補助金の経費処理!消費税分を返還するって本当?処理の仕方

補助金の経費処理!消費税分を返還するって本当?処理の仕方 助成金・補助金 – 補助金の基礎知識
補助金 消費税

助成金と同じく、補助金は返済不要の資金として、多くの事業者が頼りにしているお金です。基本的には補助金は不課税取引として分類されており、補助金に対する税金はかかりません。

けれども、補助金を経費として支払った場合に、一部の方は消費税分を補助金の支給先(例、東京都)へ返還しなくてはいけないというルールがあります。

このことを知らないでいると、知らず知らずのうちに「税金滞納」事業者になってしまうかもしれません!

 今回の記事では、補助金を受け取る予定の事業者に向けて、補助金を受け取った際の税金の処理の仕方をくわしくご紹介いたします。

 1.補助金は本来、税金がかからない

みなさんがご存知の通り、世の中には税金がかかるもの(課税対象)とそうでないもの(不課税)があります。補助金の場合は、原則非課税です。

 補助金は条件を満たした方を対象に支給されるものであり、お金のように何かに対して対価として支払われるものではありません。そのため、「温泉入ったり外食したり商品を買ったりして良い思いをしたのだから、税金払ってね」という趣旨(?!)の温泉税や消費税の支払うが、補助金にはありません。

 国税庁では、補助金を寄付金や税金と同じくくりで認識しています。そのことは、国税庁の公式ホームページでも明記されています。

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【引用:国税庁|No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例

2.補助金の消費税分を返還するとはどういうこと?

①補助金でWのオトクになると、消費税返還の対象となる可能性がある

では、なぜ一部の方は補助金を使った際に消費税を返還しなくてはいけないのでしょうか?それを説明するには、まったく異なるジャンルではありますが、「ポイントの2重取り」という仕組みをご理解いただくとスムーズです。

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ポイントの2重取りとは、ネット記事のブログでよく見かけますが、2種以上のポイントを1回の買い物で取得することです。上記の例の場合は、ある人がスーパーでクレジットカード払いをしています。クレジットカード会社のポイントはもちろん貯まりますが、それと同時に、スーパーが楽天ポイントなどのポイントシステムに加盟していれば、ポイントカードを出してもう1種のポイントをゲットすることも可能です。

 そのため、1回の買い物で2種類のポイントを得るという2重にオトクな状態となっています。(店のポイント加盟状況によっては、ポイント3重取りが可能な店もあります)

 ②補助金のWでオトク=仕入税額控除

一方、補助金の消費税の場合も消費者側が「Wでオトク」という点では、ポイントの2重取りに仕組みが少し似ています。

もらった補助金で何かを仕入れたとしましょう。その仕入れ額を「仕入税額控除」として控除することが可能なのです。

 仕入税額控除とは、商品の仕入れ代金にかかる消費税分を控除することです。例えば、あなたが雑貨店を営んでいたとして、税込み1,080円のカップをお店に仕入れたとしましょう。

あなたは消費税80円分を含む1,080円の支払いでカップを仕入れましたが、消費税分の80円は商品が売れた際に税務局へ支払わなければいけません。

 そのため、消費税分の80円を2回支払うことになってしまいます。そこで、「課税分を込みで仕入れる際は(課税仕入の場合は)仕入額控除をして税額の控除を行ってもいいよ」という税法があります。

 しかし、この仕入額控除をもらった補助金で行うと、2つのオトクになってしまいます。以下の図をご覧ください。

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ある人が、「小規模事業者持続化補助金」という補助金で50万円を受け取りました。そのお金は、販売促進のために作成したホームページを作成した際のキャッシュバックとして受け取ったものでした。

 そして、ある人は確定申告をする際に50万円の補助金を確定申告する際に「控除対象仕入額」として計算しました。以下は、国税庁のホームページに掲載されている「確定申告の流れ」を拝借したものですが、STEP6の部分に「控除対象仕入税額」がでてきます。

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50万円を控除すれば、必然的にある人が支払うべき消費税の額は下がります。しかし、それは「2回目のオトク」とみなされ、税法では消費税分の返還の対象となってしまいます。

