季節労働者の通年雇用で助成金を受給しよう~通年雇用助成金~
特に寒い地域において季節労働者として働く方を通年雇用した場合に受給可能な「通年雇用助成金」をご存じですか?
今回は「通年雇用助成金」の支給要件や受給額、受給申請方法についてご紹介します。
1.通年雇用助成金って?
東北地方や北海道などの積雪が多くみられ、1年間を通して働くことが出来ない「季節労働者」の方は冬の期間離職せざるを得ない状況にある場合があるでしょう。
通年雇用助成金では、季節労働者を1年を通して雇用する「通年雇用」の促進に取組む事業主の方が受給可能な助成金です。通年雇用促進を図り、地域によって生じる雇用格差をなくすことが目的とされています。
通年雇用助成金を受給する場合、一定の要件を満たす必要があるので確認していきましょう。
2.受給対象の措置とは?
通年雇用助成金を利用する場合、以下7つの措置のうちいずれかを実施する必要があります。
①事業所内就業
季節労働者を同じ事業所で冬の期間も継続して雇用した場合
②事業所外就業
季節労働者を配置転換や労働者派遣、在籍出向によって他の事業所で雇用し、冬の期間も継続して雇用した場合
③休業
季節労働者を冬の期間も継続して雇用し、期間中一定期間休業させた場合
④業務転換
季節労働者を季節労働ではない業務に転換し継続して雇用した場合
⑤職業訓練
冬の期間に継続して雇用している季節労働者に対して職業訓練を実施した場合
⑥新分野進出
季節雇用の従業員を通年雇用するため、新分野の事業所を設置・整備した場合
⑦季節トライアル雇用
対象の季節労働者を試行雇用(トライアル雇用)し、試行雇用期間が終了した後も引き続き常用雇用した場合
3.助成金の受給対象となる事業主の要件
通年雇用助成金を受給する場合、対象となる事業主はいくつかの要件を満たす必要があります。
受給対象の措置のうち1~6のいずれかを実施する事業主は、指定地域内で指定業種に属していることや、季節試行雇用を実施する事業主は指定地域内に所在し指定業種以外の業種に属することなどが受給対象事業主の要件です。
その他の要件は厚生労働省のホームページで確認しましょう。
厚生労働省ホームページ:通年雇用助成金
4.受給額
通年雇用助成金を利用する場合、実施する措置によって受給額や受給回数が異なります。
①事業所内就業・事業所外就業
・助成金受給対象の従業員1人あたり1年間で最大3回受給可能
・指定地域外で請負契約によって事業を実施し、就業のために対象従業員の住所変更等をおこなった場合の経費を負担した場合、従業員の移動距離に応じて必要な経費に相当する額が受給可能
②休業
・助成金受給対象の従業員1人あたり最大2回受給可能
③業務転換
・業務転換の開始日から6ヶ月間に支払った賃金の1/3が助成される。上限は71万円
④職業訓練
⑤新分野進出
⑥トライアル雇用
5.申請の流れ
助成金の支給対象の措置を実施し、申請書を作成して管轄のハローワークへ提出し支給申請を行います。
6.助成金や補助金は取得までに時間がかかる?
助成金や補助金は、すぐに取得できるものはほとんどありません。
中でも、1年から1年半経過後に取得できるものが多いです。
助成金申請が実行される前に、資金繰りが悪くなってしまう会社が多い傾向があります。
そこで、多くの経営者が助成金とは別に、
金融機関や日本政策金融公庫からの借入もご検討することを推奨しています。
中でも、政府が100%出資している日本政策金融公庫については、
下記サイトで詳しく説明されていますので、情報収集しておくと万が一に備えられるでしょう。
まとめ
今回ご紹介した通年雇用助成金は、季節によって就業が困難な地域の労働者を通年雇用することで助成金を受給することができます。実施する措置によって申請期間や受給額が異なるので利用する際はしっかり確認した上で申請しましょう。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上
【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup » https://inqup.com/