キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)~平成29年4月1日新設~

キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)~平成29年4月1日新設~ 公開日:2018.09.27助成金・補助金 – 取り組みやすい助成金
キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)~平成29年4月1日新設~
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キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)~平成29年4月1日新設~

キャリアアップ助成金は平成29年4月から、これまでの3つのコースから8つのコースに拡充されます。

キャリアアップ助成金とはパートタイム労働者や派遣労働者などの期限付き雇用の労働者の社内でのキャリアアップを図るために、処遇を改善するなどの取り組みを行った事業主の方が受給することができる助成金です。

今回は平成29年4月より新設されたキャリアアップ助成金の「諸手当制度共通化コース」についてご紹介します。

1.キャリアアップ助成金「諸手当制度共通化コース」とは

派遣労働者やパートタイム労働者、契約社員などの雇用期間に定めがある労働者に、正規雇用の従業員と同一の手当の制度を新設し実際に適用し、従業員の処遇改善に努めた事業主が受給することができる助成金です。期限付きの非正規雇用である従業員にも、正規雇用の社員と同じ業務を行った場合に同様の賃金を支払うことや、食事手当や賞与など正規の従業員と同様の手当を適用することで起業の離職率を下げ従業員全体のモチベーションをあげることが目的です。助成金受給の対象となる手当の項目は11種類あるため、事業主の方が取組やすい項目を選択し従業員の処遇改善を行ってみてはいかがでしょうか。

2.受給の対象となる労働者の要件

キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)が適用される対象労働者の要件をみていきましょう。以下の要件すべてに当てはまる必要があります。

(1)労働協約や就業規則によって助成対象の諸手当制度を作成し、適用日の前日3か月以上前から適用後6ヶ月後以降の期間に継続して申請事業主から有期契約労働者として雇用されていること

(2)諸手当制度の適用日以降、申請事業主の事業所で雇用保険被保険者として従事していること

(3)諸手当制度の適用をした事業所の事業主または取締役の3等身以内の親族以外の労働者

(4)助成金の支給申請を行った日に離職していないこと

3.助成金受給の対象となる事業主の要件

  • まず、キャリアアップ助成金の全コース共通の要件についてご紹介します。

(1)雇用保険を適用している事業所の事業主

(2)雇用保険を適用している事業所ごとにキャリアアップ管理者を設置している事業主

(3)雇用保険を適用している事業所ごとに受給対象である従業員に対してキャリアアップ計画書を作成し管轄の労働局へ提出・認定を受けた事業主

(4)支給申請を行うコースの対象である従業員の給与の支払が明確にできる書類を整備している事業主

(5)労働局へ提出し認定を受けたキャリアアップ計画書に定められた計画期間内にキャリアアップに関する取組を実施した事業主

  • キャリアアップ助成金の諸手当制度共通化コースを受給するための事業主の条件をみていきましょう。以下の要件すべてに当てはまる必要があります。

(1)管轄の労働局へ提出し認定を得たキャリアアップ計画書に記された「キャリアアップ期間中」に労働協定や就業規則の規定により、雇用している有期契約労働者に対して正規の従業員と同じ以下の11個の手当のうちいずれかの諸手当制度を作成・適用した事業主

(2)新たに作成に適用した上記①~⑪の諸手当制度に沿って、受給の対象である従業員1人当たりが以下のいずれかの項目に当てはまり、6ヶ月分の給与を支払った事業主

・上記①について、6ヶ月分として50,000円以上支給した事業主

・上記②~⑨について、1ヶ月分として10,000以上支給した事業主

・上記⑩または⑪について、割増率を法定割合の下限に5%以上加算し支給した事業主

(3)正規の従業員に関する諸手当制度を、期限付き労働者に新しく設けて適用する諸手当制度と同時かそれ以前に適用している事業主

(4)有期契約の従業員の諸手当支給について、正規雇用の従業員に適用している制度と同じ金額または同じ算定方法をとっている事業主

(5)受給対象となる諸手当制度を、事業所の有期雇用従業員と正規雇用の従業員全員に適用した事業主

(6)受給対象となる諸手当制度を適用し6ヶ月以上運用している事業主

(7)受給対象となる諸手当制度の適用対象である有期契約の労働者と正規雇用の労働者全員の基本給を、適用前と比較して減額していない事業主

(8)助成金の支給申請を行う日に受給対象である諸手当制度を継続・運用している事業主

(9)生産要件を満たす場合の支給申請をおこなう場合、該当する生産要件を満たした事業主

3.受給額

※中小企業の範囲について:助成金の要件によく出てくる「中小企業」ってどのくらいの規模?うちの会社は中小企業になるの?

※キャリアアップ助成金では、生産要件を満たす場合の受給額増額を行います。

生産性要件について:もらえる助成金の額がアップ!絶対知っておきたい生産性要件とは何か?

4.申請のながれ

(1)キャリアアップ計画書の作成・提出

雇用保険を適用している事業所ごとにキャリアアップ管理者を配置し、ガイドラインに沿って「キャリアアップ計画書」を作成。管轄の労働局へ作成した計画書を提出し認定を受ける。

(2)諸手当制度の導入・適用

認定を受けた「キャリアアップ計画書」に沿って新しく諸手当制度の作成・適用を行う。有期雇用の従業員と正規雇用の従業員の手当を共通化した後の雇用契約書や労働条件通知書を、支給対象の従業員に対して交付する必要がある。また、対象の諸手当制度を導入した後の対象者全員の基本給が下がっていない必要がある。

(3)6ヶ月の賃金算定期間を経て支給申請

支給対象となる制度の共通化をおこなってから6ヶ月間の賃金算定期間を経て、諸手当を支給した後に6ヶ月分の給与を支給した日の翌日から2か月以内に支給申請を行う。

(4)支給決定

管轄の労働局に申請書類を準備して申請を行い、審査の結果支給が決定した場合受給することができる。

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まとめ

今回は平成29年4月に新設されたキャリアアップ助成金の「諸手当等共通化コース」についてご紹介しました。有期雇用の従業員に対して正規の従業員と同様の手当制度を適用することで、従業員全体のモチベーションをあげることができるでしょう。会社にとって有期雇用の従業員と正規雇用の従業員の手当を同一にすることは賃金の増加にもなり、難しいように感じてしまう事業主に方も多いでしょう。しかし諸手当共通化コースには、対象の取り組みが11個もあるのでご自身が適用しやすいと感じる制度の導入から初めてみてはいかがでしょうか。従業員の処遇改善を行うことで離職率の低下にもなり、助成金を受給することができるので、オススメの助成金制度のひとつです。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
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