法人と個人事業主で日本政策金融公庫からの融資の受けやすさ違いはあるのでしょうか?
起業時の資金調達は法人にとっても個人事業主にとっても大切です。なぜなら、起業時に資金が少なかった企業は廃業に追い込まれる確率が高いからです。起業後5年以内の生存率は15%、10年以内の生存率は6%と言われ、その多くの廃業理由は「資金不足」と言われています。
資金不足を防ぐために多くの事業主が融資を受けていますが、よく疑問に上がるのが、融資を受ける場合、法人と個人で審査をする際に違いはあるのかということです。今回の記事では、日本政策金融公庫で法人と個人事業主が融資を受ける際の違いについてご説明します。
1.【結論】法人だからと言って借りやすいとは限らない
日本政策金融公庫は、あなたの住む街の近くに支店をもつ事業主の頼れるパートナーです。銀行などの金融機関は実績やコネのない企業に大金を貸すことはないですが、日本政策金融公庫は創業時の融資を支援する立場ですので、多くの起業家が最初にお金を借りる場所として認知されています。
さて、俗説では「個人事業主よりも法人の方がお金を借りやすい」と言われていますが、それは本当でしょうか?結論から申し上げますと、それは間違いです。事実、日本政策金融公庫(国金)の審査で法人だからといって審査に有利なポイントをつけることはありませんし、個人事業主の方でも日本政策金融公庫の審査に通る人はいます。
法人を設立するには費用(20万円程度)がかかり手続きも必要ですが、逆に言えば20万円ぐらいお持ちで手続きをすれば、どんな個人事業主でも法人を設立できるわけです。個人事業主の中では、充分に売り上げがありながらあえて法人を設立されない方もたくさんいらっしゃいます。法人の場合、個人事業主と納める税金の種類が違いますし、経費として計上できる項目も異なるからです。
2.融資で一番大切なのは、ビジネスが成功するかどうか
日本政策金融公庫は100%日本政府が出資する政策金融公庫です。
そのため、いくら公的な金融機関と言っても、貸したお金が返ってきそうもない方にはお金を貸すことはできません。日本政策金融公庫での融資は、法人や個人の違いは審査に影響しません。一番大切なのは、事業計画(創業計画)です。
3.事業計画書は適当に作らない
起業する方は、事業で成功するか失敗するかがまるで分からない新入社員のようなものです。新卒の就職活動では、職務経歴書が使えませんよね。「大学での学び・研究成果」や「部活・サークル活動」などを武器に、戦う訳です。
事業での職務経歴書のない起業家の武器は、自己資金そして「事業計画書」です。この事業計画書が甘いと、融資の審査には通りません。日本政策金融公庫の審査は、一度失敗するとその後半年間、融資申し込みをしても断られます。そのため、事業計画書をしっかりと準備をしてから申込みをするのがベストです。
(1)どうやって事業計画書を作ればいいのか?
事業計画書は、別名:創業計画書ともいわれています。フォーマットは、日本政策金融公庫の公式ページからWord版またExcel版をダウンロードできます。内容は、以下の点を網羅する必要があります。
- 全体の構想、事業イメージ
- 具体的な事業内容
- 創業時の資金計画
- 収支計画
詳細は、日本政策金融公庫の以下該当ページも参考にしてください。
日本政策金融公庫FAQ|事業計画書の作り方を教えてください。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/sougyou02.html
なお、事業計画書を代わりに作成してくれ、融資の面談に同行してくれる機関(認定支援機関)があるのはご存じですか?日本政策金融公庫としては、何もわからない起業家がどんどん申込みに来るという状況ではなく、一定の知識をもった専門家が補助をすることで審査や事業をスムーズに進めたいという狙いがあります。
中小企業庁から認定された認定支援機関は、あなたの街にいる税理士や弁護士などです。地域に密着した専門家を大いに利用しましょう(但し、有料です)。
当サイトを運営している株式会社SoLaboも認定支援機関です。融資の際に提出する書類作成のサポートや融資面談の事前準備など、経営者の方の融資サポートを行っておりますので、融資に関する疑問や不安のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
(2)収支計画が一番大切
事業計画書を作る上で、最も重要視される項目は収支計画(売上計画)です。何を根拠に、今後売上を上げていくことができるのかを詳細に記載する必要があります。
企業から独立してお客さんを引っ張れる場合
例えば、今現在会社勤めで営業をしているけれど、「独立したら〇〇さんと取引するよ」と言ってくれている。こんな方は非常に多いのではないでしょうか。
その場合、その「「独立したら〇〇さんと取引するよ」という約束を書面に落とし込んだものがあれば、それは立派な収支計画の証拠となります。添付資料としてコピーして提出できます。
まとめ
融資を受ける際に、法人・個人の違いで審査に影響はありません。それよりも、事業計画を素晴らしいものにするために注力しましょう。例えば、事業をする上で最高の立地を用意できた場合、このような土地関連のデータを元にすれば説得力のある収支計画を作成できます。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/
融資支援実績 6,000件超独立・開業・事業用資金の資金調達を
ソラボがサポートします。
- 独立するための資金調達をしたい
- 金融機関から開業資金の融資を受けたい
- 手元資金が足りず資金繰りに困っている
中小企業庁の認定を受けた認定支援機関である株式会社SoLabo(ソラボ)が、
あなたの資金調達をサポートします。
ソラボのできること
新規創業・開業の相談受付・融資支援業務、既存事業者の融資支援業務(金融機関のご提案・提出書類作成支援・面談に向けたアドバイス・スケジュール調整等)