継続した障害者雇用を行うために!障害者介助等助成金について
障害を持つ方が安心して働くことが出来る環境を整え、継続して勤務することができる措置をとった事業主が受給することができる「障害者介助等助成金」をご存じですか?
既に障害者雇用を行っている事業主の方や、今後の障害者雇用をお考えの事業主の方に是非利用していただきたい助成金の一つです。
1.障害者介助等助成金とは?
より多くの障害者の方が就労し継続して働くために、必要な介助者配置や事業所内の整備などを行った事業主の方に助成される助成金です。
障害者介助等助成金は
①職場介助者の配置または委嘱助成金
②職場介助者の配置または委嘱の継続措置に係る助成金
③手話通訳担当者の委嘱助成金
の3つの種類にわけることができます。
障害を持つ従業員のための介助措置等を実施することで、障害者雇用の促進、継続を目指します。
では、障害者介助等助成金の申請要件や受給額はどのようなものでしょうか?
2.3つの助成金共通の要件を確認しよう!
障害者介助等助成金の中には3種類の助成金が含まれています。3つの助成金は受給対象となる措置や受給額に違いがありますが、共通の支給要件がいくつかあります。
以下で確認しましょう。
(1)受給対象の事業主
障害者介助等助成金を受給する事業主は次の4つの条件全てを満たす必要があります。
①3種類の助成金それぞれに設定された受給対象の障害者を雇用、または継続雇用する事業主
②3種類の助成金それぞれに設定された受給対象の措置を実施しない場合、受給対象の障害者を継続して雇用することが難しい事業主
③以前不正受給をおこなったために、障害者雇用納付金制度助成金において不支給措置がとられていない事業主
④以前不正受給をおこなったために、助成金の返還が求められている場合、該当する金額を全て返還した事業主
(2)受給申請の流れ
①受給資格認定の申請
障害者介助等助成金を申請する事業主の方は、3種類それぞれの助成金ごとに設定された期間内に「障害者助成金受給資格認定申請書」とその他必要な書類を準備し、管轄の各都道府県支部高齢・障害者業務課へ提出。
②支給申請
管轄の高齢・障害者業務課から、助成金の受給資格認定を受けた事業主は各助成金に設定された期間内に申請を行う。
申請の際は「障害者助成金支給請求書」などの種類を準備し管轄の各都道府県支部高齢・障害者業務課へ提出。
③受給
管轄の各都道府県支部高齢・障害者業務課での審査に通過した場合、受給額の振込が行われる。
4.3種類の助成金それぞれの要件を確認しよう!
(1)職場介助者の配置または委嘱助成金
障害者雇用の促進や継続を目指し、雇用されている障害を持つ従業員の介助を行う「職場介助者」の配置や委嘱を実施した事業主が利用可能な助成金です。受給対象の措置や受給額確認していきましょう。
①受給対象障害者の要件
対象となる障害者は、以下3つの条件のいずれかに当てはまり、助成金の受給申請を行う事業主から雇用または継続雇用される従業員である必要があります。
・2級以上の視覚障害者
・「2級以上の両上肢機能障害」「2級以上の両下肢機能障害」の両方を持つ障害者
・「3級以上の乳幼児期以前の非進行性の脳病変による上肢機能障害」「3級以上の乳幼児期以前の非進行性の脳病変による移動機能障害」の両方を持つ障害者
②配置・委嘱職場介助者の要件
対象障害者が業務をスムーズに行うこができるように、以下2つの条件のうちいずれかに当てはまる介助者を配置または委嘱する必要があります。
・重度視覚障害者に対する介助業務
・重度四肢機能障害者に対する介助業務
③受給額
要件を満たした介護者の配置または委嘱にかかった費用の3/4を受給することができます。
上限は、介助者を配置した場合月額15万円、介助者を委嘱した場合は1回あたり1万円と定められています。
支給対象の期間は10年間です。支給対象期間を6ヶ月ごとに分けられ支給請求の対象期間ごとにまとめて6ヶ月分支給されます。
④注意点
助成金の受給資格申請期限は、要件を満たした介助者を配置または委嘱する前の日までです。また、助成金支給の申請期限は「支給請求対象期間」の最後の月の【翌月の月末】までです。
