介護事業の起業が失敗しやすい理由とは?

介護事業の起業が失敗しやすい理由とは? 起業後の資金調達 – 接骨院・介護・福祉・医療
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介護事業が失敗してしまう原因を見ていこう!

近年、介護事業の起業件数が増加しているようです。たしかに、国内で高齢化が進んでいることから、これからは介護事業への需要も伸びていきそうです。 しかし、それとは裏腹に介護事業者の倒産件数も増加傾向にあります。介護事業は一見簡単に始められそうに見えますが、実際はそれほど簡単ではないようです。 なぜ、介護事業を始めても高い確率で失敗してしまうのでしょうか。今回は、そのような介護事業について、その仕組みや失敗しやすい理由について解説していこうと思います。

1.介護事業者の倒産の現状

東京商工リサーチによれば、2017年度における介護事業の倒産件数は115件となり、過去最高となったようです。その主な原因として、人手不足介護報酬制度の改定業者間の競争激化などがあげられます。

そのような外部環境の要因から、資金力や経営力が不足している介護事業者の生き残りが厳しくなっているようです。従業員数の点から見ると、倒産件数のうち80%が従業員数10人未満、60%が5人未満となっております。つまり、介護事業者の倒産のほとんどが小規模な業者であるといえます。

 

2.介護事業者の倒産原因

介護事業者の大部分が事業場の失敗です。介護事業は国による制約が多く、事業を行うにも多くの知識が必要です。しかし、それらのことをしっかりと認識できている業者は少ないようです。以下では、介護事業者が事業場で失敗する原因について説明していきます。

(1)深刻な人手不足

介護事業 失敗 図1

介護業界での大きな問題として慢性的な人手不足があげられます。全国にはたくさんの介護施設への待機者がいるのにもかかわらず、多くの施設のベッドに空きがある状況です。つまり、ベッドはあるのに介護する従業員がいないため、要介護者を受け入れることができていません。

人手不足に陥った介護施設は事業を続けていくことができなくなり、最終的には倒産します。もし、施設が倒産したら被介護者は別の介護施設へと移りますが、他の介護施設でも人手不足になっている場合が多く、さらに人手不足の問題が業界で深刻になることになります。また、人手不足により就業院に負荷がかかるようになると人材流出の危険も高まります。

(2)介護報酬制度の改定

介護事業 失敗 図2

介護施設の倒産件数のうち、訪問介護事業が40%を占めています。つまり、普通の施設型の介護業者だけでなく、訪問介護業者の経営も厳しくなっているようです。

その原因として、訪問介護への介護報酬の引き下げがあります。

介護報酬とは、介護事業者に国から保険で支払われる報酬のことです。介護業者の収入の9割は介護報酬から支払われるため、介護報酬の減額は介護施設によって大きな痛手となります。そのため、資金難に陥った小規模な介護事業者の多くが倒産しています。

(3)介護事業は事業運営が難しい

介護事業 失敗 図3

介護事業は業者の意思とは関係のないところで報酬が決められるだけでなく、事業を運営するにあたっても多くの制約や困難があります。

まず、介護施設を設立するためには老人福祉法などさまざまな法令によって定められている建築基準や人員配置基準、運営基準を満たす必要があるため、初期費用が高くなってしまうことがあります。こういった業界に関する情報を把握せずに起業してしまうと失敗する可能性があります。

また、介護職に携わるには介護に関する高度な知識・スキル、施設運営にあたってのマネジメント能力が必要です。また、施設では常に被介護者が嫌な思いをしないように常に気を付けなければありません。もし、従業員の失敗で被介護者が不満を持てば、被介護者がすぐにほかの施設へと移ってしまう可能性が高いです。

そういったことから、介護に関する十分な知識を持たないまま介護事業を始めても競争の激しい介護業界で生き残ることができる可能性が低いといえます。

 

まとめ

介護事業は成功させるのが非常に難しい仕事です。というのも、介護事業は頑張ったからといっても収入がそれだけ伸びるものではなく、事業運営にあたっても法律上の制約が多く存在します。また、介護業界特有の慢性的な人手不足の問題もあります。

そういったことから、介護事業を始めるにあたってはそれなりの覚悟も必要です。

しかし、そのような介護事業の難しさをしっかりと認識せずに介護業者として起業してしまう業者が増加しているために、事業に失敗して倒産する業者も増加しています。

介護事業は難しい仕事ですが、人を直接助けるためにやりがいも大きい仕事です。もし今介護事業主としての起業を考えているという方がおりましたら、この機会にもう一度自分が介護職として成功するために準備ができているのか、失敗するリスクを認識できているかなどをしっかりと確認したうえで、起業から成功までの道筋をイメージしてみてはいかがでしょうか。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。