欄はあまり余裕がなく、沢山の内容は入れることができません。
記載する前に、項目ごとにいくつか記入したい内容を書き出して、枠内に収まるようにまとめておくと良いでしょう。
③【6.取引先・取引関係等】
現在利用している仕入先や販売先について記入します。
接骨院の場合、販売先の多くが【一般個人】になるでしょう。
企業や学校、病院への訪問診療を定期的に実施する契約をしている場合は、一般個人とは別の販売先として記入します。
その他に仕入先の企業に関しての記入も必要です。
接骨院などでは、治療の効果をより大きくするための商品を販売している場合があります。
商品を仕入れている企業を記入します。
3.企業概要書は会社の名刺代わり!その他の準備も忘れずに
企業概要書は1期目の決算を終了した企業が、日本政策金融公庫へ融資を申し込む場合に提出が必要な書類です。
経営する接骨院や福祉施設、医療機関が現在どのような状況なのか、どれくらいの期間経営しているのか、開業前にどれくらいの経験を詰んだのか、簡潔にまとめておきましょう。
しかし、日本政策金融公庫の融資では、様々な視点から審査が実施されます。
企業概要書を完璧に作成していても、自己資金が全くない場合や、税金の支払い遅延がある場合、
信用情報にキズがついている場合などには、融資を受けることが非常に難しくなってしまいます。
◆融資を成功させるために
企業概要書をきちんと作成しておくことは大切ですが、融資を成功させるためには、企業概要書のみでは不十分です。
自己資金を計画的に貯め、融資に必要な書類については漏れが無いように準備しておきましょう。
また、融資を申し込む方の金融情報もチェックされます。
これまで金融事故がある場合や、税金の未納がある場合などは融資を受けることが難しくなってしまいます。
CICやJICCのサイトを利用することで、自身の信用情報を確認することができるので、融資を受ける際は事前に信用情報を開示して確認しておくことをオススメします。
その他に、内装費や機材の購入が必要な場合は、見積書を準備しておきましょう。
【 信用情報が確認できるサイト 】
◆認定支援機関に相談すると融資が受けやすい?
日本政策金融公庫の融資は、ご自身で申し込むことも可能ですが、融資の専門家である認定支援機関を通すことで、
日本政策金融公庫の【中小企業経営力強化資金】を利用することが可能になります。
中小企業経営力強化資金は、無担保無保証・低金利で返済期間が長く、メリットが沢山ある融資制度です。
融資を受けて資金調達をする場合は、できるだけメリットの多い借入条件の方が良いですよね。
また、認定支援機関に融資の相談をすることで、事業計画や返済計画の作成サポートや、
経営についてのアドバイスも実施してくれるので、安心して融資を申し込むことができるでしょう。
まとめ
今回は、日本政策金融公庫からの融資を受ける際に提出が必要な【企業概要書】の作成ポイントについてご紹介しました。
日本政策金融公庫のHPでダウンロードすることができる企業概要書は、記入する欄に限りがあります。
セールスポイントや販売戦略が枠内に入りきらない場合は、別の用紙を準備して記入し、添付してから提出するようにしましょう。
日本政策金融公庫の融資を申し込む場合、認定支援機関に相談することで、資料作成のお手伝いをしてくれたり、経営のためのアドバイスをしたりしてくれます。
これから融資を受けて資金調達をしようと考えている方は、一度お近くの認定支援機関に相談することをオススメします。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
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