助成金の申請に最低限必要な資格って何?
助成金は条件が合い申請が認定されればもらえる、返済不要のお金です。助成金のメリットはお金だけではなく、退職者の削減や働きやすい環境作りといった企業体質が強化される点にあります。助成金を効果的に使えば、事業を発展させることが大いに可能です。
そのため、「助成金に申請したい!」と考える企業は年々増えています。
しかし、助成金は全ての企業が申請できるわけではありません。助成金に申請するための資格が必要です。
今回の記事では、5つの助成金の必要資格と条件について解説していきます。
助成金としていくらもらえるのか、利用できる助成金にどんな助成金があるのかなど、専門家の意見を聞いてみたいという方は下記診断をご利用ください。助成金の受給資格の有無など3分で確認できます。
1. 助成金申請で必要な資格は助成金のジャンルで異なる
各種助成金にはそれぞれ申請のための必要条件があります。ここでは、いくつかの助成金を例に取り、必要な資格、条件についてご紹介します。
必要な資格はどんなジャンルの助成金を申請したいかによって異なります。
①「雇用関係の助成金」を目指す時に必要な資格・条件
厚生労働省が募集する助成金には、従業員を新たに雇い入れる際の「特定求職書雇用開発助成金」や雇用環境の整備をする「職場定着支援助成金」など雇用に関するものがあります。
これらの助成金を申請したいのであれば、大前提として以下の資格が必要です。
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1.雇用保険適用事業所の事業主であること
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2.支給のための審査に協力すること
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(1)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること
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(2)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること
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(3)管轄労働局等の実地調査を受け入れること など
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3.申請期間内に申請を行うこと
厚生労働省は雇用保険を管轄しています。厚生労働省から雇用関係の助成金としてお金の支給を受けようとしているのですから、雇用保険の適用事業所として認定を受けることは当然の条件と言えるでしょう。
助成金の不正受給を回避するため、助成金の申請に関わる書類を保管・整備していない事業所は助成金の対象外となります。
②「受動喫煙防⽌対策助成⾦」を目指す時に必要な資格・条件
社内の受動喫煙を防ぎ、従業員の健康を守りたい!こんな事業主は、厚生労働省の募集する受動喫煙の助成金を目指しましょう。
この助成金を申請したいのであれば、以下の資格が必要です。
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1.労働者災害補償保険の適用事業主である
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2.中小企業事業主である
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3.事業場内において、措置を講じた区域以外を禁煙とする事業主
この助成金についての詳細は、当サイトの以下既存記事も是非ご覧ください。
厚生労働省は労災保険も管轄しています。厚生労働省から労災関係(=仕事中の受動喫煙)の助成金としてお金の支給を受けようとしているのですから、労災保険の適用事業所として認定を受けることは当然の条件と言えますね。
③ストレスチェックなどの「産業保健活動に関わる助成金」を目指す時に必要な資格・条件
増える残業、上司によるパワハラなど、高度成長期のあとの日本企業には労働環境のソフト面での悪化も問題視されています。事業の継続を考えるのであれば、従業員が心地よく働けるように精神面でのチェックをするのも事業者の役目と言えるでしょう。厚生労働省では、2014年4月から産業保健活動総合支援事業を開始。委託を受け、ストレスチェック助成金の他に(独)労働者健康安全機構ではメンタルヘルスとして心の健康づくり計画助成金も募集しています。
ストレスチェック助成金や心の健康づくり計画助成金などの産業保健系助成金を申請したいのであれば、大前提として以下の資格が必要です。
- 1. 労働保険の適用事業場であること。
- 2. 事業者が産業医やメンタルへする対策員などの専門家の助言を受け、指導・支援を受けていること
受動喫煙と同様、職場の労働環境を守る助成金です。そのため、労働保険に加入しているというのが大前提となります。
④サイバーセキュリティ対策促進助成金など「東京都の助成金」を目指す時に必要な資格・条件
(公)東京都中小企業振興公社が行う中小企業向けの危機管理対策促進事業の中に、サイバーセキュリティ対策促進助成金があります。
この助成金を申請したいのであれば、大前提として以下の資格が必要です。
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1.東京都内の中小企業者又は中小企業グループである
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2.法人の場合は東京都内に本店または支店を有する者である
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3.個人にあっては東京都内で開業届又は青色申告をしており、都内で事業を営んでいる者
他の助成金の場合でもそうですが、中小企業であるという条件は助成金の条件で必ず見かける条件ですね。東京都が募集する助成金ですので、事業所が都内にあるというのが最低条件です。
サイバーセキュリティ対策促進助成金に関しては、当サイトの以下既存記事も是非ご覧ください。
都内のIT中小企業は要チェック!サイバーセキュリティ対策促進助成金とは?
