ホームページを補助金からタダで作る!小規模事業者持続化補助金とは
企業のホームページの見栄えは、企業の利益にも直結します。
街中や電車で見かけた商品やサービスを、人はその場でスマホ検索できます。ホームページの見栄えや操作感が悪いと、それだけで「検索したけど、イマイチだった」とその人は調べることをやめてしまいます。
ホームページにかける費用がない、そもそもホームページがない。そんな中小企業には大変魅力的な公の補助金があります。
今回の記事では、そんなホームページ制作に関わる最大50万円の小規模事業者持続化補助金と地方自治体の補助金についてご紹介します。
1.そもそも商工会議所とは?
日本商工会議所が募集する小規模事業者が持続することを支援する補助金です。商工会議所ってよく聞くけど、具体的にはよく分からないですよね。
商工会議所とは「商工会議所法」という法律で定められた組織で、公益法人の1つです。公益法人とは会社のように営利を求める法人とは異なる団体で、その名の通り学術や宗教などの公益のために存在する法人です。
商工会議所の事業は様々ありますが、有名なところでは簿記検定やカラーコーディネーター検定などの検定事業があります。他にも、経営者向けの研修やセミナーの実施や企業の福利厚生を支援するサービスを行っています。
元々フランスで設立されたのが起源ですが、その加入についてはフランスのように強制の国もあればアメリカのように任意の国もあります。日本では後者の任意加入です。商工会議所の会員になるには年間1万~1万5千円ほどの年会費がかかるため、加入していない事業者もたくさんあります。
2.小規模事業者持続化補助金の概要
①対象事業者について
具体的にどんな事業者が小規模事業者なのでしょうか?以下をご覧ください。
事業の種類 | 事業所規模 |
【卸売業・小売業・サービス業(宿泊業・娯楽業は除く)】
例えば、三菱商事(卸売業)やダイエー(小売業)や エステ、美容室、マッサージ店、添乗員(サービス業) |
常時使用する従業員数:5人以下 |
【製造業その他・サービス業(宿泊・娯楽業)】
例えば、トヨタ自動車(製造業)やホテル(宿泊業)や 映画館(娯楽業) |
常時使用する従業員数:20人以下 |
対象事業は、卸売業・小売業・サービス業、製造業その他のいずれかとなります。常時使用する従業員数が5人以下または20人以下の小規模な事業主がこの補助金の対象です。
②経営計画に基づいた販路開拓を支援する補助金
この補助金が欲しいのであれば、販路開拓を含む経営計画を立て、商工会議所の指導・助言を受けることが条件となっています。
計画書の様式については、以下の日本商工会議所の資料の6ページ目~32ページ目を参考にしてみてください。記入例もついています。
平成28年度第2次補正予算小規模事業者持続化補助金<追加公募分>【公募要領】
※上記URLをクリックすると、日本商工会議所作成の資料へリンクします
③どんな経費が対象か
他の補助金でもそうですが、原則もらえるお金は後払いです。そのため、ホームページを補助金の支給後に作る、という計画はできません。
あくまで、事業主がホームページ制作を委託または自社で行い、その費用がいくらだったのか申請をして、審査が通れば実費の2/3までが支給されるというシステムです。また、小規模事業者持続化補助金で申請できる経費は、ホームページ制作(広報費)だけでなく機械装置や展示会出展費なども含め、広く「販路拡大のため」と判断される費用です。
具体的には、以下の13種類です。
④いつでも募集しているわけではない
小規模事業者持続化補助金は毎年募集している補助金ではありません。直近では平成29年4月に以下のようなスケジュールで追加公募がありました。
このあとは2018年度に募集されるという予測がされています。こまめに商工会議所のホームページをチェックして準備しておくことが大切です。
1.申請受付開始:平成29年4月14日(金)
2.申請書類一式の送付締切:平成29年5月31日(水)
3.採択結果公表:平成29年7月上旬頃予定
4.補助事業実施期間:交付決定通知書受領後から平成29年12月31日(日)まで
3.小規模事業者持続化補助金の申込み方法
①業所の管轄により異なる申し込み先
小規模事業者持続化補助金の募集団体は日本商工会議所ですが、あなたの事業所の所在地が別の商工会の管轄なのであれば、街頭の商工会議所へ申し込むこととなります。
例えば、東京都千代田区の事業所の場合。小規模事業者持続化補助金の申込み先は日本商工会議所ではなく、東京商工会議所です。申し込み先について調べるには、ネットで「〇〇(地域名) 商工会議所」と検索すれば早いですよ。
②申込み前と変更時には必ず商工会議所に承認をもらう!