(2)職場介助者の配置または委嘱の継続措置に係る助成金
障害を持った方の雇用を促進し継続して行うために、介助者の配置・委嘱を継続して実施した事業主が利用可能な助成金です。支給対象期間である10年間が終了した後も継続して介助者の配置または委嘱を行う必要があるので、利用の際は注意が必要です。
①受給対象障害者の要件
助成金の申請を行う事業主から雇用され、以下2つのうちいずれかの要件を満たす従業員である必要があります。
・2級以上の視覚障害者
・「2級以上の両上肢機能障害」「2級以上の両下肢機能障害」の両方を持つ障害者
・「3級以上の乳幼児期以前の非進行性の脳病変による上肢機能障害」「3級以上の乳幼児期以前の非進行性の脳病変による移動機能障害」の両方を持つ障害者
②配置・委嘱職場介助者の要件
・重度視覚障害者に対する介助業務
・重度四肢機能障害者に対する介助業務
③受給額
要件を満たした介護者の配置または委嘱にかかった費用の2/3を受給することができます。
上限は、介助者を配置した場合月額13万円、介助者を委嘱した場合は1回あたり9,000万円と定められています。
④注意点
助成金の受給資格認定の申請期限は「職場介助者の配置または委嘱助成金」の支給対象期間が終了する日の前日までです。助成金受給申請の期限は6ヶ月の支給対象期間の最終月の翌月の末日までです。
(3)手話通訳担当者の委嘱助成金
障害をもつ労働者の雇用促進・継続のために手話通訳担当者の委嘱を実施した事業主が利用できる助成金です。
①受給対象障害者の要件
助成金を申請する事業主によって雇用され、以下2つの条件いずれかに当てはまる従業員である必要があります。
・3級の聴覚障害者
・2級の聴覚障害者
②委嘱の手話通訳担当者の要件
要件を満たす受給対象障害者がスムーズに業務を遂行できるように、以下3つの業務のうちいずれかを行う手話通訳担当者である必要があります。
③受給額
要件を満たした介護者の配置または委嘱にかかった費用の3/4を受給することができます。
上限は、手話通訳者の委嘱1回につき6,000円です。
④注意点
助成金の受給資格認定の申請期限は手話通訳担当者の委嘱を行う前日までに行う必要があります。また、受給申請の期限は6ヶ月である支給請求対象期間の最終月の翌月末日までとなっています。
助成金や補助金は取得までに時間がかかる?
助成金や補助金は、すぐに取得できるものはほとんどありません。
中でも、1年から1年半経過後に取得できるものが多いです。
助成金申請が実行される前に、資金繰りが悪くなってしまう会社が多い傾向があります。
そこで、多くの経営者が助成金とは別に、
金融機関や日本政策金融公庫からの借入もご検討することを推奨しています。
中でも、政府が100%出資している日本政策金融公庫については、
下記サイトで詳しく説明されていますので、情報収集しておくと万が一に備えられるでしょう。
まとめ
今回は障害者介助等助成金についてご紹介しました。障害を持つ方が活躍できる社会づくりを目指し、障害を持つ従業員の業務がスムーズに進むための措置をとった事業主が利用することが出来ます。障害者雇用に関する助成金の種類は豊富ですが、「障害者介助等助成金」は既に障害者雇用を行っている事業主の方にも、これから障害者雇用に取組む事業主の方にもオススメの助成金の一つです。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/
融資支援実績 6,000件超独立・開業・事業用資金の資金調達を
ソラボがサポートします。
- 独立するための資金調達をしたい
- 金融機関から開業資金の融資を受けたい
- 手元資金が足りず資金繰りに困っている
中小企業庁の認定を受けた認定支援機関である株式会社SoLabo(ソラボ)が、
あなたの資金調達をサポートします。
ソラボのできること
新規創業・開業の相談受付・融資支援業務、既存事業者の融資支援業務(金融機関のご提案・提出書類作成支援・面談に向けたアドバイス・スケジュール調整等)