 3.消費税の返還の対象となる事業者の条件3つ

上記でご説明したように、補助金を得てさらに消費税の控除を受けた場合は消費税還付の対象となり、国税庁より「控除された分の消費税を返還してください」と請求されることになります。

 けれども、すべての事業者がそうなるわけではありません。以下の2つともに該当する場合のみ、消費税の還付対象の事業者としてみなされます。

  •  ①消費税の課税事業者
  • ②原則課税方式で確定申告または決算書を作成している

 ①の消費税の課税事業者とは、基準期間における課税売上高(税込みで売り上げた金額)が1,000万円以上の事業者を言います。基準期間とは、個人事業主の場合は1月~12月で、法人の場合は決算月から決算月までの1年間を指します。

 ②の原則課税方式とは、2つある消費税の課税計算方式の1つです。基準期間での売上高が5,000万円以下の事業者は、消費税の課税計算をする際に「原則課税方式」または「簡易課税方式」のどちらかを選べます。 

原則課税方式

簡易課税方式

・課税売上高×10または8%-課税仕入高×10または8%の計算式で消費税を計算する

・実際の売上高を基準に計算するため、帳簿と請求書の保管が必要

・課税売上高×(1-みなし仕入率)×10または8%

・実際の課税仕入れ当の税額を計算せず、課税売上高から仕入れ控除額の計算ができる

・課税期間開始の前日までに、管轄の税務署長に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する

 ざっくり言うと、原則課税方式の方が手続きは少々面倒なタイプ、と表現することができます。

 4.補助金をもらうまでの流れを復習しよう

①補助金を受け取るには、1年ちかくかかる

最後に、補助金を受け取るまでの流れをおさらいしてみたいと思います。

 補助金を申請するには、まず支給要件を満たし、必要書類を揃え、審査を通過する必要があります。審査に通過したあとは、「補助金支給申請書」という書類を補助金事務局へ提出します。補助金事務局はその補助金支給申請書を確認し、問題がなければ、あなたが指定した銀行口座に補助金を振込みます。

 【補助金申請と着金までの流れ】

・支給要件を確認

・必要書類を揃える

・申請する

・審査を通過する

・補助金支給申請書を提出する

・銀行口座に補助金が振り込まれる

 補助金の種類はいろいろありますが、だいたい上記のような流れで補助金は支給されます。

 ②補助金の種類で異なる!補助金を使って何かを購入するタイミング

補助金とは、補助金の個々のテーマを満たす個人や会社に支給されるものです。例えば、神奈川県の実施している「ロボット導入支援補助金」であれば、同県相模原市の「さがみロボット産業特区」で商品化されたロボットを導入する方に対し、補助金を支給しています。

また、建設業人材育成支援事業補助金の場合は、従業員が建設関連の国家資格を取得した際の経費を一部負担しています。 

補助金の名前(例)

補助金の利用目的

ロボット導入支援補助金

さがみロボット産業特区で商品化されたロボットの導入(購入)

建設業人材育成支援事業補助金

従業員が建設関連の国家資格を取得した際の経費を一部キャッシュバック

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が販促のために使った経費の一部をキャッシュバック

 補助金の多くは、キャッシュバックです。そのため、補助金を受け取ってから何かを購入するというのは物理的に難しく、上記の「建設業人勢育成支援事業補助金」と「小規模事業者持続化補助金」の場合は、最初にご自身が建設関連のお金や販促費を支払う必要があります。あなたが補助金対象経費として何かを支払うタイミングと、実際に補助金を受け取るタイミングには半年以上の時差があります。時差があるため、ついつい補助金で受け取ったお金を仕入額控除にしてしまわないよう、じぶんが対象事業者なのかを確認してから控除手続きを済ませましょう。

 まとめ

補助金自体は不課税な存在ですが、消費税課税事業者で原則課税方式をとっている事業者、くわえて仕入額控除の手続きをした事業者は消費税返還の対象となってしまいます。

補助金ではなく、日本政策金融公庫の融資であれば申込みから着金まで約1か月とスピーディ。消費税返還の対象にもなりません。

 

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。