小規模事業者持続化補助金は日本商工会議所が募集する法律に基づいた公的な補助金のため、段取りを非常に重視します。いきなりネットから申請書をダウンロードして、速達で間違いだらけの書類を郵送したところできっと受け取ってはくれません。
補助金公募要領の表紙にも書かれていますが、補助金申請は余裕を持ち、きちんとアポをとって承認をとってからの申請が重要です。
まずは、電話での問い合わせからスタートしましょう。その際に、質問や補助金を希望していることを感じよく丁寧に伝えればベストです。
さらに、補助金申請の際だけではなく申請した後に住所や事業計画などに変更があった場合も、連絡は必須です。「これぐらいいいか」と連絡を怠ったことで、補助金50万円がパーになってしまっては勿体ないですよね。
4.こんな事業主は小規模事業者持続化補助金をもらえません
①国からの同事業で既に補助金や助成金をもらっている
同一の内容について、国(独立行政法人含む)から助成金や補助金をもらっている場合は、本補助金は支給されません。
②定められた期日までに実績報告書等を提出しない
本補助金の審査を通過すると、まず「採択通知書」が送られてきます。その後、「補助金交付金決定通知書」が郵送されます。この時点で、ホームページの制作はスタートできます。それ以前に発注した制作費用については、補助金の対象外となってしまうので注意しましょう。
また、定められた期日までに実績報告書を提出しないと、補助金は交付されません。
4.その他の地方自治体の補助金について
日本商工会議所の募集する小規模事業者持続化補助金以外にも、地方自治体が募集する補助金でホームページ制作費用に充てられる補助金はあります。
例えば、東京都では以下の区で助成金・補助金がもらえます。
- 中央区/足立区/葛飾区/江東区/港区/豊島区/練馬区
他にも、街の活性化や英語のホームページ制作などの目的を満たすことで助成金・補助金を支給する区は以下が該当します。
- 千代田区/文京区/墨田区/目黒区/大田区/世田谷区/渋谷区/荒川区
それぞれ、対象事業や補助金枠は異なります。詳細は、事業所管轄の市区町村役場ホームページをご覧ください。
5.IT導入補助金との違いは?
似たような補助金として、経済産業省が募集する.IT導入補助金があります。小規模事業者持続化補助金はあくまで地域の店の「販路拡大」といった目的があるのに対し、.IT導入補助金の目的は中小企業・小規模事業者等の生産性を向上させる目的です。
そのため、IT導入補助金で大正の経費はソフトウェアやサービスといったITツールです。ホームページ制作費用はIT導入補助金では対象外となります。
6.助成金や補助金は取得までに時間がかかる?
助成金や補助金は、すぐに取得できるものはほとんどありません。
中でも、1年から1年半経過後に取得できるものが多いです。
助成金申請が実行される前に、資金繰りが悪くなってしまう会社が多い傾向があります。
そこで、多くの経営者が助成金とは別に、
金融機関や日本政策金融公庫からの借入もご検討することを推奨しています。
中でも、政府が100%出資している日本政策金融公庫については、
下記サイトで詳しく説明されていますので、情報収集しておくと万が一に備えられるでしょう。
まとめ
商工会議所は民間企業団体とは異なり、中立な立場で経営に関する支援をしてくれるため、企業にとって心強いパートナーです。
申請書類や手続きを踏むことは簡単ではないですが、魅力的なホームページが出来上がれば事業利益にもきっと直結することでしょう。
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