希望額よりも減額されて融資決定された体験事例

【希望額よりも減額されて融資決定された事例】800万円申込で300万円に減額されたMさんの事例 更新日:2018.05.09 公開日:2018.05.09起業のための資金調達 – 教育(塾・スクール・社員研修)
日本政策金融公庫 減額

融資は通ったけど減額に!なぜ?

日本政策金融公庫の融資を申し込んで審査は通ったけど、希望額よりも減額されて融資確定する場合もございます。

どのような場合に減額されるのか、今回は希望額よりも500万減額されて確定したMさんの事例でご説明します。

 

融資の成功は 0 か100だけではない 

日本政策金融公庫に融資を希望額800万円で申し込んだ場合、

・800万円でOKです!

・審査落ちNGです!

というケースだけではなく、

 

・減額して○○万円ならOKです!

というケースもあります。

 

減額されるには様々な理由がございますが、融資審査においては0か100だけではないということを覚えておいてください。

 

減額決定される理由

事業規模や内容によって融資金額が大きすぎる、最低限この金額融資すれば事業が開始できると判断されれば、希望額よりも減額されて融資決定されることがございます。 

以下、減額になる理由の例になります。

 

内装費用の見積もり金額が高額な場合

一坪当たりの平均単価(一坪30万など)がありますので、平均値よりもあまりにも高額な場合は内装費をもっと削ってでも事業開始できるので、内装費削る分を融資額から減額される場合があります。

 

運転資金確保期間が長すぎる

従業員の給料や家賃など、運転資金として申請するには目安が3か月分です。

運転資金が6ヶ月分や12ヶ月分など長すぎる場合は削らる傾向にあります。

運転資金申請期間があまりにも長すぎると、軌道に乗るまでに時間がかかりすぎるので事業性評価も落としてしまう可能性があります。

 

自己資金が少ない

自己資金が少ない方が減額されるケースがあります。

融資受けた後の借入金の返済は事業で得た利益から返済していくことになるのですが、もし事業が軌道に乗るまでに想定以上の時間がかかる、売上を獲得できる見通しがなくなってしまった場合には、自己資金から返済していくことになってしまいます。

日本政策金融公庫から見れば自己資金は返済原資です。この返済原資が少なければ貸し出す金額が大きければ大きいほどリスクが高いと判断されるので、減額されるケースがあります。

 

Mさんの事例

Mさんは法人(コンサルティング会社)を経営しており、その法人ですでに日本政策金融公庫からの借入がありました。

今回は別法人(教育事業)を設立して、新規法人で融資のお申込みを検討されていらっしゃいました。

800万円の融資希望額でしたが審査結果は、減額されて300万円で確定しました。

減額された理由についてご説明します。

 

事業経験未経験分野での融資申し込みだった

既存事業ではなく新規事業で融資をお申込みする場合は、事業の見通しが不透明になりがちですので、高額な融資は難しくなります。

Mさんもコンサルティング会社での実績がありますが、教育事業については未経験でしたので、800万円という融資希望額が大きすぎると判断されてしましました。

※新規法人では事業経験の豊富な従業員を採用していたため、特段問題ないように思えますが、代表者本人の事業経験が問われます。

仮にその従業員がいなくなった場合のリスクを考えると代表者が未経験の場合の融資審査はなかなか通りません。

 

自己資金が少なかった

Mさんは申込当時の自己資金が少なく、上述した返済原資が少ないと判断されました。

Mさんの配偶者も事業経営しており資産があったことがプラス材料ではありましたが、あくまでも代表者ご本人がその事業を始めるためにいくら準備してきたかが判断基準となります。

世帯でみれば自己資金はあるのですがMさんご本人の自己資金が少なかったことで減額されてしましました。

 

購入教材費を削られた

教育事業を行うに当たって教材を購入する予定でした。

3か月分の教材費を創業計画書に記載しましたが、この金額が大きすぎると指摘を受けました。

実際には事業開始するための最小ロットは1か月分でした。

そのため過大だった分を削られて減額となりました。

 

まとめ

日本政策金融公庫は事業のスモールスタートを推進する傾向にありますので、いきなり高額な融資を申請すると減額される可能性が高くなります。

実際に必要な金額と融資希望額があまりにも乖離しすぎていると印象も悪くなります。

どれくらい融資受けられるのか、どれくらいの融資金額が適正なのか、一度認定支援機関に相談してから日本政策金融公庫の融資をお申込みしてはいかがでしょうか。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/

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