クラウドファンディングの種類別デメリットを徹底解説!
資金調達の一つとして話題でもあるクラウドファンディングですが、利用することでメリットとなる事があれば、当然デメリットの部分も見えてきます。 今回はクラウドファンディングの種類別デメリットについて解説していきます。
1.クラウドファンディングの種類について
種類別と言っても、そもそもなんの種類があるのかを知っておきましょう。
下記の図をご覧ください。
このように、クラウドファンディングには、5つの種類が存在します。
これらの種類を理解したうえで、それぞれの共通しているデメリットから、種類別のデメリットまでを改めて見ていきましょう。
2.共通しているデメリット
企画者側のデメリット
Ⅰ.管理するコストが大きくなる
通常、資金調達をすると、大抵は企業側と金融側の1対1の中で行われるため、借りたら返済をするのが普通です。
ですが、クラウドファンディングでは、企画者が1に対し、支援者は多数となり、1対 多数という事が生まれます。
そのため、リターンの発送や手続きなどに手間がかかるという事が、分かります。
また、個人情報を保護する為にも、ミスは許されません。
ミスをしないためにも、一人でやるのではなく、人員を増やすなどしてスムーズに進めていく必要があります。
Ⅱ.資金を調達するまでに時間がかかる
金融機関を使っての融資であれば、長くても1カ月あれば、資金調達に成功します。
ですが、クラウドファンディングでは何カ月かかるのか、時間が読めないという問題があります。
実際に1ヵ月程度で、目標額達成を目指すのは難しいと考えておいた方がいいでしょう。
Ⅲ.プロジェクトが真似される
クラウドファンディングを利用するという事は、多くの人に公開することになります。
という事は、自分のプロジェクトを見て気に入った人が、真似をしてくる可能性も大いに考えられます。
特に怖いのが、プロジェクトが進んでいる中で、特許を取られてしまう事です。
特許を取得するのは面倒ですが、被害に遭わないためにも、先に特許の出願等を行い、自分のプロジェクトを守ることを考えましょう。
支援者側のデメリット
Ⅰ.リターンが戻ってこない
これは寄付型以外のクラウドファンディングに限りますが、リターンがあるものに対して、支援をしたのに、何の連絡もなく、リターンも当然こない、という問題が実際に起こっています。
貸付型の場合では、返済が遅延・延期のように、いつになっても返済される様子がなく、本来返ってくるはずのお金すら1円も返ってこないなど、悪質な方法で資金調達を考えている企画者も存在します。
Ⅱ.一度支援したもののキャンセルは不可
一度支援した場合、そのキャンセルをすることはできず、「やっぱりキャンセルしたいからお金を返してほしい」とお願いをしても、返ってこないものだと思っておいた方がいいでしょう。
その為、本当に支援したいものかどうかを、しっかりと見極めて、支援を決めるようにしましょう。
3.寄付型のデメリット
支援者側のデメリット
詐欺の可能性
企画者側のデメリットは特にありませんが、一番怖いことが、ネットを通しての支援になるため、顔が見えない分、本当に寄付されているのか分からないという事です。
寄付していると思って支援したお金が、実際には全く違う事へ使われていたり、悪用されていたりとなると、支援するのも一歩引いてしまいます。
ですがこれは、クラウドファンディングサイトを運営している会社が、掲載するにあたり、厳しい審査を行っているため、少し安心できる部分でもあります。
4.購入型のデメリット
企画者側のデメリット
公開すると、途中で中止できない
プロジェクトを公開した段階で、途中でプロジェクトを中止するという事はできないと思っておきましょう。
公開したからには最後まで企画者としてやり通さなければなりません。
また、プロジェクト未達成となった場合、支援者に対して返金の対応をする必要があります。
必ず成功するわけではない
クラウドファンディングの多くは、今日本にはない新しいものの開発、作成、など、常に新しいものを追及して利用している人も多くいます。
購入型クラウドファンディングもその一つです。
その為、支援者は実在しないものに足して資金を出すため、慎重に考えている分、なかなか目標額まで到達しないことも多くあります。
必ずしもプロジェクトが成功するわけではないということを、覚えておきましょう。
