事業拡大のために日本政策金融公庫で融資を受ける!
Sさんは大手インターネットサイトで古本の販売を開始して約10ヶ月。順調に売上実績を積み、さらに仕入れ資金があれば原価を抑えて仕入れることができるため、利益率の上昇に繋がると考え、日本政策金融公庫からの融資をご希望でした。 なかなかインターネット物販では融資が受けにくいという現状もございますが、見事ご希望額の200万円の融資に成功した事例をご紹介します。
200万円の融資を日本政策金融公庫から受けることに成功したSさんの事例
副業でインターネット物販を行う方も多いですが、Sさんはこちらが本業で行っているため、これまでの実績や将来の収益性が求められていました。インターネット物販で融資を受ける際のポイントをSさんの事例をもとにご説明します。
ポイント① 実績
インターネット物販で融資を受ける際に最大のポイントは過去の実績といっても過言ではありません。
これから新たに事業を開始しようと考えている場合、いくら売れるかわからないものを何百万円も仕入れるというのはリスクが高いと金融機関は評価します。一度に大量に仕入れれば原価が安くなるというのはわかる話なのですが、売った実績のない人には本当に売れるのか懐疑的になります。
売れ残り=在庫
在庫=悪
在庫は適正在庫というのがあり一定の在庫は必要ですが、基本的に在庫が多いと金融機関からの評価は下がります。
売った実績のない人はこの在庫リスクが高いと判断されます。
したがって、半年間でも売上の実績を作ってから融資を申し込んだほうが有利になります。
Sさんは10ヶ月間の売上推移が書面でも預金通帳の入金記録からも明確になっていたため、この実績が評価されました。
ポイント② 自己資金
上記で「在庫=悪」という話をしましたが、当然売上実績のある人でも在庫を抱えてしまう可能性はあります。その場合、仕入れで先行してお金を使ってしまっているので売れない限りは商品を現金化できません。その間にも日本政策金融公庫の返済は行われます。仕入れた商品を現金化できない間の借入の返済は自己資金で補填をすることになるため、自己資金が少ない・全くない方は融資を受けるのが難しくなります。
Sさんはインターネット物販を開始した当初は自己資金がほぼほぼない状況でしたが、実績を積んでいくうちに自己資金が約100万円まで増加していたため、返済余剰があると評価されました。
ポイント③ 販売戦略
インターネット物販を開始している人は年々増加しているため、市場競争は非常に厳しくなってきています。したがってどのような販売戦略をとっているか、自社の商品が他社と比較してどう違うか、説明できるかがポイントになります。
単に需要があるから売れるというだけでは説得力に欠けます。他にも同じような商品を出している人はきっといるはずです。
Sさんの販売戦略は、古本市場のデータベースを駆使し、売れ筋の商品のみを取り扱うようにしています。路面店での古本屋さんでは品揃えを気にしないといけないので、あまり人気のない本も取り扱うケースが多いですが、これがいわゆる在庫です。Sさんは売れ筋商品のみ取り扱っているので商品回転日数も短く、在庫も少ない結果となっていたことが評価されました。
Sさんと同じ販売戦略をとるとしても、実績がない場合は机上の空論のようなものです。Sさんは売上実績が残せていたので日本政策金融公庫の担当者も納得感がありました。
やはり実績が一番大事というのを実感させられました・・・。
ポイント④ 事業計画
実績値がベースであって、日本政策金融公庫から融資を受けることによって今後の事業計画がどのように変化するのか、これを書面にまとめる必要があります。
一度に大量仕入れをすることで原価率を抑えられるのか、単純に仕入れる額が増えれば売上も伸びるのか、資金余業があると新たな業者と取引できるようになるのか、など様々の効果が期待されます。Sさんは数値予測の作成がご自身では難しいと判断したため、認定支援機関に相談して、一緒に事業計画を作成しました。これまでの実績と今後の計画を事業計画書にまとめて提出し、事業計画の内容が評価された結果融資に成功しました。
ご自身で作成する時間がない、又はどう作成すれば良いかわからない方は資金調達の専門家(認定支援機関)にご相談してはいかがでしょうか。
注意点 許認可
インターネット物販を行う方で中古品を取り扱う場合、必ず「古物商」の許可が必要となります。許可申請先は営業所の所在地を管轄する警察署の防犯係が窓口となっております。
日本政策金融公庫の融資お申込み時にすでに許可を持っていないと絶対だめということはございませんが、現在申請中のご状況であれば後日確認が前提で融資審査は進めることは可能です。
ご参考までに東京都での古物商許可申請のサイトです。
まとめ
これからインターネット物販を開始しようとされている方は、まず自己資金の中から事業を開始して、実績を積んでから日本政策金融公庫にお申込みをすることをお勧めします。
融資を受ける際にもまずは150万~300万円の少額からスタートし、さらに事業の実績プラス日本政策金融公庫の返済実績を積むと追加で融資を受けられる可能性が高まります。いきなり大きい金額でスタートするのではなく、こつこつと成果を積み上げていくことが成功への近道と言えます。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/
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