特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)とは?
年齢や障害、家庭の事情などを理由として就職が困難な求職者を雇用するための制度を整えた事業主に給付される「特定求職者雇用開発助成金」。特定求職者雇用開発助成金には7つのコースがあり、雇用した従業員の条件等によって利用できるコースが異なります。今回は年齢によって就職が困難である方を雇用した場合に利用することができる、特定求職者雇用開発助成金の「生涯現役コース」についてご紹介します。
1.特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)とは
助成金を申請する事業主の方が、雇用した日の年齢が満65歳以上である労働者を雇用することで給付される助成金です。高齢化が進み就労人口が少なくなっている日本で、働く意欲や技術のある65歳以上の離職者を継続して雇用することは多くの方がより長く働くことができる社会づくりだけでなく、企業の人手不足の解消にも繋がります。では、生涯現役コースを利用することができる企業の要件や、助成金の受給額についてみていきましょう。
2.支給対象
特定求職者雇用開発助成金の生涯現役コースの対象となる求職者の要件は次の通りです。
(1)助成金を申請する事業主から雇用された日の年齢が満65歳以上である方
(2)助成金を申請する事業主から雇用された日に1週間の労働時間が20時間以上の労働者などの失業等の状態でない方を含む、雇用保険被保険者
3.受給する事業主の条件
特定求職者雇用開発助成金の生涯現役コースを利用することができる事業主の要件は次の通りです。
(1)ハローワークや職業紹介を行う民間の事業者等から対象の労働者を雇用した事業主
(2)対象の労働者を1年以上雇用することが確実だと認められ、高年齢者雇用保険被保険者として雇用する事業主
※この他にも雇用関係助成金の共通要件がいくつかあるので厚生労働省のホームページで確認しましょう。
厚生労働省ホームページ:雇用関係助成金共通の要件
4.受給額
生涯現役コースでは、受給の対象となる労働者の給与を助成し、6ヶ月ごとに受給可能です。
※( )内の受給額は中小企業以外の事業主が受給可能な金額です。中小企業の範囲についてはこちらで説明しているのでご確認ください。
助成金の要件によく出てくる「中小企業」ってどのくらいの規模?うちの会社は中小企業になるの?
4.支給申請
特定求職者雇用開発助成金の生涯現役コースを申請し受給するまでの流れをみていきましょう。
(1)受給対象の労働者の紹介を受ける
ハローワークや地方運輸局などの職業案内を行っている事業者から、受給対象となる労働者を紹介してもらいます。
(2)受給対象者の雇用
紹介を受けた受給対象の労働者を雇用します。ただし以下の場合は受給の対象にならないので注意が必要です。
①雇用する対象の労働者が、受給申請を行う事業所で雇用日の前日までの3年間で働いた経験がある場合
②受給申請を行う事業主がハローワーク等から紹介を受けた対象労働者が、紹介日以前に他の企業からの雇用予約があった場合
(3)第1回支給申請
助成金の第1期支給対象期間が修了した日の翌日から2か月以内に必要書類を管轄の労働局へ提出し申請を行い、支給申請書の内容について確認など審査が行われます。
(4)支給の決定
管轄の労働局へ提出した申請書類の内容によって審査が行われ、支給・不支給の決定がされます。支給・不支給の審査には時間がかかる場合があるので注意が必要です。
(5)受給
支給が決定した事業主の方に受給額が振り込まれます。
※第2回支給申請も同じ流れで行います。第1回目の申請をおこなっていない場合、第2回目のみの申請も可能です。
助成金や補助金は取得までに時間がかかる?
助成金や補助金は、すぐに取得できるものはほとんどありません。
中でも、1年から1年半経過後に取得できるものが多いです。
助成金申請が実行される前に、資金繰りが悪くなってしまう会社が多い傾向があります。
そこで、多くの経営者が助成金とは別に、
金融機関や日本政策金融公庫からの借入もご検討することを推奨しています。
中でも、政府が100%出資している日本政策金融公庫については、
下記サイトで詳しく説明されていますので、情報収集しておくと万が一に備えられるでしょう。
まとめ
今回は特定求職者雇用開発助成金の生涯現役コースについてご紹介しました。平成28年に受給額が改定され増額されたため、これから65歳以上の労働者を雇用する事業主の方は是非ご利用ください。
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