支援者側のデメリット
リターンを受け取れない可能性
プロジェクトを掲載しても、期間内に目標額が集まらなかったら、支援した資金は戻ってきますが、プロジェクトは始まりません。
その為、欲しいリターンがあり、支援をしても、プロジェクトが始まらなかったら、欲しいリターンも受け取れないという事になります。
5.ファンド型のデメリット
企画者側のデメリット
目標としている売上高を達成する必要がある
支援者は、企画者の事業を応援したい気持ちがあるうえに、事業が成功しその収益にも期待をし、資金を出します。
その為、企画者はプロジェクトで提示している事業開始後の目標額を、ある程度の期間内で達成する必要があります。
事業を進めていくことで、実際に成功するのかどうかは、誰にも分かりません。
その為、企画者にとっては、精神的な負担となる事も考えられます。
支援者側のデメリット
受け取ることができるリターン額の変動
支援者が受け取ることのできるリターンは、支援した資金額・商品・事業成功後の収益ですが、プロジェクト情報のページに掲載されている収益金額は、あくまで予想、事業が成功した際にのみ、受け取ることができる金額です。
そのため、事業が思い通りに進んでいかなかった場合には、ページに掲載されている収益額を受け取れません。
事業がどのように進んでいくのかは、読めない事なので、企画者・プロジェクトの将来をしっかりと見極めることが大切です。
6.貸付型のデメリット
企画者側のデメリット
プロジェクトテーマの展開性が少ない
徐々に成長しつつある貸付型のクラウドファンディングですが、いまだ浸透性は少ないのが現状です。
その為、プロジェクトテーマ・内容も限られてしまうことが問題です。
図のように、どのプロジェクトも同じような内容となってしまうため、今後の課題として、テーマの拡大・展開等を広げていくことが挙げられます。
支援者側のデメリット
返済遅延等のリスクを負う
真っ先に言えることとして、貸付額がしっかりと返済されるのか、という問題です。
企画者側の事業が上手くいかない影響で、返済にも遅れが生じ、最悪の場合には、連絡も取れず、貸付額の回収が全くできないという状況も考えられます。
貸付型クラウドファンディングを利用しているという事は、銀行等からの融資が行えない、何かしらのマイナス要因がある企業が利用しているという事を覚えておきましょう。
企画者側の情報が分からない
貸付を行う相手の事を知ることができるのは、ページに掲載されている情報のみです。
実際に会ったことがない相手の為、どんな人物で、どんな人柄なのか、という事も当然分かりません。
限られた情報で、相手の事を理解し見極めることが大切だという事も分かります。
7.株式型のデメリット
企画者側のデメリット
事務作業の増加
今までは行ってこなかった自社株の公開ですが、新事業を進めるために、株を売却するとなると、事務作業の負担が多くなります。
自社株を公開することで、株主名簿を管理、会社の決算情報公開等、事務作業が苦手な人にとっては大きな負担となります。
支援者側のデメリット
株の売却額によってはマイナスのリターンとなる
支援者は、企画者側の株を購入する際の金額と、その株を売却する際の金額の差額が、リターンとなるため、購入額よりも売却額が下回った場合には、マイナスのリターンとなる事を覚えておきましょう。
購入しようとしている企業の株が、株式市場で上場するのかどうかをしっかりと見極めて購入する必要があります。
まとめ
各種類のクラウドファンディングについて解説しましたが、もしも、利用を考えているならば、それぞれの種類の違いとメリット・デメリットは、知っておくようにしましょう。
デメリットだと感じる人でも、逆にメリットだと感じる人もいるでしょう。
自分に合った形で進めていくことが大切だと言えます。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
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2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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