⑤医療機器等事業化支援助成金など「ものづくり助成金」を目指す時に必要な資格・条件
同じく(公)東京都中小企業振興公社が行う補助金ですので、都内の中小企業が対象です。この助成金の特徴は、現在ものづくりを行うメーカーが医療機器産業に参入するのを支援する点です。例えば、下町にとても腕のいい職人さんや技術もあり医療機器に親和性があるのに、営業力が低くイマイチ事業が発展していかない。
こんな事業所が都内には相当数あるのです。腕のいい職人や技術が引退する前に、今後高齢者だらけになる東京都に役立てて欲しい!という意図があるものづくりに関連する助成金です。
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1.国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出する事業である
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2.革新的 なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者である
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3.東京都内に主たる自社の事業所又は研究開発場所、工場等を有し、事業を営んでいること
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4.申請書記載の設備等購入物品、開発人員及び当該助成事業における成果物等が確認できること
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5.法人の場合は、平成28年5月1日以前に東京都内に登記をしており、 個人事業者の場合は、平成28年5月1日以前に都内税務署へ開業届を出していること
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6.法人の場合は、税務署へ提出した直近2期分の確定申告書(決算報告書を含む)の写し、 個人事業主の場合は、税務署へ提出した直近2期分の事業の収支内訳書又は青色申告決算書の写しを提出できること(事業開始2年未満等で2期目が未提出の場合は直近1期分で可)
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7. 法人の場合は、都税事務所発行の「法人事業税及び法人都民税の納税証明書」が入手でき、 個人事業主の場合は、都税事務所発行の「個人事業税の納税証明書」及び区市町村発行の「住民税納税証明書」が入手できること
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8.本助成事業の成果を、東京都内で引き続き活用し続ける予定があること
ものづくりの助成金に必要なキーワードは、革新的です。革新的ものづくりの開発に向けた助成金ですので、助成額も最高3,000万円と高額になっています。
東京都中小企業振興公社が行う助成金ですので、必要資格や条件には「東京都で~」「東京都の~」と東京都という文言が溢れているのが特徴的です。東京都でしっかり税金を納め、助成金を受けたあとも東京都にしっかり貢献するという事が求められています。
2. 補助金申請でも必要な資格は助成金のジャンルで異なる
助成金だけでなく、補助金で必要な資格と条件もジャンルで異なります。
例えば、中小企業庁の募集する「創業・事業承継補助金(創業・事業承継支援事業)」という補助金の場合。この補助金は、新たな需要や雇用を創出し国を活性化することを目的とした補助金です。新しい需要と言えば、新聞や雑誌などの紙メディアからネット閲覧中心のWebメディアへとシフトしているように、今後ますます新たな需要は増えていくことでしょう。
創業補助金を目指すのであれば、必要な資格・条件は以下の2つとなります。
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募集開始日(平成29年5月8日)以降に創業する者であって、補助事業期間完了日までに個人開業又は会社(会社法上の株式会社、合同会社、合名会社、合資会社を指す。)・企業組合・協業組合・特定非営利活動法人の設立を行い、その代表となる者
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事業実施完了日までに、計画した補助事業の遂行のために新たに従業員を1名以上雇い入れる者
まとめ
助成金は厚生労働省が実施するものであれば、雇用関係は雇用保険適用事業所、労働環境の改善系であれば労災保険適用事業所であるというのが必要な資格です。
もう1つ忘れてならないのは、中小企業であるということ。中小企業として認定される従業員数は、小売業・建設業など事業の種類によって異なります。従業員の人数が多く、申請しようとしたのに助成金が申請できなかった!こんな事がないよう、助成金の申請前には自分の事業所が中小企業の規定人数に合うのか厚生労働省のホームページなどをチェックしてみてください。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
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